第20話 密会

「佐藤さん。単刀直入に言います。美鈴のこと好きですよね?」


 給湯室の前で坂並に呼び止められたかと思うと、いきなりそんなことを聞かれた。

「ど、どうしたんだよ急に…。」

「好きなんですか、好きじゃないんですか。答えてください。」

「……好きだよ。でもだからなんなんだよ?」

「私、山下さんより佐藤さんにくっついてもらいたいんです。」

「は!?」

「とぼけたって無駄ですよ。佐藤さん、美鈴が山下さんに好意を持ってるの知ってますよね。」

「……。」

「今なら軌道修正かけられます。佐藤さんだって、美鈴のこと諦めたくはないでしょう?」

「そりゃあ…」

「じゃあ私とタッグ組みませんか?美鈴のことなら私に任せてください!」

 彩は自分の胸をトン、と拳で叩いてみせた。

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