路地にて
繁華街は祭だ。人でごった返す。
暑さと人混みに負けて、路地裏に逃げた。
喧騒が身を潜め、その分の暗さが湿った空気と共に肺を満たす。
早足で過ぎようとした時、少し先の影に気づいた。
影は笑っていた。
その唇に、三日月の様に鋭い牙が見えた。
行こうとしたが、
もう体が
動か
ない
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