◇◆◇Fifth Case「読者への挑戦状」◇◆◇

 賢明なる読者諸氏には既に全てがお分かりのことかもしれません。しかし僕はここで、今まで幾度となく叩きつけた挑戦状の中でも最難関と自負するこの問題で、読者に挑戦させていただきたい。

 挑戦内容は、主人公が言った通りです。闇に惑う時間を終わらせ、覆い隠された【真相】に光を当ててください。

 すなわち僕が解いていただきたいのは、


「全て」


 結局のところ、このたった二文字に尽きます。

 この物語に隠された、現時点で解き明かすことのできる全てを暴き立ててください。全ての情報を把握し、分析し、推理して、何もかもを丸裸にしてください。

 手がかりは、これまでの物語において全て提示いたしました。


 蛇足かもしれませんが、ここで僕の信条について語らせていただきます。

 僕は常に、『解かれない謎に価値はない』と断言してミステリーを書いています。

 しかしこの事件は、そんな僕が、唯一解かせないために難易度を上げに上げて作成した謎となっています。

 正直、幾人に挑んでいただけるかすらも定かではありません。謎を解くことに熱意を注がず、【解決編】での驚きを望む方もいらっしゃるでしょう。それも楽しみ方の一つです。僕自身も覚えがある読み方ですし、そのスタンスは決して否定しません。

 ですが。ここまで、【問題編】にお付き合いくださった方の中には、この謎に挑んでくださる方がいらっしゃるかもしれません。

 そのような方のご参加に期待し、この挑戦状を挟みます。


 余計な語りはここまでにしましょう。

 当作品のお約束、推理の前提事項に移ります。今回はこれらを確認してから推理することを強くお勧めいたします。






・この物語において、空鞠 彼方は信頼できる語り手である。彼女が幻覚を見ている/見せられている、記憶を失っている、あるいは二重人格であるといった可能性は存在しない。彼女は、自分が【犯人】ではないこと知っている。


・【犯人】がいるとするならば、それは「登場人物紹介」のページに名前が含まれている人物である。ただしワンダーは不用意な言動により炎上したため、作品より退場した。


・物語内に描写のない物体や現象、科学技術、魔法が事件に用いられてはいない。また、以前に用いられた魔物やアイテムのうち、Chapter5で言及のないものは使用されていない。


・魔法少女やスウィーツ、魔物、魔王が持つ特殊能力を除き、物語の世界の物理法則は現実の世界と同一とする。また、ワンダーの課した制約は絶対であり、魔法少女は固有魔法以外の能力を用いることができない。


・物語内で語られた魔法のルールや法則に関して、、嘘や間違いは含まれていない。これはChapter5での発言や描写に限った話ではない。ただし一つだけ、読者を惑わすために作者が設置したミスリードが存在する。彼女は嘘を吐いているが、彼女をその嘘によって【犯人】と断定することはできない。ミスリードの正体は次ページのヒント③に記したためどうしても見破れない場合に限り参照してほしい。


・事件前夜の桃井 夢来の発言、及び通信でのルナティックランドの発言は信頼してよい。


・被害者が噴水の上で発見された理由については考えなくともよい。


・今回の事件における【犯人】を消去法で導き出すことはできない。【犯人】と告発するに足る根拠を集め、指名しなければならない。






 以上となります。

 また、今回も作者からの連絡事項は掲載しておきます。内容は毎回載せているものと全く同一内容の、質問の仕方と、解答の仕方です。

 把握しているのなら、読み飛ばしていただいて一向に構いません。






・固有魔法や魔法に関するルールについて重要な点は物語の中で示しましたが、質問があれば受け付けます。また、魔法に関する質問でなくとも、わかりにくい箇所があればご連絡ください。その場合、「読者への挑戦状」ではなく、各話の感想欄(小説家になろう)、あるいは応援コメント(カクヨム)に質問をお書きください。TwitterのDMも解放しているので、もし何か不都合があればそちらからの連絡もどうぞ。


・今回も、ヒントは次のページに掲載しています。

ヒントの活用一切ナシの読者の推理は、この『Fifth Case 「読者への挑戦状」』の感想欄(小説家になろう)、または応援コメント(カクヨム)に投稿していただくようお願いします。

ヒントを活用して解答される読者様は、次のページ、『Fifth Case「ヒント」』の感想欄(小説家になろう)、または応援コメント(カクヨム)に投稿していただくようお願いします。

ヒントを活用したにもかかわらず、嘘をついてこのページに推理を書き込むようなことは――自身の良識と矜持に相談して判断してください。

前回と同じく、最初にヒント無しで挑んで失敗したとしても、ヒント有りで再び解答してもらって構いません。

また、これはどちらのページにも言えることですが、推理を投稿する方は、なるべく他人の推理を見ないようにしておいた方が楽しめるかもしれません。他人の推理を見たくない場合、書き込まれる際は誤って見えてしまう可能性があるのでご注意ください。






 さて。気が付けば随分と長い挑戦状になってしまいました。

 伝統に則るのなら、挑戦状はあくまでもさりげなく、読み進めるテンポを阻害しない程度に挿入されるものですが。これはネット投稿で、どうしても次回をお待たせする形式になる仕様上、手を止めさせてしまうのは仕方のないことと存じます。ですから、このような冗長な挑戦状も受け入れていただけるとありがたいです。


 ではこれにて、「全て」に至る鍵も、条件も、全てをお伝えし終えました。

 この場は、僕が最難関を自負するこの問題において、勇敢にも――いえ。仕掛け人として敢えて言わせていただければ、無謀にもヒントすら利用せず独力で解かんとする勇者にお譲りしましょう。


 覚悟を決めたのなら、後は突き進むだけです。

 どうか、読者諸氏が闇を晴らす『希望』に至ることを願って。


挑戦者 白柳 祈梨より

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