第12話コレナンテ錬金術?

ポーションの説明が終わると直ぐにジャクソンさんがまた身を乗り出して。


「それでそのポーションは何個売ることが出来るのかな?」


まあ、全部売るつもりだったし構わないわよね。


「ええ、私が売れる数は435個です。でも移し替えるのに時間がかかるので1日に50本が限度かと思いますよ」


私が提供した個数に驚く様な顔をするジャクソンさん、その顔は思ったよりも多かったのかしら?それを聞いたコラさんは。


「では貨幣の方はいくつ出していただけるのしょう?」と訪ねてきた。


貨幣は直ぐに渡せるのよね、でも問題は価格美術品として売るなら、あんまり多く出して値崩れしても困るし、何枚売るのが妥当なのか私には分からないのよね。

こうなったら素直に何枚売れば良いかコラさんに聞いて見ましょ。


「私も美術品として、私の持っている貨幣を値崩れしない様に売れる量が解からないのです。

ですので貨幣に関しては値段を先に聞かせていただき、その値段が崩れない数を教えていただけないでしょうか?」


私の提案を聞き熟考し始めるコラさん。

するとローマンさんが。


「では、今日の買取価格を先に見てもらおうかのう?それで問題なければ次売る数の交渉を始めよう。どうじゃ?」


ローマンさんの提案にコラさんとジャクソンさんも頷き。

私も問題無いかな?と考えて頷いた。

あ~でも失敗したな~さっきのポーションの時も、最初に買取価格聞いてから数言った方がよかったわよね。

これじゃ買い叩かれる可能性も有りそうね。

私が考え事をしているとローマンさんが紙を渡しに差し出し。


「これがポーションと貨幣の価格じゃ」


私はローマンさんから紙を受け取ると内容を確認し始めた。


ポーション 10,000ローン 10本=100,000ローン

貨幣 小銅貨 10,000ローン

   中銅貨 8,000ローン

   大銅貨 5,000ローン

   小銀貨 1,000,000ローン

   中銀貨 800,000ローン

   大銀貨 500,000ローン

   小金貨 10,000,000ローン

   中金貨 8,000,000ローン

   大金貨 12,000,000ローン


合計 32,423,000ローン

売却手数料 3,242,300ローン

支払金額 29,180,700ローン


おお、コレナンテ錬金術?私が出した貨幣は16,161,600ケインそれが2倍近くになったんですけど?

美術品って高いのね、貨幣でこれだとルームアイテムとか頭が噴火しそうなお値段になりそうね。

怖い、なんか非常に怖くなってきちゃった。

絶対知られちゃいけないわよね。

私が青ざめて震えているとローマンさんが。


「ほ、ほ、ほ、どうやら満足してくれたみたいじゃのう」と自慢げに笑って言ってきた。


私は一度深く深呼吸して笑顔を戻し。


「この金額なら貨幣は問題有りません、ですがポーションは何故この値段になったのでしょう?

先ほどのジャクソンさんの説明ならもう少し付加価値が付いてもよろしいのでは無いのでしょうか?」


私が気になったのはポーション、だってさっきジャクソンさんは“1ヶ月で”劣化するって言ってたのよ。

と言う事は1ヶ月で買い替えなきゃ成らないってことよね?

ならいくら初級ポーションでも普通のポーションより値段が付くはず。

私にとってゴミアイテムでも買い叩かれるのは、なんか癪に障る。


「あーそれはだな、いくら劣化しないからと言っても消耗品であるからして、余り高くすると売れないのである」


ジャクソンさんが説明してくる。

でも私はすでに高く売る方法を考えついている。

だからここは。


「では今回はお売りいたしますが次からの貨幣だけと言う事で」


私がそう告げるとジャクソンさんは渋い顔をし俯いてしまった。

するとローマンさんが。


「ほ、ほ、ほ、ジャクソンの負けじゃの、わかった一本20,000ローンで買い取らせていただく。

じゃがそれ以上では、たぶん嬢ちゃんの売ろうとしてる所も買い取ってはくれんと思うぞい」


あれ?気付かれちゃったかしら?まあそうよね。

ポーションを“卸す所”なんて限られているんですもの気付いて当然よね。

まあ値上げには成功したんだし、これ以上は危険よね。

悪い人達じゃ無さそうだけど、怒らせるよりは良い取引相手になってくれれば一番でしょうから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る