今度は向こうで
勝利だギューちゃん
第1話
今、ひとつの列車がその歴史に幕を閉じる。
近鉄12200系。
通称スナックカー。
名前の由来は、当初車内でスナック(軽食)サービスが、行われていたため。
でも・・・
速攻で、廃止された。
かつては、お召列車にも利用され、一大勢力を誇ったが、
徐々にその数を減らしていく。
そして、コロナの影響か、「さよなら運転」と言ったイベントは、行われず、ひっそりと幕を下ろした。
今は、2編成が車両基地で、最後の時を静かに待っている。
「お疲れさん」
「ああ」
「寂しくなるな」
「そっか、俺はせいせいするけどな」
「よく、走らされたな」
「もっと、早く引退すると思ったけどな」
「先に言った、あいつらには会えるかな」
「あいつらとは?」
「10000系や、10100系」
「俺たちとは、会ったっけ?」
「10100系とは、会ったろう」
「20100系とは、会ったけどな」
「まだ、若かったからな」
もし、鉄道車両にもあの世があるのなら、
今度は、好きなように走ってほしいものだ。
12200系は引退した。
しかし、彼を改造した団体専用の、15400系や15600系は残る。
「大丈夫、僕たちもすぐにいくから」
「いや、なるべく遅く来い」
今度は向こうで 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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