捕食回収
「とりあえず敵だし死んでくれや」
向こうの転生者の持っている剣からバチバチと電気を帯びた音が聞こえてくる、死んでと言っているが恐らく今回も送り返されるのだろう。
「サンダースラッシュ!」
わざわざ技名を叫んで剣を大振りして斬撃を飛ばす、電気の攻撃だからか結構早い、ユウキが軽く避けようとするが、分体のだったことを忘れており、踏込がたりず、横腹を掠ってしまう。
「ぐっ……」
別に痛いわけではないがとりあえず痛がっておく。
「お前只者じゃないな、でもこれならどうだ!、サンダースラッシュ、5連打!」
溜めることなく大振りで五回剣を振り、5つの斬撃が飛んでくる、その斬撃をモロに受けてユウキはバラバラになる、ユウキが崩れると同時に眉間に大きな穴が開いた向こうの転生者も崩れ落ちる。
「隙だらけだよ……」
周囲に見ている人がいないのを確認して、ちぎれた体をつなげる。
「あぁ、ほとんど焼けてる……」
体のほとんどが雷で焼けたりで消滅しているため使える部位で再構築すると、10歳の見た目になってしまうほど、使える部位が少なかった。
「あぁなんとかして体積だけでも増やさないと……」
大人が帰ってきたら子供になっているのはこの世界でもありえない事なので、このまま戻る訳にはいかない。
「今食べられるのは、あれだけかぁ」
目の前に頭を撃ちぬいた物が転がっている、念のため頭部を砕いておく。
「贅沢は言ってられないな……」
気乗りはしなかったが、しぶしぶ食べる事にした。
「再生してるし」
死んだと思っていたが、どうやら不老不死系の特典がついているらしい。
「食べてしまえば問題ないでしょう」
完全に再生されたら困るので、口を大きく開けて頭から蛇のようにゆっくり丸飲みしていく、とりこんだりする気は無いので、純粋にカロリーとしてお腹に収めていく。
人を飲み込んでいるいるにも関わらず、お腹は大きくならず、身長が伸びていき、すべて飲み込み終わると、転生者と戦う前の姿に戻った。
「おーい、大丈夫ですかー?」
飲み込み終わった後に兵士の一人が心配になって来てしまったようだ。
「あれ、敵は…?」
「既に倒しましたよ、私1人で十分と言ったじゃないですか」
「さすがですね」
「とりあえず拠点に戻りましょうか」
「はい」
拠点に戻ると、ユウキのところに来た兵士がこってり怒られていた。
「お母さんお帰りー、大丈夫だった?」
「何とかね、でもあと少しあの兵士の到着が早かったら消してたかも」
「やっぱりその状態だとキツイ感じだね」
「本体は膨大な魔力があるから大丈夫だけど今の私はつらい」
「やっぱ魔力は大切だな」
いつまにか分体の横で本体がしっかりとうなずいていた。
「本体、いつの間に……」
「ついさっきだね、さっき何とか忍び込んだばかり」
「あぁ、じゃあ疲れたんで戻ります……」
分体が本体へ手を伸ばし本体と手をつなぐ、分体が徐々に小さくなっていき、完全に吸収された。
一つに戻った時に10秒ほど目を閉じて記憶を整理する。
「あ、そんな事があったのね」
消えた分体に感謝しながら、体を成長させ、先ほどまで分体がとっていた見た目に変化させる。
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