仕事の終わりと厄介な物
人の気配が無い少し離れたところで分散させた体を再構成してから部屋に戻る。
「どうですか?」
「上手く行きました」
「というかいったい何をしたんですか?」
「殺すのは無理だったけど、とりあえず決着つけた」
やはり転校生は一筋縄ではいかず何故か殺すことができなかった、ひとまず一部を同化させて性格を弄ってハーレムの形成を阻止して1人に絞るようにした、なんとなくだけどコレでなんとかなる気がする。
「これでこの事態は解決できると?」
「即効性はないから今すぐって訳にもいかないけどね」
「それなら経過を見る必要がありますね」
嫌そうにしているがもう見ているだけでいいのでテンション自体は高そうだ。
それから数日間様子を見ていると徐々に変な改造制服も少なくなり、ユウキが通っている学校と似た雰囲気に戻りつつあった。
そして姫様が派遣した人達からも報告が届いているようで、ユウキ達の元にもう問題無いと判断して撤収する旨の指示が届いた。
「あぁぁああ……、やっと終わったぁ」
「いやぁこれでようやく帰れますね」
「やっと国に帰れるよぉ」
「そういえばアーノイドさんは他国からでしたね」
「お隣の国だよ」
「しかしそれなのに姫様からの直々の指名でしょう、いったい何をしたんですか?」
「命と貞操の危機を救った」
「あぁ、ならしょうがないですね、それほどの危機を救ったのなら信頼を置くのも仕方のないことでしょう」
「うん迷惑してる」
「今のは聞かなかったことにしておきますよ」
「助かります」
「それじゃあさっさと後始末をして帰りましょう」
「そういえば帰りの手段は?」
「徒歩しかないですよ」
「マジですか」
「移動手段を用意すれば足がつきますからね」
「えぇわかりましたよ」
こうしてユウキ達は静かに撤収していった。
後日……。
「お母さん、お届け物だよ」
休日の昼間にダラダラしているとマキナが不思議そうな顔でに小包を持ってきた。
「え、誰から?」
「お隣の国の姫様からだね」
「うわぁ……」
「そんな嫌そうな顔初めてみた……」
「アレからのモノとか厄介な物しかないよ、はぁ憂鬱になりそう」
「とりあえず開けるね」
「いや、私が開けるよ、国のトップ勢の物を放置できないのがまた苦しいところ……お?!」
中身を傷つけないように慎重に開封している。
「感謝状?」
「ポイね」
まず一番最初に目についたのは感謝状だ、直接渡せば良いのにと思ったが嫌な予感がよぎったのでこれでよかったと自己解決させた。
「じゃあこれはそのご褒美とか?」
「開けてみるか、ってナニこれ?」
「ナイフ、かぁ……あぁ」
入っていたのは黒く光沢の無いナイフが入っていた、ユウキはそれを手に取ると眠そうな顔が一瞬で覚醒してすぐに落ち込む。
「そのナイフがどうしたの?」
「これの刃先が私の、フィアの鱗で出来てる」
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