頭の中の暇つぶし
遺跡から学校の寮に到着しミルシアと別れて帰宅すると微妙な時間になり、夕食の仕込みも早々に終わらせてソファでゆっくりとしていた。
「そういえばいつに何しているの?」
暇なのでカルラ達が普段に何をしているか聞いてみた。
「ここではできる事が限られているのでキメラが取り込んだ人間の記憶とかにある物語を見たりしてますね、記憶そのものは時間がかかりすぎますしノイズとか抜けが多いので見れたものではないですが物語に関しては結構クリアに見えるのでそれを見ている事がほとんどですね」
たまたまこちらに意識を向けていたカルラが返事をくれた。
「じゃあ私が見ている風景とか見えない感じ?」
「一応見えてますよ、意識しないとおぼろげですが」
「見てないんかい!」
「だってそれより物語を見ている方が楽しいですし、あっでもさっきの工場見学はみんな見ていましたよ」
「ああいうのってそもそも理解できるの?」
「ああいうのはユウキの前世の記憶にある物語を見ていたので予習はバッチリです」
「私の性癖が暴露されてしまう」
「そんなのみんなそれぞれですし、そうですね、動画サイトを見ている感じですね」
「なんか解る気がする、というかどんな物を見ているの?」
「私は何て言うか任侠物とかですね」
「任侠物?!」
「そうですよ、なんとうか絆というか無償の愛とかそういうのが好きなんです」
「へー他には?」
「そうですねー、フィアさんは特に区別なくなんでも見てますね、というかアレはとりあえずテレビつけてるだけって感じですよ、見終わったあとに感想とか聞いても、良くて面白かったとかしか言わないですからねぇ」
「そういえばなんか昔になんか絶望?してなかった?」
「あーあれはユウキの記憶を見るって暇つぶしを始めた最初のころに見た作品が原因ですね、ユウキの前世からすれば私達全員厨二の存在ですからね」
「あーうん、ソウダネ」
「ミネルバはベタで王道な展開が好きみたいですね、あとは熱血系とかヒーロー物とかですね」
「あーっぽいな」
「あともう一人の方のユウキは恋愛物ですね、ベタッベタのあまーいやつとかですねー」
「普通に女の子してるんだな」
「最近はめっきりおとなしくなりましたよ、あいかわらず表には出てこようとしてますが…」
「まだ狙っていたのか」
「今は出てきそうにないですけど、もしユウキの心が折れたら出てくるかもですね、いわゆる力を溜めている状態ですね」
「今は特にそんなことはないから大丈夫だと思う……、というかカルラが任侠物好きって意外だね」
「ユウキに吸収されてからというものの、性欲が無くってしまいまして、恐らくこの状態になる前でしたら…腐っていたかもしれませんね」
「えぇ…」
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