都市からの帰宅

 立ち去っていくマキナを見送ってから一度ため息をつく、一応ゆっくりと町並みを観察しながら依頼主の所へ向かう。




「あれ、アーノイドさん別の出入り口があったのですか?」


 地下からではなく坂道からやってきたので依頼主は不意を突かれたようで驚いていた。


「いえ無理やり脱出しました、最深部分は私でも脱出にかなり苦労したので……、あの下の空間は行くのはおすすめしませんし、最悪帰ってこられない可能性があります」


「そうですか、それから結果はどうでした?」


「おそらく復旧したかと思いますよ、これで暫くは問題無いと思います」


「そうですか、ありがとうございます」


 依頼主が近くで暇そうにしていた部下に指示を飛ばして設備の確認をさせる、かなり早く確認が終わったようで早足で戻ってきて依頼主に報告する。


「どうやら本当に戻ったようですね、本当にありがとうございました」


 ここの都市でも一番偉いであろう人が深々と頭を下げる。


「私は仕事をしただけですよ」


「それでも我々は貴女に感謝していますよ、今日は私の屋敷で夕食会を開きますので是非お越し下さい」


「はい是非」


 このあとにマキナと合流し、依頼主の屋敷で夕食を終えた後にそのまま宿泊した。


 翌日は日の出と共に起床誰にも見つからないようにしてココに来る時使った翼を広げる。


「マキナ、もうちょっと軽くできなかったの?」


「ここの物が安いのが悪い」


「あんたが調子に乗って買いまくるのが悪い、さすがに全部は持てない」


「じゃあ一部は郵送してもらうよ」


 帰りは誰にも見つからずに町に帰り、レティに報告してこの依頼は終了した。








「ところでレティさん」


「ん、どうしたユウキ?」


「私がこの姿でいつも遠征したりするとまずい気がするんですが」


「確かに子供が高ランクとか言われても説得力ないよな」


「でしょ、一応大人の姿にはなれるけど、そうするとギルドカードのこの写真と違うじゃん」


「あー…ま、いいでしょう」


「理解してもえらえてよかった」


「で、もう一つ作るとして名前とかどうするんだ?」


「名前はこのままでいいよどうせ滅多に使う事はないし私の名前は良くあるものだしそもそもあの黒い天使だけが有名になってたし」


「いいじゃないか黒い天使」


「私はあんまり良いとは思はないけどなぁ、黒い天使」


「もう登録してあるからこれ以上は言いませんよ、それよりカード下さい」


「はぁ、本当は2枚もっているのはダメなんだからな、ちょっと調べた程度じゃ偽物と分からないようにはするけど慎重に使うんだぞ」


「わかってるよちゃんと気を付けるよ、あとマキナの分もね」


「そうだな……」




「ギルドカードと免許書がそっくりなのはどうかと思うんだよねぇ…」


「なんか言った?」


「何でもないですよー」

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