新人

場末のハコで出会った男は同族の新人らしかった。酷く飢えた様子が痛々しい。

強引に物陰へ連込み、激しく噛もうとする彼を私は突き飛ばし、己の牙を剥き出して見せた。

「噛む時はもっと慎重に、優しくやりな」

「そんなの分かんない」

壁際でねた目をする彼の手を取る。

まずはそこからか。

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