第47話 死闘……?
俺に向けられている巨大ウミヘビの大きな瞳にはしっかりと俺の姿が映っていた。
そう、俺がそのウミヘビの頭部に向けて右手を突き出している姿が。
「海底神殿から離れてくれて助かったよ。これで心置きなく倒せる」
『ヤっちゃエ、ゴシュジン!』
俺は俺たちに襲いかかろうと大きく開いた巨大ウミヘビの口腔に狙いを定めると呪文を放つ。
「
呪文発動と同時。
ウミヘビの巨大な頭部が内部から爆発四散する。
俺の放った
狙う場所に意識を集中しなければならないし、相手が冷静であればその場から動かれると直撃は難しい。
爆風によるダメージは期待できるので無意味では無いのだけど。
「今回は何だかあいつ遠距離攻撃を準備してたから楽だったな」
巨大ウミヘビは俺たちに向けて大きく口を開き、明らかに何かをその口から放とうとしていた。
おかげで動きが止まって
『そんナこトよりゴシュジン!』
「ああ、わかってるって。
最初の攻撃で指先が崩れ去っていた土の巨腕を修理すると、その腕で頭をうしなった巨大ウミヘビの体をつかみ取る。
このまま
なので――
「
周囲の水を利用して、巨腕で引き延ばした巨大なウミヘビの体を後で調理しやすい大きさに切り分けて行く。
時間も余裕もないので適当に輪切りにしただけだが細かい処理は後でかまわないだろう。
一応遠くからなので細部までわからないが、
輪切りにしている最中に出てこられたらたまったものではないし、なにより魚人を喰ったような生き物を、そうと知って喰うのはためらわれる。
「とにかくウミヘビの中には魚人の姿も見当たらなかったし、多分ファッシュたちも海底神殿の奥に逃げ込んでいるんじゃないかな」
『魚人、美味しソうだっタかラ、食べたくナる気持ちワかる』
「今から海底神殿の中に行くから絶対に襲いかからないようにな」
『我慢すル』
「帰ったらウミヘビ料理食わしてやるから」
俺は今にもよだれを垂らしそうなシショウの頭を軽く撫でる。
そして
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