縛りプレイ対本気

(やっぱりそれなりに強いし面倒くさい)


「でもこの程度の魔物じゃあ僕の敵ではない!」


 真っ直ぐに剣をこちらに突き立ててくる、相手が転校生なのでここからは回避に徹して反撃した方がいいだろう、一撃を受けたらどんなダメージがあるわからない。


 今のユウキは確かに弱い化け物に変身しているのだがそれでも雑魚扱いされるのは腹が立つ。




 攻撃をギリギリで回避して攻撃してみると鈍い感触がした、いつの間にか盾で防がれていたようでしかも衝撃を吸収するために中にスポンジみたいなものが入っているようだ。


「やっぱり中にこれ入れて正解じゃねーか」


 勝ち誇った顔がユウキのイライラを加速させる。


 盾に触れている部分を発火されて吹き飛ばそうとするが耐えられてしまったたので逆にユウキが距離を取り前方から炎の固まりを繰り出して攻撃する、本来変身した魔物は炎での遠距離攻撃は持っていないがそんな事は今のユウキに取ってはどうでもいいことだ。


「不味いぞ、アレはあんな攻撃をしないハズだ」


 安全な位置から先生が警告を出している。


「そんな事は些細なことさ、あの魔物が雑魚だという事はかわりない!」


 自信満々に言っているが態勢はしっかりと構えている、警戒心はしっかりと上がっているようだ。


ユウキは更に警戒させるために出した炎を剣の形にして向かい打つ。


「いやもうアレ別物だろ!」


 ツッコミを入れるがユウキは気にせず突っ込んでいく、剣術はあまりできないが力任せで剣を振れば何とかなるだろうと適当に考えている、ユウキが知っている剣術はそれぞれ国の特徴が出てしまうためにあえて出さないようにするためだ。


「なんだよこいつ全然強いじゃん」




 しばらく攻防が続く、あ互いに一撃を食らえないので状況が続いておりなかなか進展しない。


 転校生は遠距離に有効な攻撃手段を持っていないようで体制を整える以外では基本的距離をとらないので他の人間が介入できそうにない。


 ユウキが本気を出せば一瞬で終わりそうだが、今は魔物の形態をとっているため下手に強くなると国の周辺に不要な警戒をさせてしまう必要がある。




「いい加減に!」


 戦闘が長引き向こうのイライラがピークに達したようで大振りの攻撃になる、ユウキはその隙を付いて腹部に攻撃がヒットさせる、そこから一気に畳み掛けて始末する。


 それからユウキもそれで力が尽きたようにして被さるように倒れてから一部を対象の体内に潜り込ませて同化させて少量の部位で地面の穴を掘ってこの場から離れる、残りの大部分は気化させたり液化して地面に浸透したりしてこの場から撤退する。

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