第7話 バイト①

帰宅した俺と楓は、夕飯を食べ俺の部屋でくつろいでいた。


「う~ん」

「どうしたの健吾君」


ソファに座りスマホを弄りながら考え事をしていると何故か俺に膝枕をして雑誌を読んでいた楓が話かけてきた。

どうでもいいかもだけど俺の膝枕で気持ちいいのか?


「バイトどうしようかなって。何処かデート行くにしてもお金はかかるし少し貯めないとだろ」

「確かにそうだね。大学生になって洋服代とかも前よりかかるようになったもんね」


そうなんだよな。高校の時は制服もあったし部活の日とかはジャージで過ごしてたりもしたけど大学は私服だからそのあたりも気にしなくちゃなんない。

まぁ洋服やアクセサリーは気にしだしたらきりが無いしそれなりに着回しはしてるし、ジャージは今でも愛用はしてるけど、、、


「ラウムとかまたどうかな?島田さんもまだバイトしてるし」

「この間、小春と会ったときにお店の様子聞いてみたんだけど、もう今年の新入生が何人かバイトに入ったらしいの。小春が指導してるらしいんだけど人数的には多分足りてるんじゃないかな」

「そっか。まぁ島田さんはバイトリーダみたいなポジションだもんな」


そっか。ラウムは駄目か。。。

あそこって家からも近いし食事も出るし中々働きやすかったんだけどな。


とすると何が良いのかな。

やっぱり接客かなぁ。

最近は駅前にもお店は増えたし何処かいいバイトあればいいんだけど。


「ねぇ家庭教師とか塾の講師とかどうかな?」

「講師?」

「うん。駅前に中高生向けのマンツーマン指導の塾が出来たでしょ?前に紅葉の家庭教師もしてくれてたし、いけるんじゃないかな?」


確かにそういうのもいいかもな。

人にものを教えるのは好きだし、中高生の勉強なら何とかなりそうだよな。

それにあの塾はまだ出来たばかりだから入りやすいかもしれないな。


「そうだな。それならちょっとバイト募集してないかチェックしてみようかな」

「うん♪募集してたら教えてね私も一緒にバイトするから」

「え?楓も一緒にバイトするのか?」

「そ。可愛い女の子の生徒とかがいたら私に担当変えてもらうんだから♪」

「 そんな心配しなくても大丈夫だって」

「健吾君が大丈夫だって女の子の方はわからないでしょ。

 健吾君って優しいし教え方とか上手いから年下の女子からしたら"頼れるお兄さん"みたいな感じで余計にカッコよく見えるのよ。だから彼女としては心配なの!」

「そんなもんなのか?」

「そんなもんなの」


まぁ確かに楓は大切だけど可愛い年下女子に迫られたら・・・

い いや いやちゃんと断らないとな。俺には楓が居るんだし。

っていうか、そもそも俺そんなにモテないだろ。楓の評価が高すぎなんじゃないか?余計な妄想じゃね?


と苦笑いしていると玄関のドアが開いて露が入ってきた。


「こんばんわ~って、またイチャついてる!!」

「いいだろ俺んちなんだし。って露もインターフォン位押せよ」

「ごめんごめん♪

 それより勉強会するんでしょ今日の課題の。待たせちゃってごめんね」


絶対反省してないな・・・

まぁそれはそれとして勉強会か。

・・・そういえばそうだったよな。結構待ってたしあんまりマッタリしてたから忘れてたけど露が来たら始めることにしてたんだったよな。

楓も目が泳いでるし完全に忘れてたな。


「あ、もしかして2人共忘れてた?」

「そ そんなことないぞ」

「怪しいなぁ~ 楓ちゃんと何だかいい雰囲気だったし~」

「やだなぁ~露ちゃん。

 ちゃんと課題の資料も持ってきてるし。あ、私お茶入れるね♪」


そう言いながら楓はキッチンへと向かっていった。

上手く誤魔化したな楓。


「そういえば電話してから来るって言ってたけど結構長かったな?電話大丈夫なのか?」

「ふぇ!あ、 あ その会話が盛り上がっちゃって。揉め事とかじゃないから大丈夫」

「ふふ~ん。何ならもっと電話してても良かったのに~ 天野君でしょ?電話の相手。はい お茶。熱いからね」

「や そ その天野君も課題わからないところがあるとかで・・・・」


電話の相手が天野だってのは認めるんだ♪

でも課題の話で盛り上がるかねぇ~素直じゃないなぁ~


「じゃあ天野も勉強会に呼べばよかったかなぁ~

 あいつんちって川北のバス停の近くだったはずだから、今からでも呼べば来るんじゃないか?」

「そうだよね~ 一緒に勉強した方が捗りそうだしねぇ~」

「う~ もう2人共。。。からかったのはゴメン。許してよ~」

「ふふ露ちゃん可愛いなぁ~ もう抱きしめたくなっちゃう」

「ちょ 楓ちゃん!」


照れて顔を赤くした露を楓が抱きしめて頬ずりしている。

可愛い女の子同士がじゃれ合ってるの見るのは中々良いもんだ。

まぁそれはそれとして、そろそろ本題に戻さないとな。


「はい。そろそろ勉強会するぞ。最初は米谷先生の授業の課題だったよな」

「あ、健吾君が急に真面目になった」

「うん。変わり身早いよね」


い いや俺は流れを変えようとしただけなんだけど、何その言われ方は。。。

楓も段々雫姉みたいに俺の事からかってくる様になったよな。。。

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