第3話 久々のデート
すみません。更新遅れました。
****************
「おはよ楓」
「おはよう♪待たせちゃったかな?」
「いや大丈夫だよ。俺もまだ来たばかりだ」
「良かった。でも何だか久しぶりだね2人きりって」
「そうだな~」
大学に入学して1か月が過ぎた。
勉強も部活も遣り甲斐があり充実した生活を送っているんだけど・・・俺と楓には1つだけ不満があった。
それは・・・2人でイチャつく時間が減った事だ!
いや、冗談とかではなく、結構真面目に悩んでいる。
学内では講義の関係もあり藤原達と一緒に行動することが多いし、バスケ部に入ってからは亮兄や雫姉、それに先輩達と行動する機会も増えた。
まぁこれはこれで悪いことじゃないし俺も楓も楽しんでいるんだけど、今まで2人きりになれていた家での時間が少なくなったのが問題なんだよな。
毎日の様に露が遊びに来るし、休みの日は別の学校に進学した裕也や浜野さん、福島や村田さん達が遊びに来たりと中々楓と2人きりになれる時間が取れなくなったんだ。
裕也達と過ごす時間は普通に楽しいし、地元を離れて進学した上に人見知りな露が俺達のところに来るのも仕方ないとは思うんだけど、高校時代は学校や部活が終われば基本2人きりだっただけになぁ。。
なんてことを最近思い始めてたんだけど、昨日の夜に雫姉が露を連れて都内の実家に帰省することを教えてくれた。それも何故か亮兄も連れて。
亮兄も一緒だったことといい、別れ際に雫姉が俺と楓にウインクをしていったのは・・・もしかして察してくれてたんだろうか?
まぁそんな雫姉の協力?もあり、今日は久々に楓とデートだったりする。
そして、雰囲気も楽しみたいということで住んでいる部屋は隣だけど、敢えて川野辺駅前で待ち合わせもしてみた。
前にもやったけど、待ち合わせの方がデートっぽいしね。
少し遅れて待ち合わせ場所に来た楓は、春らしい明るめのニットに細身のジーンズといった服装。
高校を卒業してからは制服もないし、楓の私服姿は見慣れているはずだけど、デートだと思うと何だか新鮮だ。
「その・・・似合ってるなその服」
「え?ほんと!よかった。この間、露と一緒に買いに行ったんだよ」
「そうなんだ。じゃ今日は俺が楓の服選んであげるからな♪」
「うん!じゃ私は健吾君の服選ぶからね♪」
ということでデートの行先は毎度おなじみのショッピングモール。
何処に行こうか悩んだんだけど春物の洋服でも一緒に見ようかということになった。高校時代と違って着て行く服も色々と悩むんだよね。
電車に揺られ隣駅のショッピングモールへ。
丁度セール中だったらしく、どのお店も結構な混雑だ。
「ねぇねぇこのトップス凄く可愛い!」
「ほんとだな。楓に似合いそうだしちょっとあわせてみなよ」
「うん♪」
混雑する店内を試着室へと小走りに移動する楓。
俺も楓セレクトで春物のジャケットとジーンズを買ったけど楓は既に3着目。
雫姉や露の影響かもしれないけど以前よりも確実にファッションとか興味持つようになったよな~。
まぁ俺としては楓は何着ても可愛いと思うしお洒落になってくれるのは嬉しいんだけどあんまり可愛くなりすぎると他の男が寄ってきそうで逆に心配だ。
ちなみに前に裕也にそのことを言ったら"相変わらず惚気てるねぇ"とか言われちまったけど、俺間違ってるか?
一通りお店を見て春物の洋服を買ったところで、俺と楓はモールの隣にある緑地公園へと移動した。
お腹も空いてきたということで、楓が作ってきてくれたというお弁当を一緒に食べるためだ。
天気も良く、家族連れやカップルで賑わう芝生広場に持ってきたレジャーシートを広げ楓と2人で座る。
春の風が心地よく。何だかこのまま寝転がって寝てしまいたくなるような陽気だ。
俺がそんなことを考えていると持ってきたランチボックスを楓がシートの上に広げていた。
食べやすくまとめられた小さめのおにぎりに唐揚げやソーセージ、サラダといったおかずが見た目も綺麗に並んでいる。
再会した頃は、料理とかほとんど出来なかったはずなのに凄い進歩だよな。
等と少し失礼なことを考えていると。
「はい。あ~ん」
「ちょ 楓恥ずかしいって」
「いいでしょ、たまには。誰も見てないって♪」
と楓が箸でおかずを摘まみ俺の口元に差し出してきた。
いや、まぁ知り合いは見てないかもだけど広場には他にも人が居るわけだしさ。
と思いつつも自然と口を開け楓に食べさせてもらう俺。
俺も昔なら恥ずかしがって出来なかったよなこんなの・・・俺も変わったのか。
「あ、美味しい!」
「よかった♪最近学食が多かったし今日はお弁当作るの結構頑張ったんだ」
「ありがとな」
「うん。今日は夕飯も頑張るからね♡」
「俺も手伝うから一緒に作ろうな」
その後も美味しく楓のお弁当を食べて、ショッピングモールに戻ろうとしたところ、楓が掲示板のポスターを見て立ち止まった。
「ねぇ。健吾君。ミニシアターでお芝居やってるみたいだよ?公演時間近いし行って見ない?」
「芝居か。珍しいな。え~と"不器用な彼"?主演は・・・黒木 智也?知ってる?」
「知らないけど地元の劇団の人みたいだよ?ほら劇団★川野辺ってあるし。そこの人じゃないかな」
「へぇ~この町に劇団とかもあるんだな」
去年ショッピングモールに出来たミニシアターは収容人数こそ少ないけど映画や劇団によるお芝居などを定期公演をしている。
前に来た時はフランス映画を上映してたけど中々マニアックなセレクトが多い。
館長さんの趣味かもしれないけど、そういう人が選んだ劇団なら面白いのかも。
「面白そうだし行って見ようか」
「うん♪」
ミニシアターに向かいチケットを買うために受付に向かうと・・・
「あれ?田辺君に小早川さんじゃない。久しぶり!」
「え?赤沢さん?」
高校時代生徒会長をしていた同級生の赤沢さんが受付でチケット販売をしていた。
バイトかな?
「わぁ赤沢さん久しぶり?卒業以来だね。今日は受付のバイト?」
「うん・・・バイトというか・・・実はこの劇団に入ってたりして・・・」
「えぇ!じゃぁ赤沢さんもこのお芝居に出るの?」
「うん。チョイ役だけどね。。。まだまだ見習いだし」
へぇ意外だな。
何となく真面目で芸能系は苦手なイメージだったんだけど。
「それでも凄いよ。あ、学生2枚ね」
「2枚で3000円ね。2人は相変わらず仲いいわね。今日はデートでしょ?」
「まぁそんなところかな」
ニヤニヤしながらお金を受け取りチケットを差し出す赤沢さん。
まさか赤沢さんに冷やかされるとは思わなかったよ。
「はい。チケット2枚。何だか知り合いに見られるの恥ずかしいけど楽しんでってね」
その後、席に案内され芝居を楽しんだわけだけど、上演された芝居は両片思いのラブコメ劇で・・・ちょい役と言いつつ赤沢さんはヒロインを演じていた。
主演の黒木って人の演技が光ってたけど、赤沢さんも中々に存在感を感じる演技で素人感想だけど中々良かったと思う。
「赤沢さん!凄く良かったよ」
「ありがとう小早川さん」
「次回あるようだった連絡頂戴ね。絶対見に行くから!」
----------------
お芝居を見た後はショッピングモールに戻り夕飯の買い出しを行い帰宅。
俺と楓は、一緒に夕飯を作ったり、ゲームをしたり、話をしたりと誰にも邪魔されない2人だけの時間を楽しんだ。
本当今日は充実した1日だった。
そして・・・その日楓はうちに泊まり久々に2人だけで朝も迎えた。
久々ということもあり・・・少し張り切り過ぎて正直眠かったりもする。
「それにしても、もう8時か・・・いつの間にか寝てたんだな」
「うん。ランニングサボっちゃったね。。。」
「だな。まぁ今日は雫姉達も走ってないだろうし、たまにはな。明日また頑張ろ」
「そうだね。あ、今日は藤原君達とだよね?」
「あぁ。掘り出し物あるといいけどなぁ~」
商店街にある新田スポーツ主催でアウトレットセールが行われるってことで、藤原や夏川さん、それに露も合流してバッシュを買いに行く約束をしてるんだよな。
商店街も売り上げが下がってきているということで色々とイベントを考えているらしい。
新田スポーツも俺が小さい頃からある地域密着型のお店だけどショッピングモールに大手スポーツ用品店が出来てからは大変みたいだから・・・
「私、シャワー浴びたら一回家に戻って着替えて来るね♪」
「あぁわかっ・・・た」
「あ・・・」
ベッドから出た楓は・・・なにも着ていないわけで・・・
「け 健吾君のえっち」
そう言いながらタオルケットを引き寄せ慌てて浴室へと消えていった。
いや、俺が悪いのか?
っていうかうちのシャワー使うんだ。
でも、こういうのも何だか久々でいいな。
と幸せを噛みしめているとスマホにメールが着信した。
[ピン]
[昨夜はお楽しみでしたかな♪ -雫]
雫姉。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます