旧校舎の黒いモノ
「うーんなんか殺風景だね」
「だねー」
この教室にも机や棚などはあるがビーカーや標本などといった物は無かった、ここが理科室とわかったのは複数人がまとめて座るための大きな机とそれについてるガスの元栓と水道の蛇口があるからでもしかしたら違う教室かもしれない。
理科室なので何か薬てきな物がないか期待したがそういった物は一切なかった。
「ここまで何もないと私も本当に理科室かと思えてきたよ」
戸棚などに何かないか徹底的に探す。
「ないなー」
一通り探すが何もなかった、一息つくために近くの椅子に腰かける。
なんとなく近くにある蛇口を捻るが水が出てくる事はなかった、一応捻り直して再び探しだす。
「収穫なし、かな」
結局何も得られる物はなかった。
「………」
マキナが椅子を見つめている。
「これ、投げたらどうなるんだろ」
何か物騒な事を言い出した、しかし。
「やってみようかな……」
ここに止める人はいなかった。
二人とも試に椅子を持ち窓に向けて全力で投げてみる、普通に窓を攻撃するよりも効いた気がした。
「いけるかな?」
椅子が無事だったため再び投げる、窓から変な音がしたかと思うと椅子が砕けた。
「イスの破壊は可能、かな」
しばらく砕けた椅子を観察しているが再生する様子は無かった。
「でも窓は破壊出来そうにないなー」
窓の方にはヒビなどは無かった。
「もっと固いものなら砕けるのかな」
しかしこの教室には他に投げられそうなものは一切なかった。
「地道に捜索かなー」
「だねぇ……」
理科室でも捜索をいったん諦めて再び一階へ向かう。
「もう一度教室で捜索かなー」
それを聞いてマキナが嫌そうな顔をするがここを脱出するためには仕方がない事だと思い我慢した。
「……?」
一階に下りる途中にユウキとマキナ以外の足音が聞こえた。
「何かいるのかな?」
前世と違って今は魔物などが出てきてもある程度は抵抗できるため、なんとかできるだろうと足音のする方向へ向かう。
足音のする方を見てみるとそこにあったのは、クレヨンで人を出鱈目に描いたような真っ黒な何かが立っていた。
その真っ黒な何かは人が発しないような叫び声をあげながらユウキの方へ向かってくる。
「敵を打ち貫け!」
とっさに攻撃を繰り出す、こういった所で下手に属性をつけて打つと何かあると思ってしまい純粋な魔力の弾を放つ。
真っ黒な何かは攻撃を受けると悲鳴を上げ消し飛んだ。
「倒したの?」
いつのまにかユウキにガッツリしがみついていたマキナが真っ黒な何かがいた方をみる。
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