第11話商業ギルドマスターローマン
私が係員さんの話を聞いていると、奥から別の女性係員さんが来て私と話している係員さんに耳打ちした。
彼女は一瞬驚いた顔をしてからすぐに笑顔に戻り。
「お客様の査定が終わりました。ですが私共の上司が是非お客様に会いたいと申しておりますが、どういたしますか?」
うん?また厄介事かな?もうね私が歩くと厄介事に当たるのかしら?
ああ、平和に暮らしたい・・・まあやることないより良いですけど。
冒険者ギルドにもいかないといけないのに、やる事あるときの厄介事って正直だるい。
私は笑顔で了承すると先ほど耳打ちしていた女性従業員さんがカウンターから私側に出てきて。
「ではこちらになりますので、付いて来ていただけますか?」
女性従業員さんが訪ねてから先を歩き始めた。
私は素直に付いて行くと階段を上り始めた。
3階に会議室があるって言ってたしそこに行くのかな?
案の定、3階の一室に案内された。
女性従業員さんが扉を叩き「お連れしました」と声をかけると、中から「入ってください」と声が返ってきた。
その声を聞いた女性従業員さんは扉を大きく開け、中に入る様に自分の身体で扉を押さえ横にずれた。
私は促されるままに中に入ると、中には3人の男性がテーブルに付いていた。
私の前には、丸眼鏡を架けた笑顔の30代くらいの男性、頭つるつるに禿げた老人、黒縁眼鏡の痩せすぎで神経質そうな40代位かな?の男性が座っていた。
私が入って来ると真ん中に座る禿頭のご老人が、右手で椅子を指し「座りなされ」と言ってくれたので軽くお辞儀をしてから席に着く。
私が席に着いてすぐにご老人が「初めまして、儂はこのギルドのギルドマスターを務めるローマンじゃ」と名乗り続いて。
左側の丸眼鏡の男性が「私はコラ、美術品部門の部門長をしています」と告げ。
続いて右側の神経質そうな黒縁眼鏡の男性が「吾輩はジャクソン、薬品部門の部門長である」と告げた。
私は3人が名乗るのを確認してから。
「私はマリアです。冒険者をしています、と言っても冒険者ギルドには登録しておりませんでしたのでこの後登録に行く予定なのですが」
私が名乗るとローマンさんが。
「ほう、冒険者ギルドに登録していない冒険者?こりゃまた変なお嬢さんじゃ。
理由などは詮索せんよ、儂らにゃ関係ないからのう、儂らにゃ商売できればそれでいいんじゃ」
ローマンさんはそう言うとコラさんが。
「マリアさんをここにお呼び致したのは、あなたがこちらに持ち込んだ商品についてです。特にポーション・・・」
コラさんが理由を言うと今度はジャクソンさんが身を乗り出し。
「そうである、マリア殿が持ち込んだポーションを調べた処。劣化のしないことが分かったのである。
通常ポーションはどんな上質の物でも劣化してしまう。大体1ヶ月で効力が失われてしまう。
マリア殿のポーションはそれが起きないらしいのだ!それで定期的に手に入るか製法がしれればと思ったのであるが・・・」
呼ばれた理由は分かりました。
でもね~ポーション作る方法は有るには有るのよ、メビロではメイン職業以外にもスキルを取る方法が有るの。
それはスキルブック、1次職のスキルやロールプレイのためのスキル。
中にはレアなスキルもあるんだけど、その中に調薬のスキルブックも有る。
でもスキルをとっても、こっちの材料で同じ物が作れるかってことになると、ムリじゃね?ってなるのよね。
ストレージの中に材料有るんじゃないのか?ですって?有るわよ。
でも無限にあるわけじゃ無いし手持ちのポーションより少ないのよ。
薬の材料になる物ってストレージ一つ分になったら、アルフォンスさんに渡してたのよね。
だから初級ポーションに使う薬草って67本しか無いの。
そんな理由が有って持ってる初級ポーションの量しか売れないし、無くなたらそれまで。
「私も作り方は知りません、このポーションは古代遺跡で手に入れた物なんです」
私はメビロのケイン硬貨と同じ様に古代遺跡からの出土品ってことにした。
それを聞いたコラさんは何かに気付いた様に眉を寄せ。
「ではマリアさんがポーションと一緒に持ってきた硬貨も古代遺跡の出土品なのですか?」
コラさんの質問に「その通りです」と答える。
「そうなるとこれ以上の入手は難しくなりますな」
ジャクソンさんが考える様な仕草をしながら呟いた。
「ポーションなら後484個ありますし硬貨も大量に有りますよ」
私がそう答えるとローマンさんが代表して。
「ならなぜ売らないのかじゃ?」
と質問されたから。
私は譲渡不可の初級ポーション瓶を出しテーブルの上に置き「触って確認してみてください」と答えた。
3人は目を見合わせてジャクソンさんが手に取ろうとした。
でも空を切る様に持つことができなかった。
それに驚いた2人も瓶を持とうとするが手をすり抜けてしまうだけだった。
3人は一頻確認をしたのちあきらめ多様だ。
「そのポーション瓶、譲渡不可の呪いが掛かっているらしく人に渡せ無いんです。
でも中身は瓶から出せば人に渡せることが分かったので10本移し替えて持ってきたんです」
3人は呪いと聞いて一瞬驚いた顔したので。
「大丈夫ですよ他人が触れないだけみたいですので」
私がそう言うとほっとした様だった。
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