第28話 反省会
「はぁ?告った!?」
給湯室で昨日のことを坂並に報告した佐藤は項垂れていた。
「やっぱり早かったよな…。でも、山下くんが向かいに居て、俺どうしても負けたくなくて…。」
らしくない行動を取ったことは自覚していたが、だからといってあの場をもう一度切り抜けろと言われたら違う行動をとれる自身はなかった。
「はぁ…美鈴はなんて言ってたんですか?」
「…返事を聞かずに逃げ帰った。」
「佐藤さん…案外意気地なしですね。」
「うぅ…。やっぱり俺じゃ駄目なんだよ…。気まずくて朝からずっと話しかけられないでいるんだ…。」
「駄目じゃないですか。告白した以上はグイグイ押さないと。あの子、押しに弱いからまだチャンスはあります!」
ガンバ、と坂並はジェスチャーをした。
「ありがとう…。もう一回頑張ってみるよ。坂並はきつそうに見えて意外と面倒見の良い奴だな。」
「一言余計です。」
「ん゛んっ…あー、おはよう、高田。」
「あ、先輩…。おはようございます。」
「あんなこと言ったけど、そんなに構えるな。えっと…なんていうか、また今度飲みに行こう。セクハラなんかしないから。」
「やだな、セクハラだなんて。…はい、また美味しいところ連れてってください!」
「おう。…ありがとう、高田。」
「いえ…。」
佐藤はホッとして自分のデスクに戻った。美鈴はなんとも言えない感情が渦巻きモヤモヤしていた。
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