第10話 先輩後輩

”お疲れ様です。こちらこそ先日はありがとうございました。お食事の件、喜んで行かせていただきます。―山下―”


(イエスッ!!!!)

 美鈴は心の中でガッツポーズをした。山下からOKの返事が来たのも嬉しいが、メールでやりとりする行為がまた嬉しかった。

(このままいい感じに距離詰めれないかなぁ…。)

 私欲を抑えつつ、佐藤に返信があったことを伝えた。

「そうか、良かった!なら店予約しておくよ。お前何食べたい?」

「え?私がジャンル決めちゃっていいんですか?」

「お局に果敢に挑んだお前に褒美をやろう。」

 佐藤はワザとふんぞり返り、偉そうに言った。

「ははあ!有難き幸せ!」

 美鈴は佐藤のノリに合わせて喜んだ。

「前から思ってたけど、高田は見かけによらずノリがいいよな。」

「そうですか?」

「あぁ。黙って座ってたらそんなキャラだなんで誰も思わない。」

 ククっと笑いながら佐藤は高田のおでこを小突いた。

「もー、どんなキャラに見えるんですかぁ。」

 美鈴は突かれたおでこを擦りながらむくれた。

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