15cm
心というものは
どこにあるのだろうか
直径15cmくらいで
胸の真ん中あたりにあるのだろうか
悲しみはどこで感じるのだろうか
この胸の真ん中の
直径15cmくらいのものが感じ取っているのだろうか
人を好きになると
直径15cmくらいのものが何らかの反応を示すのだろうか
うれしいときはこの15cmくらいのものは
胸の真ん中より 少し上に上がり拡散する
夜空を見上げる時は
ずっと遠い星までも飛んでいける
花を眺めるときは
その花になる
悲しいことがあふれたら
この15cmくらいのものに
ぎゅうぎゅうにつめて
感情の倉庫に飛ばし
倉庫にその中身をいれて
もし必要があれば
その時必要な分だけの
悲しみをこの胸にもどし
眺めるなり
感じるなりした後で
またしまいこんで
またいつでもおもいだせる
記憶は感情を伴っている
感情により記憶はよみがえる
その瞬間の感情は
充分味わったら
その倉庫にしまって
必要な時にとりだす
その倉庫の場所は
この15cmくらいのものがおぼえている
どこに何をしまっているか もわかっている
わたしたちの負担にならないように
それぞれに充分な広さの倉庫が用意されている
この15cmくらいのものは
伸縮自在
宇宙よりも伸びるし
ビーズ玉よりも小さくなる
いつも手元に置いておきたいものは
手元に置いておけばよい
この中にしまって
いくらでもはいるから
この15cmくらいのものは
かたちも変わる
なりたい形に
あなたの望むように
この15cmくらいのものは
どこへでもいける
向かいの公園
アルタイル
好きな所へどこへでも
この15cmくらいのものは
丈夫でもあり
壊れやすくもあり
やさしくしてほしいと望んでる
この15cmくらいのものは
なかを覗いてみてもなにもない
中身はみんなで詰めていく
中身はあなたが選べばいい
いらないものは倉庫にしまって
いつかはみんなの
この15cmくらいのものは
やさしいもので満たされて
宇宙いっぱいひろがって
なんでもかんでもつつみこみ
倉庫の中の悲しいことも呑みこんで
みんな混ざり合って
みんなでひとつになるのかな
明日みんなが笑えるように
明日みんなで笑えるように
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