終章 試験以外で起こった事って意外と人間の本質が出るよね?
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「ぐぬぅ・・・貴様は・・その目・・六星魔眼?!!」
「おいおい、そっちか?この指向性魔力放出圧でフツーに立っている所を突っ込むんじゃないのか?」
「ムムム・・・剣士でありながらそんな知識まで・・・油断なりませんな・・・。」
奴の魔法は放出を圧縮を双方行う、直ぐに魔力の方向性を俺に向ける。だが俺の一言で使役した蛙の魔獣は白くなった。
「氷結刃!!」
「ぬうう!!いつの間に!!」
流石に起爆性の魔法で奴の使役した魔獣を殲滅する。こっちに来る前に撃ち込んでおいたんだ。口に出さず俺は剣を抜いた。
「そ・・それは・・・!!!『純魔剣』!???」
「行くぜ!!俺の名前はレージ・スレイヤー!!名乗りな!!蛙の魔導師!!」
「私は魔皇都市ゲルニカ、魔導局局長グロロック!!純魔剣の剣士レージとやら!!」
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『決闘堂』ではそれほど強力な魔法を放てない。俺は氷結刃と灼炎爆を繰り出して牽制をかける。グロロックは使役魔獣の鰐蛙を繰り出しそれを受け流す、時として散らし、時として相殺をする。魔力放出での高速移動は奴の方が一日の長だ、なんせ空中でふわふわ浮いてやがる。
「フワッ!!・・・・なんだぁ?!!・・・それ!?」
「ヌフュフュフュフュ・・・魔族にとって必須科目ですぞ!!レージ君!!」
「ぐぬおぉお・・・・フン!!」
俺は直線的な軌道と壁蹴りを駆使して突貫をする。しかし奴のホバリングと言う能力は厄介を極めた、するりするりと回避するし奴の魔獣鰐蛙が1体から6体、それが融合化して一体に禍々しい悪魔の手の様な形状になって襲い掛る。
ごぉおおお!!!
悪魔の拳の鉄槌が、決闘台の一部を破壊した。幸い、俺は回避できたが。既に俺とグロロックの戦闘を見上げている面々が居る。どうやら最初の鰐蛙の一団は全滅した様だった。
「むむむ・・・私の先兵たちも全滅とは・・・やりますねぇ・・ですが・・」
グロロックは俺を睨んだ、完全にターゲットにしている。鰐蛙が黒い空間から7体現れまた結合し悪魔の手を形成し、指を向けた。
「ではでは・・・踏ん張りましょうか!!」
悪魔の手が襲う。望むところである。
「はん!!・・行くぜ!!」
剣の切っ先をギュルッと回す、戦輪の様に形作った。こいつはカリスの上位技である、魔法誘引を利用した操作技術を戦技ととりこんだ西方の数少ない斬撃戦技の一つ。そして、こいつは母が最も使いこなす技でもあった。
「螺閃輪!!!」
魔力の制御を駆使し、突飛も無く飛び回った魔法の戦刃の輪が縦横無尽に駆る。
ギュルルルルルル!!!
「んむぅうう!!!なんとぉ!!握りつぶせ!!」
グロロックの命令で結合魔獣の悪魔の手が握りつぶそうとした。・・・ん!?何気ないがあの『螺閃輪』の挙動はどうやって・・・。
ブチブチブチ・・・ブチィイッ!!
ゴバァッ!!と握ったはずの悪魔の手が血飛沫をまき散らす。俺は『螺閃輪』を自身周りに誘導する。グロロックの顔が歪む。それは俺の一言が原因だった。
「空を飛ぶトリックが分かった!!なるほどな・・・!!ヒントはコイツさ!!」
それは『螺閃輪』だ。魔力放出の維持と圧縮と言う三つの応用したやり方でコントロールをする、推進側の魔力を高め維持し進行側の魔力圧縮濃度を薄くすると言う代物だ。ネタが分かっても上手く調整しなければ、中々うまくいかないも。幸い『螺閃輪』の操作感覚を持っていた俺は、物は試しでぶっつけ本番・・・答えはビンゴだ。
「ムムムム・・・・やりますねぇ・・・熱くなりました・・・だが・・・」
「いくぜ!!ゲロロック!!」
もう片方の悪魔の腕を切り捨てた、周りの奴が遠隔での魔法を繰り出す為に召喚した使役魔獣も『螺閃輪』の餌食と化す。挙動はぎこちないが、かなりマシに動き回れる。
「まさか、敵に私の手の内を知られるとはな・・・六星魔眼の若者に・・・いや・・だからかな?」
「こいつで・・・仕留める!!」
俺は魔剣に魔力を込めた、ギラっとした刀身の輝きはより一層強く放つ。剣の切先から光の刃が伸びた。それだけでなく、全身を纏った光を帯びた俺の一撃の横一線をゲロロックに撃ち込んだ。
「ホッ!!急かさないでください!!レージ君!!私は
ボォッ!!
鈍い音がした。奴は相当したたかで、自身の前に魔力圧縮の壁を生じソレを使って反らされた。水面に打ち込んだ不確かな手ごたえを感じ、忌々しく振り返ると。奴は体半分、黒い空間に体を埋め込んでいた。奴はすっかり戦意を放棄していた。
「今回は威力偵察でしてね・・それ相応の情報が手に入っただけ十分ですよ・・・なんせネージュ様とその娘様がどんな者か、個人的な私情もありましたが・・・外の陽動も上手くいかなかった故・・・相当な猛者達・・・ヌフュフュフュフュ・・・本土に戻って報告をしないと・・・忙しくなりますし・・・君の事を伝えれば同胞同志が大喜び!!・・・ではでは私は帰ります・・・・皆さんごきげんよう・・・。」
「本土!?魔皇都の事か!!」
ネージュ様が叫ぶ。しかし奴は何も答えず、姿を闇へ溶けていった。
「大変です!!」
一兵卒が走って大声を上げた。
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決闘堂から、俺、クシュリナ、ミスティア、ヴィラ、ネイアとネージュ様が駆けだす。何でも見た事もない飛行船が現れ、このレイグローリーの浮遊大陸に接近してきたのだった。
「なんじゃありゃ!?」
「赤い飛行船!!?しかも普通に空を泳いでいる!?」
「あそこを見てくださいまし!!」
ヴィラの指さした赤い飛空船の上に、ゲロロックがいた。他にもう一人、フルプレートの剣士だ。如何にも強敵と言う風格があった。
「アレが魔族の船?!あわ・・・・あわわわ・・・・」
「魔族にはあんな技術が・・・?さっきの空飛ぶ魔法も・・必須と話していた・・・」
怯えるミスティア、ネイアの言葉。決闘堂の出入り周辺は鰐蛙の死骸と重軽症者が並んでいた、この年で行われた試験会場は後世に語り継がれる大事件となっていた。
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