観光ついでの依頼
学校生活も順調に進んで行き、クラスの人達とも壁が少なくなり1人で過ごすとこが少なくなったある日…。
久々の連休でギルドにいるユウキとマキナは食堂でのんびりしていた。
「久々に遠い所行きたいなー」
空になったコップのストローをいじりながらマキナがだるそうに言う。
「そうだねー」
やる気がなさそうにユウキが答える。
「できれば開放感ある所がいい」
「開放感って…」
「例えば観光できる街とかぁ」
「あーいいねー」
「ちょうど良いところにそんな依頼があるぞ」
のんびりとした会話にギルドマスターのレティが入ってくる。
「レティさん、場所次第で断るよ」
「なら大丈夫だな、今回の依頼場所は何と…」
レティが自信満々に答える。
「なんか嫌な予感がする」
「そんなとこはない場所はあの有名な天空都市だ」
「天空都市かぁ、飛んでるのかなぁ、それとも山奥にあるのかなぁ」
「ユウキ、盛り上がっているところ悪いが別に飛んでいたり山奥にあるわけではないんだ、天空都市っていわれてるけど地続きだし、お前なら全力を出せば一日で余裕で着く距離にあるんじゃないかな」
「なんか期待ハズレ」
「私もなんで天空都市っていわれているかは疑問なんだがな、とにかく観光ついでにいくといい」
「というかどんな依頼なんですか?」
「また簡単な調査の依頼だよなんでも都市含めてその周囲で植物が全く育たないそうだ、それを調べて来てほしい」
「うわぁ、いやな予感しかしないやつだー」
「なにもなくても適当に切り上げて戻ってきても問題ないから」
「そうだよ、じゃ観光だけして帰ろう」
「一応調査はしてくれよ」
「へーい」
「じゃあ行きますか…」
ユウキがおもむろに立ち上がる。
「え、今から?!」
「だって暇だし」
「えっ、お母さんだって観光地だよこのままの格好で行くの?!」
「えー着替えとかめんどうだし全力だせば今からでも日帰りできるでしょ」
「あーでもその子供みたいな見た目だと私の個人的な信用にかかわるから10年ほど老けてから行ってくれ」
「レティさーん、老けるって言い方はどうかとおもんですけどぉ、あと個人的な信用ってどういうことですかぁ?」
「じゃあ20歳の見た目まで成長してくれ、てかそうしないとあの町に入れないしな」
「え、そうなの?!」
「子供だけだと入れてくれないんだよ、大人でも身分をしっかりと証明しないといけないからな」
「じゃあ治安はいいんだ」
「ああ、無駄にいいぞ、あそこにいると平和ボケしてしまうくらいだな、適当に野宿しても路地裏にいっても全く問題ない程にはな」
「それはさすがに良過ぎるような……」
「ま、そんなことしたら注意されて最終的には追い出されるけどな」
「追い出されたの?」
「いや、昔に追い出されかけた」
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