Mind☆Emsemble -without say good buy-

第1話 Prologue -プロローグ-

『あんたの明日の運勢、見せなさい！』

おぉ…。今日もカッコイイ。

さすが冬花。いや、新山花凛だった。

今やっているのは、女優の新山花凛が演じる桐山冬花が占いをする傍ら、事件の推理もするドラマだ。

勿論、一緒に見ている妹の明日香には新山目当てで見ているだなんて言わない。

と、冬花が推理を始める良いところで電話が鳴った。

「お兄ー。電話」

リビングで冬花を見ていた明日香がそこのテーブルに置いてあった僕の携帯を持ってきた。

「おー、さんきゅ。耳に当ててくれるか？」

僕はテレビを見ながら夜ご飯の天ぷらを作っている最中だったから明日香に持ってもらって調理をしながらテレビを見ながら電話する。

「はい、もしもし」

『川上探偵事務所です」

川上探偵事務所には昨日、面接に行ってきたからその返事だった。

面接に受かったため、明日から来てほしい様。

「はい、ありがとうございます！よろしくお願いします。では、失礼します。

明日香、切っていいよ」

「お兄、受かったの？」

「うん。明日からお願いします、だって」

嬉しくて声がファルセットになりながら明日香に伝えると、パッと明るく可愛い笑顔を見せてくれた。

「お兄、良かったね！頑張ってね！」

…ううっ、可愛すぎる…！

この子、本当に僕の妹？

（血の繋がった妹です）

親バカ、ならぬ兄バカだな。

新山の歌声を聞きながら思った

今日この頃。

けれど、これから色んなことが1日で起きるなんて、

全く考えもしなかった。