第2話 バスケ部
亮兄と小宮先輩の案内で俺達はバスケ部が練習しているという体育館へと向かった。
「凄く立派な体育館だよね。でも前に来た時こんな綺麗だったっけ?」
「あぁ去年外壁の改修があったからな。
この大学のバスケ部は県内でもそれなりに強し学長もバスケ好きだから結構予算掛けてくれてるんだよ。この体育館だって何年か前にプロリーグの試合も呼べるようにって新設されたんだぜ」
「プロリーグも来るの?」
「あぁ。他にも大学リーグの大会でも使うし結構色々な大会でも使われるな。
まぁそうなると俺達は練習で使えなくなっちまうんだが、こういう試合で運営費の補填もしてるみたいだから・・・仕方ないさ。
ちなみにここ以外にも運動部共用でジムとかプールもあるんだぜ」
「へぇ~流石大学は設備も凄いんだね」
確かに以前に県予選で来た時も結構な人数の応援も入ってたもんな。
そんな話をしながら体育館に入るとバッシュのスキール音が体育館に響いていた。
何だかこの音を聞くと落ち着くというか部活してるなって気になる。
「そこ!パス遅いよ!」
「恩田!吉川!足が止まってる!!」
「「はい!!」」
女子バスが試合形式で練習をしている。
「結構、激しいんだな」
「うん・・・」
「お姉ちゃんも結構スパルタなんだね」
監督と思われる年配の女性とサブで雫姉がコートの中の選手に大声で指示を出している。中々に要求も厳しい。
高校バスケではスタープレイヤーだった恩田先輩も肩で息をしているくらいだ。
それに監督の指示も結構厳しいけど・・・雫姉も真面目モードで容赦ない。
ん?でも雫姉は4年生だよな亮兄同様に引退したんじゃないのか?
「亮兄。雫姉も就活で引退したんじゃないの?」
「・・・健吾。あいつはな俺や三上と違って優秀なんだよ。必要単位も取れてるし内定もいくつか早々に貰っててな。監督の補佐ってことで部活を手伝ってるんだ・・・俺なんて内定全然なのに」
「そ そうなんだ」
流石雫姉ってところかもだけど・・・亮兄頑張れ~。
そういえば亮兄って確か俺と同じで教員志望だったよな。
やっぱり教員になるのって大変なのかな。
「あ、終わったみたいだよ」
「雫姉~」
俺が亮兄と話をしていると練習が一区切りした様だ。
休憩に入った雫姉や恩田先輩に露と楓が声を掛けている。
雫姉とは最近中々時間が合わなくて会えてなかったし、色々と話したいこととかもあるんだろうな。
お、小宮先輩が監督にも楓達を紹介してくれてるみたいだ。
まぁそれはそうとして・・・
「亮兄。男子のバスケ部は?俺はどちらかというとそっちを見たいんだけど・・・」
「悪いな健吾。男子は今日、自主練日なんだよ」
「自主練日?」
「そうだ。部活は高校の時と同じで週3なんだけどそれにプラスして監督が作ったメニューや課題を各自行う日が設けられてるんだ」
「へぇ~そうなんだ。じゃあ男子の練習はまた次の機会だね」
「そうだな。明日また声掛けるよ長谷部や藤原もバスケ部には入るんだろ?声掛けといてくれよ」
「わかったよ」
でも週3練習で自主練となると週4日か。
これ以外にも試合とかもあるだろうし、当面は授業とかの様子も見たいからな・・・バイトとか出来るかな。
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女子バスの練習を見学させてもらった俺達は、雫姉と亮兄に連れられて学内のカフェに移動した。
受験の後に立ち寄ったラウンジにあるカフェだ。
今日は平日ということで受験の時と違って席も沢山の学生で埋まっている。
広くて綺麗、おまけに食事も美味しいということで雫姉も亮兄と一緒によく利用しているらしい。
飲み物を注文して空いてる席に座ると早速雫姉が話し出した。
「で、どうだった大学のバスケ部は?」
「・・・何だか大変そうかな」
「うん。お姉ちゃんも何だか厳しそうだったし」
俺も露と楓の感想の通りだな。
今日は女子の練習だったけど男子も亮兄の話を聞いてる限りかなり練習はきついらしいからな。
「そりゃ私も真剣に指導してるから厳しくもなるわよ。
まぁ楽ではないけど、どうせバスケするなら試合も勝ちたいでしょ?」
「うん。勝ちたい!」
「そうだね。負けるのは嫌」
流石雫姉だ。楓も露も結構な負けず嫌いだからな・・・のせるのが上手い。
でも、言いたいこともわかる。
勝つためにはそれなりに頑張らないと結果は出ないからな。
「負けたくなければ頑張りましょ。2人共高校時代はレギュラーだったかもしれないけど、ここでは新入部員。1からのスタートなんだし何事も挑戦よ!
恩田も居るし森下でレギュラー組だった選手とか他校で活躍してた選手も所属してるから人一倍頑張らないとね」
「うん。わかってる。やっぱりレギュラー取りたいもんね!」
「頑張るよ!私も!」
楓も露も気合十分だな。
って言うか雫姉の言い方だと露も高校時代レギュラーだったのか?
前に話を聞いたときはそんなに上手くないとか言ってた気がするけど・・・ポジションは雫姉に憧れてPGって言ってたっけ?
なんて他人事の様にコーヒーを飲んでいると
「健吾!あんたもだからね。男子の方がむしろレギュラー争いは大変かもしれないよ。藤原君だってバスケ部入るんでしょ?気抜いてないで頑張りなさいよ!」
「そうだぞ。倉北でレギュラーだった選手とかも確か入ってくるはずだぞ」
「わ わかってるよ・・・・」
だな。
確かに俺だってやるならレギュラーは取りたいし試合だって負けたくはない。
最近少しペース落としてたけど朝練メニュー増やそうかな・・・
ん?俺も上手くのせられてしまった?
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今回はバスケ回でしたが次回はイチャイチャ回予定。
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