南国で何をしようか

「さて、行先は……」


 行先を記した券には初めてみる地名が書かれており、乗員に聞いてみると南の方角へ向かうそうで、複数の港に行くらしい、料金は先払いなので乗員に言っておけばどこで降りても良いそうだ。


「5か所に寄るみたいだからどこで降りるかは自由だし、どこで降りようか?」


「どこでもいいんだけね」


「じゃあサイコロだ」


 懐からサイコロを取り出して転がすと2の目が一番上に出た。


「2だね」


「2だね」


 そんなわけで2つめに到着した港に降りる事にした。




 船から出てみると、南の地方な事もあって温暖な気候で湿気も少なく過ごしやすそうではある。


「さて、何しようか……」


「ホントにねー」


 ノープランで出てきたものの初めての土地でも行けば何とかなると思ったがそうも行かなかった、そもそも遠征は目的があって行くものなので適当に飛び出していくものではない。


「とにかく大型モンスターでも倒すか、何か見つけるしかないよねー」


「そうだねー」


 マキナは既に考えを放棄していた。




「適当に伝説の調査でもするか…」


「伝説って?」


「ああって何ていうかな……、まぁ適当な迷信とか進行とか正体を暴くみたいな?」


「あーそれでいいかな?」


「じゃあ行きますか……」


「うん」




「この辺の伝説ねー、最近人が移住してできたような土地だからそういうのは聞かないなー」


 道行く人に聞き込みをしても同じような返事しかなかった、さすがに金を出して情報屋に当たってみたが特にこの土地には無いならしい。


「伝説ほどじゃないけど、変な遺跡ならあるゼ」


「遺跡って?」


「ああ、といっても整備された石畳が少しあるだけさ、かなり植物に飲まれてて作られたのはかなり前だろうけどな」


「ありがとう、そこに行ってみるよ」


「こんなに貰っておいてこんな情報しか出せないのは申し訳ないからな、一応その辺の詳細な地図を用意させてくれ」


「たすかるよ」


 情報屋から地図をもらいそれに記されている所に移動する。


「確かに不自然にあるね…」


 もらった地図に従って移動すると確かに古めかしい石畳があった、軽く周囲を見回してみるが他に人工物らしきものはない。


「何かに続く道だろうな?」


 石畳のほとんどが植物に覆われておりどこに続いているか一切検討がつかない。


「何かある事を祈って進むか……」


 草を刈りとりながら足元の石畳を頼りに進んで行く、予想以上に植物が浸食していて進めない、乾燥した森なので火を使うわけにもいかず、焼き払いたい衝動を抑えるのに必死だ、特にマキナは水竜なので鋭く連続で草を刈れる爪などをもっていないので、なかなか植物を除去できずにさらにイライラが溜まっている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る