旧校舎の落し物
「たぶん元を絶たないと無限に出てくるか別の何かが来ると思う、ちょっとさっきの理科室の所を覗いてみたらわかるかも」
なるべく音を立てないように2階に戻り階段から周囲を警戒しながら理科室へ向かい中を覗くと、さっき撃退したはずの真っ黒な何かが破壊された椅子の周囲に3体立っていた。
「たくさんいる感じだねー」
「あれ、すっごく気持ち悪いんだけど…」
「一応撃退はできるけど、あれを対処しながらだと結構手間がかかって面倒」
「なんで壁突き破って脱出できなんだよぉ」
八つ当たりとばかりに壁に水流をぶつける、もちろん壁が濡れるだけだった。
「八つ当たりするのならあの3体にやってよ」
軽くかかる水しぶきがうっとおしく思いながら抗議する。
「はーい」
冗談のつもりだったがマキナは理科室にいる真っ黒な何かに向かって攻撃をした。
「弱…」
真っ黒な何かは簡単に叫び声を上げながら消滅した。
「あぁこっちかぁ」
真っ黒な何かがいた場所には鍵が三つ落ちていた。
「どういうこと?」
「たぶんさっきのアレを倒して進むんだよ」
「え、あれ倒すの、五月蠅いんだけど……」
確かにあの真っ黒な何かを倒した時に耳を塞ぎたくなるような叫び声を上げるため勢いで倒したものの二
人とも倒す度にあの叫び声を聞くのはつらい物がある。
とりあえず落ちている鍵を拾う。
「あぁ…」
拾った鍵を眺めてユウキが溜息をつく。
「どうしたの?」
「この3つの鍵、全部同じだ、たぶんあの真っ黒なのからはこの鍵を落とすんだな」
「ということはまた別の何かを倒ししたら別に鍵が出てくるってこと?」
「多分そうじゃないかな、とにかくこの鍵で開く教室を探さないと」
拾った鍵にはテープなどはついて無かった、なのでまた総当たりに調べて回ることになった、途中でまた真っ黒な何かと遭遇したがこんどは吹き飛ばすだけにして叫び声を回避していった。
「さっさとここから出てお風呂入りたい」
マキナが愚痴を言ったところでただ無意味に響くだけだった。
「おっ…」
3つ目の教室の鍵で感触があった、そのまま鍵を開け扉を開ける、この教室は入ると一段高くなっておりの中は長めの丈夫な机が並んでいた。
「ここは何の教室だろ?」
「さすがにここまで何もないとすぐには解らないなぁ…」
教室に入り、机を叩いてみたりして中を調べていく。
「それにしてもここの教室の壁って穴だらけだね」
確かに壁を見るとまるで模様のように壁に穴が開いている、おそらく防音のための穴だろう。
「てことはパソコン室かな」
「パソコン?」
「ま、電気で動くいろいろ便利な物」
「ふーん、ここも何もなさそうだね」
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