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◇◆◇First Case「ヒント」◇◆◇」への応援コメント


  • 編集済

    味覚で気絶まで持って行けるって、現状で透意さんの魔法が対人最強じゃないですかー!
    そうなると他にも考えられることありそうなんですが…

    それはそうと、各種質問へのご回答ありがとうございました。ヒントも拝見いたしました。
    真相回りの大枠は前回の回答で大体問題がなさそうだったので、最後に残った透意さんの身の潔白について考察します。
    まだまだ穴がありそうなのですが、もうタイムリミットですのですっぱり諦めます。無念。

    消去法で申し訳ありませんが、ここでキーとなるのは前回の回答で大きく推理に絡んでこなかった二つの刃物「小刀」「抜き身のナイフ」になるでしょう。
    まずは、透意さんが犯人と仮定して、この二つを誰が持ち込んだのか検討します。
    透意さんが犯人の場合、亜麻音が犯人とのミスリードを行ったことになります。その際、被害者が試練結界で死亡したと見せかけるために分かりやすい凶器が必要なので、刃物のうち一本は透意さんが持ち込んだとしていいでしょう。
    では、もう一本は? 透意さんが持ち込む必要性は皆無です。殺害とミスリードは一本あれば十分ですし、二本あると自分が殺害に関与した証拠になりかねません。
    この場合、透意さんが犯人と仮定しているので、共犯者は作れない・犯行に関係のない証拠を設置してはいけないルールの関係上、もう一本を持ち込めたのは被害者の玉手のみとなります。
    それでは、どちらがどちらを持ち込んだのでしょう。
    ここで問題となるのが、「抜き身のナイフ」の形状です。作者さんへの質問の結果、これはゴツゴツしたサバイバルナイフとのことでした。そして、玉手はこのナイフを隠し持つことができないようです。
    つまり、「小刀」は玉手が、「抜き身のナイフ」は透意さんが持ち込んだことになります。

    それでは、透意さんが犯人として、事件までどのような動きをしたのか検討してみます。
    前日までに亜麻音を犯人とミスリードするための細工をします。
    事件当日は、「抜き身のナイフ」を足にでもくくりつけてスカートに隠し、観覧車へ向かいました。
    ゴンドラへ乗る前には、敢えて不審な動きをし、玉手が自分を疑った理由を作ります。
    そしてゴンドラで玉手と二人きりになった際に、玉手を刺殺。証拠は魔法で癒されました。
    ここで想定外だったのは、玉手まで刃物を持ち込んでいたことです。
    殺害前に「小刀」を持ち出され、ゴンドラ内部に二本の凶器があるという不自然な状態になってしまいました。
    そこで、透意さんはゴンドラを降りる時に自分の持ち込んだ「抜き身のナイフ」を乗り場に捨てました。
    (実のところ、最善を期すなら魔法で昏倒させるはずなので、この凶器を出す隙もない気がします。よって、犯行現場に二本残してしまう可能性すらあるのでは)
    さて、文章的には特に問題ない流れのような気もします。

    いやいや、ちょっと待って下さい。
    この場合、透意さんは「抜き身のナイフ」を殺害とミスリードのために用意したことになります。
    ミスリード内容は、「魔物を殺すため常に刃物を持ち歩いていた玉手が、透意さんの不審さに魔物と誤認し殺意を向けたところ、試練結界で殺害された」というものです。
    つまり、「玉手が持ち込んだ」とミスリードするために、玉手が隠し持つことのできない「抜き身のナイフ」を用意したことになります。
    これは、亜麻音が犯人と示す証拠を完璧に用意したはずの透意さんの行動としては、ひどく不自然です。
    そもそも、ゴンドラの同乗者が玉手だったのは偶然なので、ナイフを隠す余地のない奉子が同乗者だったらどうするつもりだったのでしょうか。

    よって、透意さんがミスリードのために「抜き身のナイフ」を用意した可能性はなく、今回の事件が透意さんによる犯行とする結論は不合理であると考えます。

    元々、亜麻音は霧島へのミスリードとしてこのナイフを用意したのではないでしょうか。
    試練結界では魔物を殺害する予定だったため、霧島が犯人と疑われても危険性は低い。もしかしたら、仲間内で不和を蒔く霧島を、無意識に見下したのかもしれません。
    しかしながら、香狐さんにより霧島の犯行は否定されてしまった。
    その結果、透意さんが用意した不自然な刃物、という状況が出来上がってしまったのではないでしょうか。

    とりあえず、今回はこのあたりでギブアップです。ありがとうございました。次回以降も楽しみにしています!


    以下、個々の想いや性格などを一切合切無視した非人道的駄文です。
    透意さんの魔法が対人最強レベルと知って真っ先に思ったことになります。

    今回の参加者で間違いなく重要人物のトップは、魔法少女の創造主である透意さんです。次点は香狐さんでしょうか。
    ならば、多少の犠牲には目を瞑り、透意さんを脱出させるのが最優先事項では?
    そのための方法は簡単です。
    「みんなが食事中に自分以外を瞬時に昏倒させ、一人を残して残りを殺害」です。
    ルール上で毒物はないと言われていますが、これくらいは薬でできる範囲ですし。
    まあ、気付いていないだけで、こういう暴走はルールで既に防止されているのでは、と書いていて思いましたが。

    これは極端ですが、ルールも複雑で色々と裏もかけそうですし、今後どのような展開になるのか今から興味津々です。
    更新楽しみにしています!


    例のごとく追記です。

    薬と毒の境目って非常に難しく個人差もあるので、中々スパッと切り取れないとこありますね。睡眠薬も不眠の人にとっては薬な訳で。まあ、この辺は、あまり深く考えず全部禁止と考えた方がいいですかね。

    それはともかく、ギブアップと書きましたが、せっかくヒントも貰ったので最後の足掻きを始めたいと思います。

    これまでの考察で、亜麻音犯人説、透意さん犯人説の双方で、玉手が「小刀」を所持していたことが明らかとなりました。
    それはつまり、玉手には何らかの殺意が存在していたということです。
    そして、隠蔽計画を伴わない殺人はルール的に禁止であるため、玉手の殺意には隠蔽計画が用意されていなければなりません。
    今回の事件において、玉手の用意した隠蔽計画とは何でしょう?
    ……どう考えても、これは亜麻音を犯人と示す証拠以外ありません。
    つまり、今回見つかった、ガラスフィルムをはじめとする各種証拠は、全て玉手が用意したものです。
    思えばゴンドラに複数人で同乗するよう誘導したのも玉手でした。

    それが正しいなら、今回の事件の見え方が変わってきます。
    透意さんが犯人の場合、そもそも刃物を何の隠蔽計画もなしに持ち込んだことになってしまいます。
    現場に用意された隠蔽計画は一つしか見当たらないのですから。
    この時点で透意さん犯人説は消えました。

    では、亜麻音についてはどうでしょう。
    亜麻音は前日までに、自らを犯人にミスリードする証拠を見つけてしまいました。
    それを逆手に取って、本当に試練結界を仕掛けた、と考えれば話は通ります。
    まさか、その人物が、英雄と詠う玉手とは知らずに…
    「抜き身のナイフ」に関しては、試練結界による死因をミスリードするために亜麻音が置いたと考えていいかと思います。


    今回はこれで本当にギブアップです。
    この内容でも、透意さんがミスリードを逆手に取って返り討ちにした、という筋が残るのでは、という気もしますが。
    解答編、楽しみにしています!


    追記2

    ぼっち。゚(゚´Д`゚)゚。
    も、もも、もちろん、観覧車に一人で乗ったことなんて、ない、よ? ナイヨ?
    今日家族で乗った観覧車は楽しかったです。隣のゴンドラで犯行があったら間違いなく丸見えだと確認できたのも面白かったですね。


    追記3
    ギブアップ詐欺。締め切り前に思い付いたことだけ、もったいないので端的に書いてしまいます。
    乗り場で見つかった「抜き身のナイフ」って、前日に霧島が手に取ったやつでは?
    ……って思ったけど違うそうですね。終了ー!

    まあ、論理的には成立してないのですが、このナイフって霧島へのミスリードに用意されたやつでは?と、ぱっと見では思うんですよね。読者側から見ると霧島犯人説が頭から消えてしまったので、透意さんが用意したものでない証拠を躍起になって探してしまうのですが。霧島ミスリードのために用意されたという証拠がどこかにないかなぁ。
    もしそうなら、霧島犯人説は他ならぬ透意さんの発言で否定されてしまった訳で、本気でミスリードを用意したならお粗末極まりないことに。そもそも、透意さんが亜麻音と霧島の二人に対するミスリードを用意したことになってしまう訳で。
    ということで、「抜き身のナイフ」を用意したのは透意さんではないと言っていいのでは、ってなるんですけど。うーん?

    最後の最後にぼんやりしてしまいましたが、今度こそ以上です!完全にドツボにハマっているので、解答聞けば納得できても、自分で思いつくことは無理なんだろうなぁ。
    解決編もさることながら、『棺無月さんのかっこいい話』もとても楽しみにしてます!

    作者からの返信

    概ね流れは綺麗ですが、少しだけ難がありますね。
    同乗者のランダム化は透意の意思とは関係なく行われたことであり、それがなければ、透意は香狐と乗り合わせることになっていただろうと想定できます。
    その場合ミスリードに必要な内容は、「魔物を殺すため常に刃物を持ち歩いていた香狐が、透意の不審さに魔物と誤認し殺意を向けたところ、試練結界で殺害された」です。
    香狐のドレスのスカートならナイフを隠すことができるので、殺傷力を重視するために敢えて大きめのナイフを選んだとすれば説明がついてしまいます。

    また、本編における流れですが、ゴンドラ内に残されていたのは小刀の方です。彫刻用の小刀は普通にポケットにでも入れておけば隠せそうなサイズですから、子犬でも隠し持つのが可能なアイテムです。
    よって透意が【犯人】だと想定した場合でも、自分と子犬が持っていた刃物を見比べて、自分のナイフではミスリードに不適格だと思い小刀を残し、自分のナイフを外に捨てたとすれば説明がつきます。
    むしろ、[試練結界]での殺害には必要ない【犯人】用のナイフが用意されていたという点では、透意の方が怪しくなってしまいますね。

    ミスリードの判定用の証拠品は、二重利用のタイプです。あるトリックの仕掛けを説明すると同時に、ミスリードの判定役も兼ねています。




    ……とまあ、ヒントのページがあまりにも役立たずだったと思うので、少しだけ情報を落としておきます。

    ちなみに透意の非人道的犯行方法についてですが、睡眠薬を盛るのは普通に毒物使用なのでは……?
    仮にその言い訳が通じるとしても、強烈な味覚刺激と共に意識が落ちたことは覚えていられると思うので、それを【審判】で追及されればすぐにどうしようもなくなってしまいますね。
    そうなると透意の勝ち目は気絶中の全員の殺害になってしまいますが、気絶程度なら光花の[聖光加護]ですぐに回復されてしまいます。
    いくら気絶を取れるといっても、うまく即死させるような手段がありませんから、一度誰かが起き出してしまえば【通報】ボタンを押されてしまってアウトです。

    この裏道に使い方があるとすれば、前回の摩由美のような拘束魔法の亜種として使用するくらいですね。
    やるなら一対一で他に人がいない状況で、かつ他のトリックと併用することが前提です。



    応援ありがとうございます。m(__)m
    ちょーっと最近忙しいですが、なんとか合間を縫って完結まで持って行きたいところです。(-ω-)/





    追記

    ものすごい熱意で送っていただいた手前、言うのが心苦しいんですけど……またちょっと無理がありますね。
    凶器を持ち歩くことと隠蔽計画を持つことは別です。護身用に携帯していた、あるいは別のアトラクションで計画を実行するために持ち歩いていたものを、偶然見つけた魔物と思しき相手(透意)に使おうとしたというルートが残ってしまいます。
    現場には誰かの犯行準備と思しきものの痕跡もありましたから、『殺人が複数回起こされた後に【通報】が~』のルールを利用して、誰かの計画に乗じて自分の犯行も隠そうとしたとか言い訳すればルール違反にもなりませんし。

    そういうシナリオ単位で追っていてはぶっちゃけキリがないです。
    もっとスパッと明確に説明できる証拠があったんですけど……。
    もう挑戦の時間もないので、ここから先は【解決編】でお確かめくださいということで。

    あと細かいですけど、ぼっち遊園地ならともかく、グループでいるなら普通は何も言わなくても観覧車には複数人で乗り込むと思います……

    編集済

  • 編集済

    推理第二弾です。

    ええ、例のごとく盛大に一回目やらかしましたね。
    わざわざDMで観覧車の半径を確認したのに、なぜ魔法陣を観覧車の中央に配置したのか(^^;
    落ち着いて考えればこれはいけたのに……
    気を取り直して推理していきましょう。

    まず[試練結界]を使い殺人は行えたのか考えます。
    ゴンドラに誰が乗るか、どのゴンドラに乗るかはランダムに決められました。
    つまりすべてのゴンドラを結界の範囲に含める必要があります。
    試練結界の効果範囲は半径5メートル。観覧車の半径は10メートル。
    全体を範囲に収めるためには最低半径5メートルの巨大な結界を描かなくてはなりません。

    必要なのは五芒星とそれを囲う円。
    円と言えば観覧車そのものが関係しそうです。
    ヒント②より観覧車を図示してみます。
    ゴンドラが10個。骨組みはそれを四つごとにつないでいます。
    結ぶと五芒星が反転して折り重なった形となりました。

    一度目の推理でガムテープで止めていたのはハーネスだと推理しましたが
    何かを引き抜けばそれ相応の跡が残るということでした。
    でしたらガムテープで固定されていたものは魔法で作られ、消すことができる物。
    亜麻音の結界を描く筆だったのではないか。
    現場にあった道具を使い骨組みに沿い筆を走らせたあとゴンドラに筆を固定。
    観覧車を一周させることで円を描いた。
    こうして観覧車全体を覆う結界を完成させることができます。
    亜麻音の意思で結界の光はオンオフが可能だということですから皆が乗った後に
    魔法を発動させたのでしょう。

    さあ、続いて一回目の推理で言及頂いた透意がミスリードを使った可能性について。
    現場からは乗り場の隅っこから抜き身のナイフが見つかっています。
    誰かにより投げ捨てられたものです。
    ルールでは『誰かに罪を擦り付けるという目的がある場合を除き、
    犯行に一切無関係な物体を証拠品と偽って設置することを禁ずる』とあります。
    つまりこれを捨てたのは事件と関係のある人物である犯人か、
    もしくは殺害される前の被害者となります。

    そしてもう一点。玉手の背中側には小刀が隠されていました。
    この二つの刃物から犯人を考えたいと思います。

    犯人候補は透意と亜麻音の二人。
    透意の場合から考えてみましょう。
    現場となったゴンドラには小刀が存在していました。
    ゴンドラ内には他に侵入した人物はいないため透意か玉手、どちらかの持ち物となります。
    玉手の持ち物だった場合、玉手が透意に殺されそうになった場合小刀で反撃するでしょう。
    どれだけ素早く殺したとしても刀を取り出す時間ぐらいはあったはずです。
    なので透意が持ち込み、後で玉手が殺意を持っていたとして亜麻音に罪を着せるために
    設置したことになります。
    では抜き身のナイフの方はどうでしょう。玉手ではありません。
    なぜなら玉手が犯行を犯すとすれば突発的な犯行しかありえないからです。
    窓枠のフィルムが無ければ観覧車は他のゴンドラから丸見えの状態です。
    つまり玉手が計画的に犯行に及んだのだとすれば窓のフィルムを貼ったのは玉手ということになります。
    そうなると亜麻音の犯行を示す証拠品も玉手の偽装工作となります。
    でなければ単独で多くの時間を要する作業を二人の人物がやっていたことになってしまいます。
    しかしそうなると透意はなんの隠ぺいもなく殺害を起こそうとしたことになってしまいます。これはルールに触れてしまう。
    つまりナイフを置いたのは玉手ではありません。
    ならばこのナイフも透意が用意したことになります。

    ですが、これはおかしいことです。
    なぜなら凶器で殺人を行い誰かに罪を着せるだけなら
    その場で殺害、凶器をその場に残しておくだけで事足りるはずです。
    玉手が透意を殺そうとし試練結界が発動した、瞬間移動能力持ちが玉手を殺害した。
    どちらをミスリードするにしても乗り場で見つかったナイフは不要な証拠となるのです。
    つまりルールに抵触するため透意に犯行は行えないことになります。

    一方亜麻音が犯人の場合はどうでしょうか。
    小刀は玉手が用意した物で、透意を殺そうとして背中で鞘から抜こうとした際に試練結界で死亡した。
    抜き身のナイフは現場から凶器が見つからなければ疑われるのは亜麻音です。
    また、亜麻音は玉手が小刀を用意していることは知りませんでした。
    なので事前に抜き身のナイフを用意しておき他者に罪をかぶせようとした。これで矛盾はありません。

    以上より透意がミスリードを仕掛けた可能性は否定され、
    犯人の可能性があるのは亜麻音一人となりました。

    推理は以上です!
    よろしくお願いします。

    作者からの返信

    第二弾、お待ちしてました。
    ヒントが②以外役に立たないゴミで申し訳ない……。難易度想定完全にミスりました。m(__)m




    殺人の方法自体には矛盾点は見当たりませんが、ミスリードの否定に少し穴がありますね。
    透意は琴絵に罪を擦り付けることを考え、事前準備の下、凶器を隠し持ち観覧車に乗った。しかし殺害実行の場面で、子犬もまた凶器を隠し持っていた。
    格闘の末に透意が勝ち子犬を殺害、その際の傷は[聖光加護]で全て癒え、子犬の持っていた小刀は刃を収めたうえで子犬の背中に隠し、透意はゴンドラを脱出後、ナイフを投げ捨てる。
    この場合、ミスリードのための道具にはなりませんが、そもそも犯行に関わりのあった道具ということになるので、ルールには抵触しません。

    というか解答を拝見した限りだと、単純にあと一歩の思考に及んでいないだけですね。ミスリードか否かを示す証拠品、そこから考えられることは記載されているので、更に一歩考えを進めたらミスリードの判別が完成します。

    ちなみに瞬間移動持ちの奉子ですが、彼女の魔法には元の場所に帰還する方法がないので、今回の場合はそもそも犯行が不可能ですね。ミスリードのしようもないです。



    こんなところですね。
    それでは、あとは解決編までゆっくりお待ちください。(-ω-)/


  • 編集済

     皆様素早い推理に恐れ入ります⋯⋯!
     流石Second Game、最初の事件から難易度高めです。

     今回の事件、ほぼほぼ密室ですがスイちゃんがゴンドラから降りるタイミングだけは付け入る隙があったはずです。でも、スイちゃんの言う通り、降りる時に誰かが押し入ったら普通は気付きますよね。
     普通なら。
     普通じゃない――としたら、魔法しかないでしょう。

     霧島ちゃんの[探偵隠形]は最大で三人まで設定でき、効果時間は百八十秒÷対象人数です。つまり、タマちゃんとスイちゃんを対象にすると一分半は姿を隠し続けることが可能となります。
     ブスリとやって凶器をタマちゃんの背中に隠し、何気なく脱出するには十分な時間ですね。傷跡は[聖光加護]の魔法で封じられます。騒ぎになったのは第三グループのゴンドラが通り過ぎてからなので、他の子たちの目もうまく盗めそうです。これは黒霧島ちゃんですね。

     ほら、追い詰められて涙目になっている霧島ちゃんの姿が目に浮かびますよ。
     「ボクじゃない! 信じてくれ!」って可愛らしく怯えている姿がね!

     あれ、でも一分半スイちゃんには認識できないのだとしたら、霧島ちゃんの「まさか、事件?」発言も認識できないことになりますね。最後のゴンドラ調査の描写を見ると、流石に次のゴンドラが来るまで一分半もかからなさそうです。
     なるほど、流石は香狐さん。
     すぐさま見抜いていたわけですね。
     でも、機械に録音した音声であればどうでしょう。ボイスレコーダーの音声をスイちゃんに聞かせていれば魔法を使ったことを誤魔化せます。探偵の小道具としては必需品、持っていないわけが――――え? ないの?
     ぐへへ、これは霧島ちゃんに身体検査を――――してますね。挑戦状にはっきり明記してますね。潔白の白霧島ちゃんでした。

     前置きはこれぐらいにして。


    【フーダニット】亜麻音 琴絵
    【ハウダニット】[試練結界]の魔法を用いた即死


     最初はトモちゃんが犯人だと考え、ハンドベルをゴンドラ内外で鳴らす方法ばかり探していました。あからさまに二日目朝に園内を動いていた描写があったので⋯⋯健気な献身を疑ってごめんね。

     決め手となったのは香狐さんの独白。
     「他者を蹴落とすための、誰かの醜い裏切りではなかった」。
     悪意のない犯行なのだとしたら候補がだいぶ限られてきます。ということで、ご指示あったように文字上ではなく図面化してみました。
    https://kakuyomu.jp/users/bito/news/1177354054887682330

     すげえ! 五芒星だ!
     しかも円で囲める!
     妙に香狐さんとの絡みが多かったり、作中描写やヒントの内容からフーダニットは確定で良いでしょう。違ったら脱ぎます。

     問題はハウダニットです。
     事前準備がとんでもなく大変です。

     方法としては最初のゴンドラの上部を頂点にした五芒星を、支柱の後ろに隠すような軌跡で描きます。ゴンドラの上に乗るのは香狐さんがやったように脚立を用いてですね。高所での作業になるので滑り止めのゴム手袋とブーツ、あと安全保持のためのフルハーネスでかっちゃかっちゃと作業します。
     今回の事件の犯人はかなり高い身体能力を持つ前提なので、これぐらい朝飯前です。夕飯後かもしれませんが。台車は必要な道具を運ぶために使用されたものかと思われます。

     そこまでできたら、あとは仕上げの円だけです。第一グループのゴンドラ上部に貼り付けられたガムテープ、そこに魔法の絵筆を設置していたのでしょう。ゴンドラが観覧車を一周するだけで自動的に方陣が完成するように。
     ゴンドラに乗るまでは魔法の絵筆の光をオフにしておけば、まず誰にも気付かれることはありません。そして、魔法が発動したら絵筆を消せば良いだけです。そうやってできたのが何もない膨らみなのでしょう。
     ただ、ゴンドラに乗っている間はどうやってもよく見えてしまいます。観覧車なのだから。
     そのための窓ガラスフィルムです。ゴンドラの入り口はケーキキャッスルの方角を向いていたので、そこからは方陣が描かれるのを確認できません。第一グループのゴンドラが一周したら即死魔法の完成ですね。

     では、どうして子犬ちゃんが犠牲になったのか。
     亜麻音さんは英雄に憧れていました。英雄というのはとんでもない困難を打破し、人々の称賛を得た者に贈られる称号です。まさにこの殺し合い、解決の立役者になれれば英雄の称号は間違いない。
     同じ魔法少女を殺した殺人者ではなく。
     紛れ込んだ『特定の魔物』を討伐できたとしたら。
     普通に考えれば、魔物は魔法少女を襲うはずです。迷いない殺意を持って襲撃するはずです。この観覧車の構造であれば亜麻音さんの魔法を最大限に活かすことができます。観覧車のアトラクションが選ばれたのは偶然ですが、アトラクションの数には限りがあるので遅かれ早かれでしょう。

     そして、子犬ちゃんは子犬ちゃんで二つ名持ちとしての責務の重さからか、とてつもない緊張状態にありました。もしもの時の武器を調達していたとしても不思議ではありません。自衛のため⋯⋯そして、『特定の魔物』を討伐するため。
     事件さえ起きなければ、身体検査はされないはずですから。
     そうして仕込んでいた彫刻用の小刀、アトラクションに対して不穏な反応を見せたスイちゃん。二つ名持ちの勘からか魔物と判断して、ゴンドラを降りる隙に迷いない殺意を向けて――――その時には方陣は完成されてしまっていました。

     こうして悲劇は起きました。
     英雄になるはずが、英雄を殺してしまう結果に。といっても子犬ちゃんが『特定の魔物』である可能性はあるので、まだ展開は読めないところがありますが。
     どうにも香狐さんやスイちゃんが『特定の魔物』ではないような気がします。
     あれ、というより『特定の魔物』を討伐して一日が経過したら解放って【審判】が発生しないということなのでしょうか?
     推理以前にルールが理解できていないお間抜けさんが私ですよ←

    作者からの返信

    気合の入った推理、ありがとうございます!('◇')ゞ
    難易度は単純に僕が調整ミスりました……。しかもヒントまでほとんど役立たずで申し訳ない……。(挑戦期間後に書き直します)

    率直な感想を言わせていただければ、本当に感心するレベルで深く考えられた推理でした。
    ぶっちゃけた話、僕が指摘すべき矛盾点はせいぜい、死亡時刻と××とのズレですね。まあこれは【犯人】の正体とかトリックには関係ないので、忘れていただいて大丈夫です。アフターで回収するネタなので。(前回の空澄の[爆炎花火]的な隠し要素です)

    あとキャラ考察もとてもよくできているなと感じました。栗栖は追い詰められて涙目で叫ぶタイプです。解釈通りすぎて僕も目に浮かびましたよ。
    でもあの子、こういう時に「信じてくれ」は言わないんですよね……。孤高気取ってるので、栗栖は相手の否定から入ります。(キミは間違っている!的な)

    近況ノートの方にも書かせていただきましたが、あれだけ面白くてわかりやすい図まで書いていただけるとは思いもよらず、望外の喜びでした。
    ありがとうございます。

    特定の魔物を討伐した際の詳しい条件はまだ説明していないので、わかっていなくて当然ですね……。
    まあぶっちゃけると、【審判】は行われません。それだけのことです。はい。

  • 挑戦状での返信ありがとうございました。ヒントや他の方の推理も見てみましたが、自分はHOWが絶対違うな、と(´;ω;`)

    ふわふわした内容になってしまったのは、考えが固定しきれていなかったといいますか。大まかに「これかな!?」というアイデアが浮かんで、その際のテンションで書いてしまった代償でした……。解読に労力を割かれたかと思います。すみません。

    表現力に発想力。伏線の仕込み方が本当に素晴らしい作品だと思います。頑張ってください! (あ、でも推しを殺される……)

    作者からの返信

    ぶっちゃけ僕も推理力はそんなに高くなくて、ミステリー読むときもふわっとした推理のまま解決編に突撃するので、人のこと言えないんですよねぇ……(;'∀')

    お褒めいただき光栄です。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。
    推しの問題は……はい。作品の構造上仕方ないので……。