増える日本人
ユウキ達は、ギルド1階にいつの間にか増設されていたカフェで休日をのんびり過していた。
「なんか、予想してたギルドとは違うな」
「シタラ君が予想してたギルドってどんな感じなの?」
大きな声を上げながら二人組の男女がギルドに入ってきた。
「俺のイメージしていたギルドはなぁ、なんていうか荒くれ者が沢山いて、連日酒を煽る人や大声を上げる連中が沢山いてだなぁ……」
「なんかシタラ君の思うギルドって治安悪そうだね、シタラ君の故郷の極東ってそんな所だったの?」
「いいやぁ、違うよ……、本で読んだんだよ、ほら英雄章とかで出てくるギルドって治安が悪いイメージだからさ」
「そうなの、かなり珍しいね、今度それ読ませてよ」
「あ、あぁ今度な……」
「うん楽しみにしてる」
「うわーまた日本人だよ……」
ユウキがうんざりした表情でテーブルに伏せる、ユウキはまたと言っているがギルドでユウキ以外の元日本人を見たのは初めてである。
「ふっふっふぅ、今日から俺の物語……いや、伝説が始まる、サイタマ!」
「サイタマって?」
「ごめん、こっちの話、というかギルドの登録ってどうやるの?」
「まずは、身分証明書かそれに準ずるものと、あと登録料かな」
「え、身分証明書ってここで発行するんじゃ……」
「そこは大丈夫だよ、私はそれに準ずる物と登録料は私はちゃんと2人分あるから」
「天使かよ、最高」
2人はそのまま俯き黙ってしまった。
「と、とりあえず登録しよっか……」
「……うん」
「なにあれ、私の時あんな献身的なヒロインいなかったんですけどぉ」
「お母さん、そんな作り話じゃないんだから……?」
「ま、でもアンタも結構そんなそんな存在だから」
「えぇ、うそぉ?!」
「……魔力測定って色を見るだけなんだ」
「え、普通そうじゃないの?」
「というか僕って水属性なんだな、いろいろ便利だしまぁいいや」
「本当、私も水が得意なんだ」
「なんだ水属性最高じゃないか」
「えぇ、今気づいたの?」
「君が眩しくて気が付かなかったよ」
「……もう」
「今日はゆっくりしよう……」
「そうだねー、いつも依頼行ってるもんねー」
「すまんがそうは言ってられなくなったぞ」
「レティさんいきなりですね」
レティが気配なく表れる。
「あぁちょっと急ぎでな、その飲みかけを持って来てもいいから私の部屋に来てくれ、すまない私もコーヒーを頼む」
少し離れた受付が返事をすると一瞬で持ってきた。
「どうぞー」
「ありがとう」
「え、お代は?」
「私はここの責任者だぞ、コーヒーくらい無料だ」
「何それうらやましい」
「オプションとかつけたら有料だけどな」
「そうなんだ、所で話って?」
「そのためににはお前たちのその重い腰を上げてもらおうか」
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