旧校舎の場所

「……さて」


 校長室からまっすぐに第3グラウンドへと向う、そこではまだ生徒達が部活動や魔法の練習などをしている、魔法が飛び交っているので時折流れ弾が飛んでくる。


 そんな状況では調べることは出来ないと判断したので、一度マキナを迎えにいってから適当に飲み物を買ってから第3グラウンドが見える範囲で時間を潰すことにした。




「お母さん珍しいね、こんな時間まで寮に帰らないなんて」


 いつもは授業が終わるとすぐに寮に戻り趣味のゴーレム制作かギルドにレティを冷やかしに行っているのでとても珍しい事ではある。


「まあね、そういえばマキナは旧校舎があるって知ってた?」


 昔にマキナもこの学校に通っていたことを思い出して時間つぶしがてらなんとなく質問してみる。


「うー…ん、噂だけ聞いたことはあるかなー、今回はそれを探してるの、あくまであれはただの噂だよ、私も見たことないし」


「どうも本当にあるっぽい」


「え、ほんと!」


「しかも第3グラウンドにね」


「だからココにいるのか」


「でも出現の条件とか不明だからね、さっき行ったけどなにも無かったし」


「普通に行ってそこに有ったらとっくに噂じゃなくなっているだろうし……」




 それから適当に時間を潰したりして太陽が完全に沈み、生徒達が完全にいなくなってしまった。


「ついに夜になってしまった」


 結局なんの変化も起こらなかった。


「私はお母さんと過ごせたから別にいいけどね」


「たしかにこうしてゆっくりしてるのも悪くはなかった……」


「あれ、仕事してる時以外だいたいゆっくりしてない?」


「そこは気分の問題だよー」


「そうかー」


「そうだよー、帰ろっか」


「うん


 寮の門限が近づいてきたためこの日は帰ることにした。




 翌日、この日は生徒が少なかったのもあり気分転換で標的を作って適当に魔法を放っていた。


「どーん」


「ばーん」


 適当な魔法なので詠唱も適当である、ついでにマキナも一緒になって放っていた、それによりグラウンドの一画がまるで戦場のようになっていた。


 途中でユウキが気まぐれで標的をゴーレムの見た目にして複数出して来たためその空間だけまるで別世界のようだった。




 ひとしきり暴れまわって気が付くと日がすっかり沈んでいた、適当に放った魔法が周囲を照らしていたため一度休憩しようとして魔法を止めると一気に周囲が暗くなってしまった、暗闇に少しだけ光るゴーレムとそのシルエットはちょっとかっこよかった。


 そしてすでに太陽が沈んでる時間だと気づいたのか見物していた他の生徒達は早々に寮に帰っていった、ユウキ達は帰る前に荒れたグラウンドを修復をする。


「これ門限までに間に合うかなぁ」


 ゴーレムの素材に地面を多めに使ったため修復作業に時間がかかってしまった、修復が終わろうとしたところ、グランドが霧に覆われてきた。


「お、これは来たんじゃないかな」


 気候的に霧が発生する条件は整っていないのでこれは自然現象ではないと確信し、まだ完全に視界がふさがれていない内にマキナの近くに向かう。

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