第27話 衝撃
ガサッ
山下は買い物袋を落としてしまった。それもそうだ、目の前で知り合い二人が抱き合っていたのだから。
「え…」
しかも佐藤と目が合ってしまった。とても気不味い。そう思っていると佐藤は高田を離し、背を向けて去っていってしまった。
「…………。」
立ち尽くす高田を、後ろから無言で山下は見た。
(高田さん、佐藤さんの事が好きなのかな…。)
急にこれまでの事が自分の勘違いに思えてきた。食事に二人で行ったのは断れなかったから仕方なく付き合ってくれただけ。LINEの事もゲームが好きな同士として…。
(そりゃそうだよな。根暗で地味な俺なんかよりかっこよくて頼れる佐藤さんの方が魅力的なのは普通に考えて分かることなのに…。)
少しでもチャンスが有るのではと思っていた自分が恥ずかしかった。落とした袋をそっと広い、山下もまた高田に背を向けて去っていった。
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