第8話 (続)宇宙を見上げながら

夢の続きを見るという事がたまにあるのですが、数年前に見た夢の続きを見る事もあります。

 

 常に星空が広がるこの街には、親友と呼べる男の子が居ました。彼の名前は、思い出せないけれど。私は夢の中で彼と待ち合わせをしていました。

 牛乳パックを横に倒してパスっと切ったような土管(もはや土管じゃない)に体育座りで待つ私。ドラえもんに出てきそうな空き地には、私以外居ませんでした。

 暫く待つと後ろから声をかけられました。彼です。

 好きな男の子に初めて電話をかけた時のようなドキドキを感じる私。いつも会っているはずなのにおかしいな。

 どぎまぎしている私を知ってか知らずか、「こっち!」と彼は私の手を引いて歩き出します。

「……。」

 さっきまでの激しいドキドキが、何故か急にしくしくと悲しい胸の痛みに変わっていく。

 何が何だか分からず泣き出す私の頭を、彼は優しく撫でてくれました。その時、暖かい風が、ふわりと彼の色素の薄い髪を揺らします。

 私ははっとして顔を上げますが、そこには、彼の姿はありませんでした。頭に乗せられた時の手の感触を、残したまま。

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