第3話 魚

 スケルトンな魚が居るとか、そんな知識が全くなかった保育園児の私。きっとジブリ映画の影響でしょう、宙を泳ぐ魚や水底に沈んだ街の夢をよく見ていました。

 その中でも強烈に覚えているのは、骨と目玉以外は透明な魚が、目の前を泳いでいる夢です。


 目の前の田んぼにはびっしりと細かい(キューバパールグラスのような)葉っぱが隙間なく生えていて、空は雲一つなく晴れているけれど、太陽がない。

 そんな景色の中を、鳥が空を飛ぶ代わりにたくさんのスケルトンな魚が泳いでいました。大きさは様々で、でも形がみんな同じなので遠近感が分からなくなる不思議な光景でした。

 今でもその魚の姿を覚えているのですが、実在する魚を調べてみるものの、全く同じ姿のものは見つかりませんでした。もし同じ姿の熱帯魚が居たら、夢の光景を水槽に再現してみたいです。

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