カルラの力とは
「さて……」
マキナの拘束から解放されてしばらく経過したあの日の休日、今までに使っていなかったカルラの力を少しでも使えるように練習するためにギルドの地下にいる。
「いくよー」
(はーい)
初めにカルラの特徴である翼を広げる、これ自体は気を向けて翼を出すと出てくるので特に違和感や疲労感などはない。
この翼を普通に動かすだけで飛べるので今までやったことがないが翼に魔力を流してみる。
「おお!?」
魔力を流すとスポンジのように魔力を吸ってくる、吸引力は大した強くないのであえて強めに送ると大人しくなった。
「何だったんだ?」
(私にもわかりません)
「持ち主だろう……」
(それは貴女もでしょう?)
「そうでした」
次は手にカルラの力を集中してみるがどうも留める事が出来ずに霧散してしまった。
「アレぇ?」
(あの時はフィアさんの力を使っていたじゃないですか)
「あ、そうか」
右手をフィアの形にしてからカルラの力を込めてみると今度は溜まってくれた。
魔法で適当に土の塊を作ってからカルラの力を溜めた状態で殴ってみると、勢いよく破裂した。
(強いですね)
また同じ土の塊を作ってからカルラの力が無い状態で殴ってみると先ほどと同じように破裂した。
「ダメージに追加は無い感じか、じゃあ回復とか?」
腕を2本生やして、その生やした腕を切り傷を作る、片方にカルラの力を集中させて、もう片方はフィアの力でカルラの力を溜めた腕を当てる。
「変化なしか」
10秒ほど様子を見たが傷の治りに変化は無かった。
「攻撃力アップも回復力アップもなく疲れるだけ?」
(あれぇ?)
「現状は魔力を多く消費するだけ?」
(じゃあアンデット系特攻とか?)
「そういった敵と実験で戦うなんて無謀にもほどがあるし、最悪変な呪いとかが付くかもしれないし、危険だしで確かめる気はない」
(後は見た目が綺麗になるとか?)
「あー確かに、何て言うか武器の見た目を変えるみたいな感じでかなぁ」
(え、私っておまけ程度?!)
「戦闘に関してはそうかも」
戦闘に関してはフィアの力を使えば問題なく、飛ぶこと自体もカルラの力がなくてもできるので今まで使おうと思ったことがない。
「次はあえて最初はカルラの力だけで戦ってみるよ」
(お願いしますね)
「じゃあ次は打ち出してみるか」
両手でカルラの力を溜めて前方に打ち出す、見た目の迫力はあるものの威力はないようだ。
(脅しには使えそうですね)
「いや、これすっごく疲れる、普通に火を使った方が楽」
(難しいですね)
別の部屋にある練習用の刃を潰した剣を取り出してカルラの力を付与してみる、少し発光しているが暗闇を照らすには足りない、試しに他の付与していない武器とぶつけてみると、付与していない方の武器が砕けてしまった。
(これはイケるのでは?)
「いや、数はいる」
ココにあるものは使い物にならなくなった物や元々捨てたりしていた物だったので別に壊されても問題はない。
いくつかぶつけてみたが付与していない武器が全て砕けてしまった。
「つまり自信の能力アップじゃなくてアイテムの効果アップか」
(みたいですね)
「武器もあるのなら、薬とかは?」
ユウキは自分で傷が治せるので回復系のアイテムをもっていない、なので一度上に上がって購買で安い回復薬を適当に選んで購入する。
それからまた地下に戻り、再び両手を作りだして傷をつけてから片方には何もしていない方をかけて、もう片方にはカルラの力を込めた回復薬をかけてみる、すると力を込めた方は回復スピードが速くなっていた。
「これでアイテム系に付与する系っぽいね」
(みたいですねー)
「でもこれ疲れるからあんまりやりたくないなぁ」
(そんなぁ)
既に任務に行ったような疲労感があり、カルラの力を連発できそうにない。
「一応限界だけは把握しておくか……」
アイテムや武器に適当に力を付与してある程度の限界を把握してからこの日は終わった。
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