第27話 ムンジェン王国討伐3

 とうとうマーベリカが到着する前に

王の間に到着した俺達は平然と王の前に立ちはだかった

しかしベリアルはつかつかと王の前に歩きだし

玉座に座る国王から冠を奪い首を掴み放り投げ

自分で冠を被り玉座に座ってみせた


シュ)パチパチパチと拍手をする峻治

「似合う似合う似合うぞベリアル!ハッハッハッハ!

今記念写真を撮ってやるから動くなよ~」


ムンジェン)「何をしとるかーーーーー!!

貴様等早く此の狼藉者達を捕えんかーーーーー!!」


しかし何を命令されても

ムンジェン直属の赤備え達は目前で最強の将軍を瞬時に倒され

恐怖により身体が萎縮してしまい何も出来ずにいた

それに王の間は既に峻治のミスリルゴーレム兵達に取り囲まれ

ムンジェン国王兵が自由に通る事すら出来なかったのだ

そして其処にマーベリカが遅れてやって来たが

玉座に座るベリアルを見て笑顔で


マ)「遅く成りすみません

え!?ベリアル!

何か似合ってるぞ(笑)」


ベ)「冗談はさて置き随分と遅かったな」


マ)「保護した仲間に生活習慣を教えるのに

色々と時間が掛かってな」


ジェミョン)「お!マーベリカ!久しいな~

まあ丁度良い所に表れたと云うか

何だ~その顔色は緑の菜っ葉かよ~」


突然玉座の右通路から

誰とも知れぬ老女の髪を引きずりながら笑顔で現れたジェミョン大臣


ム)「流石は余の片腕じゃ

良い物を持って現れたのう~」


ジェ)「お前達大人しくしろ!!

このババアの顔を良~く見ろ!!」


ジェミョンは老婆の髪を掴み引きずる様に立たせ

にやついた顔で老婆をぶらんぶらんとさせ揺らして見せた

老婆の口からは泡を吹き死んではいないが

意識が既に飛んでいる事は察せられた


マ)「はっ母上!!」


ジェ)「御対め~~んとっ

ガッハハハハッ・・・・・」


次の瞬間ジェミョンの身体が消え失せ

ポロんと頭だけが床に転がると同時に

マーベリカが母親を抱き抱えていた

マーベリカの母親は峻治が出した車椅子に座らせ

呼び掛けるとすぐに目を覚まし最初の一声が

「おやおや今は変った化粧が流行っているのですね」で有った

如何やらマーベリカの緑色の肌を指している様だ

マーベリカは新たに開発されたライフアップポーションを峻治から貰い

母親に飲ませると母親の目はキリッと見開き

たちまち元気になり立上がってしまったのだ

マ)(なっなんじゃこりゃ~~凄げぇ~~効き目)

*ライフアップポーション

年齢を十歳若返らせる元気印の魔法のポーション


べ)「残念だったなジョジョン

峻治様の得意技だ

お前達は完全に俺達の逆鱗に触れたな」

(ジェミョンは俺はジェミョンだと言いたいが

肺が切り離されているので返答も出来ないでいた)


ベリアルがそう云うと「ヒーーッ」と悲鳴を上げながら

ムンジェンが情けなく腰が砕け床には黄色い物が流れ出した


ベ)「なんだ此奴

臭いションベン垂らしやがって

それでも国王か!!

恥を知れーーーーー!!

情けない!!」


そして此処に

ムンジェン王国と大チョマンセ王国は永遠に地上からその名を消した

チョマンセ民族は他民族に対し

末端の市民や子供達迄もが虐待や虐殺に多数加わっており

異常さが特質していたため危険な民族と判断され

元本国の半島北部に巨大農地型収容施設を造り男女隔離政策が取られた

虐殺は法律上行わないが

実質的な根切り政策が取られる事になった

また外国に出ていた同民族の商人、外交官、旅人達は暗略部隊により

人知れず捕らえられ元チョマンセ王国に護送されて行ったのだが

他に問題が大きく表面化して来たのが

チョマンセ人の女達を捕えた時の職業だった

その数の多さも然る事ながら

実に八割以上が売春を生業とし

半数が性病に羅感していたのだ


其れが分かった時の峻治のコメントが

「ウワ~~

まんま地球と同じかよ」で有った

ベ)(んっ?地球?)


後年ムンジェン一族及び公爵家一族は

同じ収容所内の収容者達からバラバラに切り刻まれ

家畜の餌にされてしまった事件が発生した事を報告しておこう

周りにはムンジェンが直接雇用していた元役人や元兵士達も多数いたのだが

誰も助けに入る者は居なかったそうなのだ


其れが分かった時の峻治のコメントが

「ウワ~~

まんまマタ地球と同じかよ

まさか其処までするか~~」で有った

ベ)(んっ?地球?)



話しは大幅に変わり

翌日になり

旧ムンジェン王国とは外交関係の無かった

東隣のストリンガン帝国の冒険者ギルドに所属する

変な装備をしたSランク冒険者達が現れたので

関所で一事足止めをしているとの報告が上がっていた

気になった峻治達は関所に直接出向く事のなったのだが


シュ)「お前まで着いて来て良かったのか?」


マ)「国の首相は息子に任せました

今は小さな市や町の解放作戦で動き廻っていますが

それが終われば州都の初代代表として

民主主義を学びながら政務に就いてくれる事でしょう」


シュ)「ふ~ん」


ベ)「とっ云うか

お前の興味は冒険者が乗っていると云う変な魔道具の方だろ!」


マ)「まあ~そうだな

馬車五台分程の黒鉄の塊と聞いてるからな

それに戦時前から船をチャーターして有ったそうなんだ

ソヴルの港で運搬用の船が待っているらしいからな

全員Sランクの冒険者だとも聞いているし」


シュ)「まあ~確かに興味が湧く内容ばかりだな

俺も異なる物を是非見てみたいと思ってるしな」


ベ)「話は変りますが

此の山下黒汁は旨いですな~~

癖になる美味さです」


シュ)「それコーラって云うドリンクだから

然しそれを黒汁と表現するか~」


マ)「確かにこのコーラは旨い

生産が追い付かず大変だと山下さんが云っておりましたぞ」


シュ)「それもそうだが

未だ未だ飲める場所が限定されてるからな

電気が通ってる場所じゃないと販売出来ないんだよ

温いと不味いからな」


べ)「他にも色々なドリンクを開発してると聞きましたが

楽しみですな~~」


ボ)「我はコンポタと汁粉が好きだ」


シュ)「ボス達にもまた箱で買ってやるからな~」


ボ)「開けるのが大変で」


シュ)「そりゃそうだ

今の所は開ける魔法の訓練かゴーレムに頼むしかないんじゃないのか」


そんな事を話しながら東の関所に行くと

煙を吹く黒い機関車の様な車がが見えて来た

俺達が舞い降りると冒険者達には少し驚いた様だが

煙の正体は水蒸気の様だ


でも流石は全員Sランクの冒険者と云うか

歴戦の戦士なのだろうスグに平常心を取り戻した様で

俺達と会話をして来た


ファイウス)「俺はファイウスと云うSランク冒険者だ

黒の剣竜と云う名のパーティーのリーダーをしている

この俺達専用の戦闘車の事で衛兵に止められていたのだ

何とか通して貰えんだろうか?」


シュ)「通るのは構わんが

此の重量物だと街道自体が壊れるだろう

それだと国民達に迷惑を掛けてしまう

ん~困ったな

話しは変るがお前達は何処に向かう心算なのだ?」


ファ)「俺達は依頼を受けて

墓場島に向かう所なんだ」


シュ)「墓場島?」


べ)「此処から南東の約500K洋上に浮かぶ

巨大な墓場が多数存在する島です

其処にはバンパイヤーが存在するとも云われています

Sランクの冒険者でも危険な場所だと思います」


シュ)「へェ~~何か面白そうな話しだな

興味が湧いて来た」


マ)「あそこは駄目です

この冒険者達も生きて帰れるのか疑問ですし

だからこの様な黒い仰々しい物まで持ち込み

挑戦するのです

シュンジ様が其処に行くのは禁止です」


ベ)「俺もその意見に賛成だ

絶対行くの禁止です!」


シュ)「お前達二人が揃って反対するとは

益々興味が湧いて来たぞ

ボスは如何思う?」


ボ)「私は墓場島を知りませんが

シュンジ様以外で私が敵わないと思った者は居りません

ベリアルとマーベリカの二人が揃って避ける所に興味が有ります

是非強い敵と戦ってみたいもんです」


シュ)「分かった

俺も墓場島に行く!」


ベ、マ)「「エッーーーーー!!」」


俺は冒険者の魔導式蒸気車を収納にしまい

中型バスを収納から出し

ソヴルの港迄送る事にした

後ろでは何やらミーティングをしている様子だ

俺は大型ドローン三機で墓場島の辺りを偵察して貰う様連絡を入れ

ゴーレムに運転をして貰いながら俺達は仮眠状態に入った


ファ)「おいおい寝ちゃったよ

随分と戦い馴れしてる連中だな

おい、サイベラあいつ等の能力は如何だった?」


サイベラ)「驚かないで聞いて下さいよ

先ずベリアルさんとマーベリカさんですが

一人りに対し我々5人で挑んでも絶対勝てません

彼等二人はSSランクに近いレベルです

そして少年の武力レベルはファイウスとほぼ同等位ですが

魔力は5000以上だと思いますが全容が全く見えませんでした

私は5000までしか見る事が出来ませんし

たぶん私よりも遙かに上だと思います

そしてフェンリカと呼ばれる

フェンリルの上位種ですがレベルSSの2500以上で

シュンジ少年の角が生えたフェンリカはSSS以上の怪物だと思います

私も色々と諸国を回って来ましたが

この様な経験は初めてです

充分に危険な相手だと云う事を理解して下さい

見掛けに惑わされず相手を古代竜だと見る方が賢明です」


ファ)「・・・・・・・・・・・・・」

言葉を無くしてしまったファイウス


ファ)「まるで災害級じゃねえか!」


サ)「いえ!それ以上です

彼等がもし本気を出せば大陸全土が簡単に沈みます」


ファ)「それじゃまるで神じゃねえか!」


サ)「私もその意見に賛成です

とっ云いますか鑑定を掛けた事も見抜いていると思います

我々の魔導式蒸気車を簡単に収納してみせましたが

たぶんあれ位は容易い事なんだと思います」


ファ)「奴等を怒らせない様にしないとな」


サ)「それは大丈夫だと思いますよ

彼等の心は落ち着いており

充分に大人ですから」


ファ)「じゃっ我々は精神的にも修行不足と云う事か~?」


サ)「それも有るかも知れませんが

持って生まれた性質が元々違うのだと思います

例えるならば神に選ばれし者達と表現した方が適当だと思います

私は今回の仕事が済んだら暫く此の地に滞在しようかと考えています

この考えは此のパーティーメンバー全員にもお勧めします」


ファ)「分かった俺も考えておくとしよう」


サ)「その方が賢明です

私達は彼等を追えばもっと強くなれるのかも知れませんよ

たぶん?」





=========================


 後書き


暫し電波が届かない所に移動になりますので

更新が遅くなると思いますが宜しくお願いします<(_ _)>


次回は「墓場島」を予定しています

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