第24話 残業明け
「あ゛ぁぁぁづがれだぁ〜。」
泊りがけの残業を終え、始発で帰ってきた美鈴。化粧は崩れ、仕事中に掻きむしったのかヘアセットが一部崩れていた。
(…でも山下さんの連絡先聞けたからラッキーだったなぁ。)
ソファに倒れ込んでスマホを開き、LINEの『山下結希』という名前を見つめる。
(ネコ好きなのかな?)
山下のアイコンは寝ている茶トラ猫の写真だった。美鈴はふふっと微笑み、着替えもせずそのまま意識を失った。
「ゔぅ、痛い…」
倒れ込んだままの姿勢で眠ってしまったため体のあちこちが痛くなり目覚めた。腰を擦りながらシャワーへ向かう。髪留めを外し、皺になったスーツを脱いでシワ伸ばしをかける。
「ご飯食べたらフェアハンしーよおっと!」
シャワーからあがった美鈴は冷蔵庫を開き、豆腐とめかぶを取り出した。
(疲れてるときには体にいいもの取らなきゃね。)
豆腐を細かめのサイコロ状に切り、器に入れた。めかぶは細かく刻み、豆腐の上へ。白だしと醤油少々、みりん少々を混ぜたものをその上にかけた。
「最後に青ネギ〜」
冷凍保存してあった青ネギを少しぱらつかせた。
「じゃーん!美鈴ちゃん特性ネバネバ豆腐〜!」
二日酔いの次の日や夏バテをしているときに美鈴はこれをよく食べていた。今日も疲労で食欲があまり無いため作ったのだった。
「待ちきれないしご飯食べながらフェアハンしよーっと!」
食べながら、と言いつつも結局ゲームにのめり込み、調理した豆腐を食べたのはそれから3時間後のことだった。
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