適当に出かけてみた
「ところでどこ行こうか?」
街の門から出て暫く進み、突然思い出したように呟く。
「え、お母さん決めてなかったの?」
「うん、勢いで出てきたからね」
「だから荷物が少なかったんだ」
現在ユウキ達が持っている荷物は常備している遠出用の着替えなどが入ったリュックをそれぞれ持っているだけである。
「でもお金ならそこそこあるから現地調達で良いんじゃないかな」
「それでもいいかもね」
「ちなみに今回の言いだしっぺはレティさんだから割と期間は長めでも問題ないんだなぁ」
「やった、じゃあいっぱい買い物しよう」
「一応仕事だから何か成果を提出しないといけないんだよ」
「わかってまーす」
「ていうか本当にどこに行こう……」
「このまま真っ直ぐ行くと港街につくけど?」
「じゃあそのまま適当に船に乗ろう、それでそこで何かしよう」
「何かって?」
「到着して決める感じで」
「計画性……」
「そんなモン今回は特に無いよ」
「だよねー」
道中は特に障害もなくあっさりと港街に到着した。
「ここに来るのは久しぶりだねー、潮のいい匂いだよ」
「私は結構苦手かも」
マキナは淡水の龍なので海水では泳げなかったりするため海はあまり得意ではない。
「じゃあ帰る?」
「いく」
それで親と行く事の方が大事なようだ。
「まずはご飯だね」
「ごはんー」
少女が2人だけで行くと何かと面倒な事が起こるので2人とも大人の姿になってから街に入る。
街に入るには身分証明が必要で入国手続きのように厳しい、というのも港街で外国からも人がくるので港では捌ききれず、街の出入り口で審査をしている、そのため街全体が大きな壁に囲まれている。
もっともユウキ達はギルドのSランク証明書があるので簡単に短時間で出入りできる。
街の中は常に活気があり時折怒号が飛び交う、積荷の積み下ろしがそこそこ稼げるらしく国外からも出稼ぎに来ている人も多い。
ここに住んでいる人は結束力が強いらしく、治安もいいので夜遅くでなければ女性が1人で歩いていても問題が起こりにくい、また飲食店の激戦区でもあるらしく美味しくなかったり店員の対応が最悪だと一気に客足が遠のくで、軽装の人がゆっくりしていればハズレなく無難な店という事らしい……、街の入り口でmらったパンフレットにそう記載されていた。
とりあえずパンフレットに従い適当に店を選んで見ると割とおいしく値段も安く満足できた。
「よし、食べ終わったし、目的地を決めよう」
「はーい」
食事も終わり、適当に港に向かい国外に向かう船で一番早い船に乗ることにした、目的地はあえて調べていないが乗り換えなしで危険地帯に行くことは無いだろう。
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