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さて、僕の推理はこうです。
僕は、推理をする時に、まずこう考えます。
犯人の筋書き通りに、現場をコントロール出来たのは誰か?
僕の推理戦術『外郭誘導(アウトサイダー)』の出番です。
殺害方法は爆殺。
殺害現場は厨房。
被害者は米子さん。
スケープゴート(偽の犯人)は、おそらく狼花さん。
これらをコントロールできた人が犯人です。
順を追って説明していきましょう。
◇殺害方法について
殺害方法は『爆発』。
それが可能なのは二人います。
狼花さんと、空澄さんですね。
狼花さんは言わずもがな。固有魔法です。
また、空澄さんは、狼花さんの爆発を喰らっていますので、コピーしていることでしょう。
彼方さんの回復は発動していなかったので、コピーできていない。彼女もまた有力な容疑者のひとりです。
◆殺害方法 疑い
狼花さんに1ポイント。
空澄さんに1ポイント。計上します。
これから、疑いのポイントを計上していきます。
最も高いのが、僕の考える犯人です。
◇スケープゴート
次にスケープゴート。狼花さん。
殺害方法が『爆殺』である以上、最も彼女を犯人と仕立てあげやすいです。
その障害となるのが、『爆発対象を視認していなければならない』こと。それを理論上可能にしているのが、ベルトコンベアの鏡です。
鏡を誰がどうやって手に入れたのかは、僕はあまり考えません。タコ糸もです。そこはあまり重要ではありません。
誰でもどうにでも出来たと思うからですね。
しかし、ここだけが重要です。
狼花さんを犯人と仕立て上げるためには、『狼花さんを、ベルトコンベアから鏡を使って中を視認できる位置まで誘導しなければなりません』。
それを行なったのが一人いますね。
古枝 初さんです。
◆スケープゴート 疑い
古枝 初 1ポイント。
◇殺害現場と暗号
次に殺害現場。
何故厨房となったのか。
それは、謎の暗号があったからです。
暗号があったからこそ、米子さんが出張ることになりました。
暗号によって、殺害現場と、被害者を特定、コントロールした。つまりあの暗号は犯人が用意したものでしょう。
あの暗号文のことは、なるべく人の目に触れさせたくなかったはず。自己顕示欲が高い犯人が、「私が作った神な暗号見て!」って感じで、伝えたい可能性もありますが(その場合空澄さんが怪しい)、その可能性は無いと見ています。
なぜなら、あの暗号はめちゃくちゃ簡単だからです。
複雑レベルならレベル1です。
暗号を隠さなかった空澄さんは、僕の中で疑いのポイントマイナス1です。
また、暗号の答えから、『言葉遣いが丁寧で、心優しい人物像』が伺えます。
暗号の解き方は、まだ解けていない人のために言わないでおきます。が、このことからも、古枝 初さんの人物像と重なります。
◆殺害現場と暗号 疑い
古枝 初 1ポイント
空澄 マイナス1ポイント
集計結果。
狼花 +1ポイント
古枝 初 +2ポイント。
スケープゴート役からして、狼花さんはマイナス1ポイントしたいところなので、
古枝 初さんが怪しいですね。
ここから、彼女が犯人だと仮定して、犯人とするために『足りない点』を補います。
ここで、彼女を犯人にすることが出来なければ、やはり彼女もまた犯人ではありませんし、
彼女を犯人として考えることが出来てしまえば、確実です。
◆足りない点
◇殺害方法『爆殺』
彼女の固有魔法は、魔力を分け与えるもの。
『爆発』的なものではありませんが、何度も出てきた『暴発』が、関連性が高いように見えます。
米子さんの暴発の条件
◆過剰な魔力投入
米子さんは、あの暗号を解くために、恐る恐る、最初は少しだけ、魔力を使うと言っていました。なんなら、空澄さんと追いかけっこしていたので、少し体力を消費しているところもありました。
前述の通り、暗号の複雑レベルはたったの1なので、暴発するためには『まあまあのパワーの魔力』が必要です。
このままですと、ちょうどいい魔力を投入していたと思います。
……、もし、古枝さんが、米子さんに『魔力』を分け与えていたら、それに気付かずに過剰な魔力投入をしてしまい、魔力が暴発、爆発!という流れもあるのかもしれないなと、思いました。
(米子さんの言う暴発が、爆発的なものなのかどうかという確証は無いのですが)
読み返してみると、米子さんが厨房に行く時に、古枝さんは『約束の刻』の詠唱を唱えています。自分にかけていると言っていますが、犯人は嘘をつくものです。疑いポイント0.5ポイント追加です。
米子さんの魔力暴発の条件を、古枝さんは満たしています。その後、古枝さんは、魔力を分け与えたかのような、疲れた表情をしている描写がありました。自分にかけていたら、そんなことにはならないはずです。
魔法詠唱の前に疲れ果てていますが、それは『自分にかけている演技のための伏線』とも考えられます。
えぇ、もう、古枝さんを犯人としたてあげようとしています。
狼花さんの『厨房で集合』という伝達ミスも、伝達をしたのは古枝さんなのだから、狼花さんになすり付ける準備をしているとも取れます。
あとはまぁ、そもそも犯人が『米子の魔法の暴発の条件』を知っていないといけないので、それはきっと、どこかのタイミングで米子さんが話していたんでしょう。
空澄さんの話してくれた、『暗号に舌が触れた瞬間爆発した』みたいな話が無かったら、素直に空澄さんを疑っていました。
長くなりましたが、僕の推理では、犯人は古枝さんです。
あとは、ちょっと気になった点を。
犯人が書いた筋書き通りに場をコントロールした人が怪しい、というのが僕の推理戦術ですが、
今回、かなり現場を掻き乱した人がいますね。
空澄さんです。
彼女が追いかけっこをしなければ、すんなり爆死したはず。(あの狭い空間の中を一時間鬼ごっこしていれば不発だった……無理か笑)
水道に括り付けられたメモを、もし外さないまま舐めれば、水道の近くで爆発したはずですし、そうなると水道とベルトコンベアの位置は直線上となり、ベルトコンベアの鏡からは中が見えないため、わざわざ部屋の真ん中で暗号メモを渡して、爆発場所をコントロールした空澄さんが怪しい!
とも考えていました。
(後日 追記。
食堂の見取り図を見てなくて、直線だと思い込んでいました。反省!!)
爆発するタイミングも、他の人に爆発の巻き添えを喰らわせないための位置配置も空澄さんが行なっているからです。
それが、彼方さんの回復が出来ない、という点で矛盾が生じました。
『悪意のある爆発』なら、それが無差別や二次被害でも回復できる。のなら、空澄さんのコピー魔法の爆発ではあり得ません。『殺す』ための爆発が、『悪意のない爆発』な訳がないからですね。
この推論は、狼花さん犯人説への矛盾にもなります。
この長文、コメントできるのかな。
きちんと理論だてて推理が組み立てられるのは、それだけ丁寧に証拠を書いてくれているからだと思います。
作者さんは、決してゴミなんかじゃないです。
まぁ、卑下して言っているだけだと思いますけれど、僕はそれを否定したいと思います。
ワンダー、僕は君とは違う。
そして、僕は記憶力が無いので、めちゃくちゃ読み返しました。空澄さん、僕は、君とも違う笑
以上、僕の推理です。
あってるかな。
間違っていたとしても、僕の推論を覆す推理を聞くのもまた、楽しみです。
僕をこてんぱんにしてくださいね。
それでは、よろしくお願い致します。
僕の推理で、良くない点があれば、削除してください。
解決編、また、彼女たちの話し合い編、楽しみにしています。
03-28 追記
魔法少女のことを詳しく無いのでアレなのですが、僕は『暴発』の意味を、『予期せずに発動してしまう』という意味で捉えていました。
(例)
【銃】が『暴発』する
ですと、予期せずに、意図しないタイミングで【銃】が『発砲』してしまう。
白柳さんの仰っていたように、狼花さんの『暴発』、ややこしい事に魔法自体が【爆発魔法】ですから、
『暴発』は、予期せず、意図しないタイミングで【爆発魔法】が発動するのだろう、と考えました。
つまり、【】内の、暴発する主体、魔法が異なれば、暴発の内容も変わるものだと考えていました。
すると、暴発は誰にでも起こりうることから、全員それぞれ、魔力の使い方をミスると、予期せずに自らの魔法が発動してしまうことを『暴発』と呼ぶのだろう。
まさか、『爆発』はしないだろうな、と。
爆発させることができるのは最初に挙げた二人、狼花さんか空澄さん。
どちらかなら空澄さんが怪しいな、と。
……と思っていたのですが、暗号の件です。
あの暗号の言葉遣い。狼花さんでも空澄さんでも無い。どないなってんねん!笑
想定外の古枝さんがめちゃくちゃ怪しく見えてきたので、『暴発』を『爆発』と捉えれば何とか犯人にできるなぁ。
という苦肉の策でしたね。
今思い出しましたが、空澄さんと霊媒師の人の傷は治せなかったのに、米子さんの傷は治せたこと、僕の推理じゃ説明できません。
『暴発』に悪意があれば、『全員回復できる』か『全員回復できない』になるかと思いました。
解決編までに考えておくことにします。
作者からの返信
ガチ長文の推理、全部拝読させていただきました。
独特な方法で行われつつも、合理性のある推理、感服しました。
('◇')ゞ ケイレイ!
推理の本筋に関する批評は、【解答編】に丸投げいたします。
しばらくお待たせすることとなってしまいますが、ご了承ください。
とりあえず、この場では二点だけ指摘させていただきます。
まずは一つ目。
彼方たちが起こされてすぐに厨房に呼ばれたのは、本当にただの伝達ミスです。これは探偵役特有の、偶然による証拠の入手みたいなものですね。
メモを発見した当時は、初・狼花・香狐の三人で行動していたはずです。そこで『伝達ミス』なんて嘘を香狐の目の前で言ったら、かなり怪しく映ってしまいますからね。
そして二つ目。
仮に狼花がスケープゴートとしてキャスティングされていた場合、【犯人】にとって最も都合がいい爆発位置は、水道の前です。
これは、【犯人】が空澄である場合も、初である場合も変わりません。
詳しくは【解答編】で語りますので、その辺り、お待ちいただいている間に再考していただければ。
3/28追記です。
「what I can do」でさらっと書いたのですが、暴発は誰にでも起こりうることです。構築が上手くいかなかった魔力が爆発として発散されることも、そこで書いた通りです。これは魔法少女にとっては常識ですね。
追記を受けての再追記。
すみません。暴発の言葉はイメージで適当に選びました。(;´・ω・)
暴走とかの方がよかったですかね?
魔法少女――というか魔法のルールに関しては独自のものなので、きちんと説明しきれていなかったのなら申し訳ない。
それと、彼方の魔法で傷を治せるかどうかが分岐した理由は、現在では推理不可能です。この辺の謎は今後に持ち越しです。別のチャプターまでお待ちいただきたく……。m(__)m
編集済
推理、挑戦させていただきます。
犯人は古枝 初。
死因は米子の暗号捕食を発動させた際の魔力の暴発による爆死。
暗号解読に米子が厨房に行く際、古枝は自分に魔法をかけたと嘘をつき、米子に魔力増幅を発動。
米子が暗号解読に発動した魔法に、古枝が与えた魔力分が加算され暴発した。
魔法披露の場面で空澄が狼花に魔力増幅を使った際に狼花に魔法を使われた自覚が無かったことから
米子は自身に魔法が使われたことには気づかずに魔法を使ってしまった。
食品運搬装置の奥にあった鏡は魔法の発動に目視が必要な狼花を犯人に見せるミスリード。
タコ糸、鏡、暗号は夜の間に古枝が用意した物。
古枝は倉庫を捜索した描写があり、鏡は連想できると言及があったため矛盾なし。
空澄、摩由美に外傷治癒が発動せず、米子に対してのみ発動したのは、古枝が害意を向けたのが米子だけだったから?
空澄ちゃんでも同様の犯行ができるはずだけど、
作中で描写されている中で空澄が最後に受けた魔法が主人公の外傷治癒で、魔力増幅をコピーするには古枝の協力が必要。
事件時の証言で『約束の刻』というフレーズが使われていない。
厨房での出来事は空澄が語っているだけのため偽証は可能だが、摩由美も一緒に居たため確認可能。嘘をついている可能性は低いと判断。
というわけで、やはり古枝が犯人、だと思います!
作者からの返信
ご参加ありがとうございます!('◇')ゞ
早速のガチ推理を前に、ぶっちゃけ体が震えてますね……。
細かい描写まで拾いながら読んでいただけたようで、作者としては嬉しい限りです。
しばらく期間が空くことになり申し訳ありませんが、全ての【真相】の暴露は【解答編】をお待ちください。
それと、これは本編内で描写していないためこちらの手落ちなのですが、あのときの[外傷治癒]はそもそも『発動条件を満たしていない』という扱いなので、空澄の魔法でのコピーは働いていません。
その可能性を想定していなかったこちらの落ち度ですね。申し訳ない……。
編集済
条件を分かりやすく整理した予告状、大変助かります!
既に公開済みのため推理は控えますが、厨房に行ったメンツの固有魔法が大変不穏ですね⋯⋯
コメント見てから細かい描写を拾っていくと、「⋯⋯!?」てなる一文があってビビりました。
一文たりとも見逃せない物語、続きが楽しみです。
作者からの返信
魔法込みのミステリーですから、条件は厳格にしないと、描写外の存在しない魔法の可能性を延々と追わされてしまいますからね。必要最低限の措置です。
『魔法はなんでもできる』という認識をまず崩さなければ、ファンタジーミステリーは成立しないのです。
事件を解く根拠は毎度さりげなく潜ませましたので、見つけるとちょっとハッピーになれるかも……?(隠れミッ○ーかな?)