南天の生りに生りたる街角のさきはひ願ふ年の暮れかな
年末の歌を今頃出す——相変わらずやることなすこと遅い筆者の懺悔もそこそこに、コロナ禍の第六波そして徐々に増えていく感染者と蔓延防止措置の範囲。相変わらず、外出自粛を余儀なくされる世相で、ふっと年末の買い物帰りに詠んだ一首が今タイトルである。
出歩く人が限られるからこそ、街角の植栽が目に付くようになり、そして気付いたのが「うちの近所には南天を前庭や裏庭に植えている人が非常に多い」ということだった。
難が転じて幸となす——お正月の縁起物としても飾られる南天。
赤々と色づいてたわわと実り、もはや立派な古木と表現しても差し支えない大きな南天が、塀を越えて垂れ下がっている光景は圧巻の一言だ。
そして今年は一際目につく。人間は窮々と日々を過ごしているのだが、植物はそんなのお構いなしに季節を告げて伸び伸びと育っている。
元気に育つ南天の木々を見て、二〇二二年が
通学路にも面しているので、いずれまたランドセル姿の子供たちがキャッキャ言いながら走り回り、キャンパスライフを謳歌する学生たちの賑やかな声が戻ってくることを願ってやまないのである。
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