猪突猛進
「あのーその白い粉はいったい何ですか、もしかして魔力伝達が早いと噂の白魔鉱を砕いた物では……」
水で出来た人型ですら初めて見る人が多いほど珍しい物で、更に人型の水に何かしているのをみて若い兵士が質問をぶつける。
「そんな高級品は使わないよ、これは安売りしてた片栗粉」
「へ?」
若い兵士は衝撃のあまり、手に持っていた杖を落とした。
「とりあえず向かわせてみるね」
水で出来た人型より若干ぎこちない。
「うーん、さすがに完全に水じゃないから動かしにくいね」
「ていうか全身真っ白なのに敵を騙せるのですか?」
「騙す必要はないかな、とりあえず敵の情報を集める目的だし」
マキナは目を閉じ、しばらくじっとしていたが3分後に溜息のあとに目を開ける。
「うーん、なんかいろいろやってたけど絶対に剣から何かしてるね」
「何かって何?」
「まぁ、いろいろ、炎出したり、氷出したり花びらだしたり、針になったりいろいろ、人型が片栗粉入りで正解だったよ、最後にあいてをべたべたに出来たし」
「ちなみに相手の性別は?」
「男だったよ」
「じゃあさっさと殺そう」
「お母さん、いきなりやる気なくしてどうしたの?」
「えーどうせ、俺TUEEEEしたいだけの野郎だろ?」
「それは転生した人のほとんどじゃないかな、それってお母さんもだよね」
「私はブーメランの使い手になった覚えはない、視界外からヘッドショットで終わりでええやん、てか剣の強さ的にはどうだった?」
「確かに技に振り回されて感はあったけど、普通に強かったよ?」
「やってやろうじゃねぇかぁ!!!!」
「自分が分身だからってやけくそになってる……」
見た目を変化させたので現状使える力の3割ほど使用しているため、元々分体で弱体化している状態から更に弱体している、更に自分が分体だと自覚しているので適当になっている、そのせいで大股気味に敵のいる方向へ向かいだす。
「え、ちょっと……」
「私一人で十分だ!」
マキナが慌てて後を追うとするがユウキが威嚇するように制止させる。
「あ、うん気を付けて……」
「私は所詮分体だからね……」
ある程度進み、だれも聞こえないように諦めぎみに呟く。
少し歩くと転生者と思われる人を発見した、向こうはすでにこちらに気づいていたようだ。
「うーん、もう少し若い方が好みかなぁ」
いきなり失礼な言葉が飛んできた、言葉や態度など諸々に緊張感が感じられない。
「もしかして、怒った、だったらごめんねぇ」
謝っているのは言葉だけで反省している様子はまるで無かった、さずがに頭にきたユウキは相手の眉間に向かって貫通性を高めた魔法弾を動く事無く放つ。
「アブな、俺の【超反応】とこのチート剣が無かったらヤバいじゃん!」
初見で止められるとは予想外だが彼が発言した「チート」という言葉で転生者という事が確定した。
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