第21話 サトラシカ領割譲


 一方此方は捕えられ気が付いたダランチュラ将軍


兵士)「オイ!!

起きろ!!デブ!!」


ダランチュラ)「んっ!?何じゃ朝か!?」


兵)「何に寝惚けてる!

サッサと起きて歩け!!」


ダ)「何じゃ此れは!!」


兵)「五月蠅い!!

サッサと鎧を解いてパンツ一枚になれ!!このバカダルマ!!

ん!?お前、何かメチャメチャ臭いな!風呂入ってる?」


此の若い兵士達はバレバンの街に仕事を求めやってきた

ブラダリア王国の東の外れの村の少年達の中の一人だ

それをラベリアさんが全員を紹介してくれたのだ

まさか見習いの新兵が自分の出身王国の人間を護送するとは

夢にも思わなかっただろう

だが彼等は全員を採用してくれた事にとても感謝していた

入隊時に支度金として全員が銀貨10枚を渡したら

半分を村に送金する様な優しい子達なのだ

新入隊員には他に下着や戦闘服に儀礼用の制服等を渡し

訓練をしている最中だった

それが人手不足のため特別にミサイル艇に乗り込んでいたのだ

彼等新兵の月の給与は金貨1枚と銀貨6枚で税として

二割が引かれる条件で入隊している

村に居た頃と比べ破格の待遇なのだ

十五歳で成人してから国の街道補修工事で徴用された時は

飯も出ないのに銀貨二枚で半分を税金として持って行かれ

世の中こんなもんかと思っていたそうだ

但し此の王都にも出た事も無い少年が

ダランチュラ将軍を知る由も無い


ダ)「貴様ーー!!

何をやっとる!!

儂を誰だと思っておるのだ!!」


兵)「余り騒ぐと首輪が絞まるよ

如何でもイイからサッサとして」


ダ)「グゥ~~~~~ッ!」


兵)「だから言ったでしょ

サッサと云われた通りにして」


こうして将軍やアマビリアさんの姉も一緒に捕縛されてしまった訳だが

後に此の姉はとんでもない個人的トラブルを招く事になる



一方話は元に戻り

此方はサトラシカ港を目前にして

港から目視不可能な岬の陰に潜み停留する艦隊

攻撃は明日の朝からする事になった

それは今攻撃しても暗くなり夜陰に乗じ逃亡される恐れも考えられるからだ

その日峻治は初めて船上で寝る事になったのだが

二時間程経過すると自分が海上にいる事を理解し始めていたのだ

最初は移動に依る興奮が揺れを麻痺させていたが

ゆったり寛いで居ると緩やかな揺れを感じ始めていた

300m以上の空母でも揺れると云う事をベットの上で理解したのだ

しかし心地よい揺れで直に睡魔に襲われ意識をてばなした


翌朝夜明け前に俺は元気に目を覚ましたが船酔いはしてはいない様だ

そして朝食後軍艦マーチと宇宙戦艦マーチを交互に大音量で流しながら

艦隊は港に侵入し港街サトラシカを騒然とさせた

まあ音楽等聞いた事も無い人々が初めて聞くのだから

艦影と突撃マーチが悪魔の雄叫びに聞こえた事だろう


サトラシカを受け持つ代官は兵を非常呼集で集め

海上から見える港の位置に配置し

艦隊の出方を見守るが

護衛艦の砲が動き代官所の一番高い位置にある見張り塔を砲撃し

爆発炎上させ初めての死者が出たのを合図に

他の護衛艦隊は港両サイドの海岸線の大岩を次々と威嚇砲撃し

大岩は次々と爆発を起し跡形も無く崩れ去った

それを見た代官は兵士達に気付かれぬよう

自分達だけで王都に避難する事を決心したのだ


次に空母艦隊から飛び上がった攻撃型ドーロンが

港の兵士の頭上まで飛び降伏勧告を繰り返し放送し

反骨心を挫く策にでると

放送に促されたのか港で待ち構えていた各部隊は

白いシーツを長槍に通して武器を手放し

反撃の意思が無い事をアピールし始めるのだった


そしていつの間にか消えた代官や貴族達は

カネや貴金属類を馬車に積み込み王都を目指し馬車を走らせるが

王都に向かう街道はすでに閉鎖され

ミスリルゴーレム隊が大挙して待ち構えていたのだ

そしてその逃げる様子は峻治が先に港入りをしており

収納から出されたトラック部隊のオーロラビジョンに依り写しだされ

兵士や民衆を囮にして逃げ出した事が一目瞭然となり

民衆達から大変な怒りを買ってしまったのだ


次にミスリル隊を中心とした装甲車部隊500台が

馬車で三日の距離に有る王都を目指し高速で進軍を開始した

余りの速度と音に道行く馬達は驚き道を反れ

馬に引かれている馬車は草地に脱輪してしまっていた

そして護衛艦からは王都の王城の天守に対し

炸薬の量を減らした魔導SMCが発射され

天守が爆発を起し王都は混乱に陥ってしまっていた

其処に攻撃型ドローンが大挙して押し寄せ

日乃本に奇襲攻撃を仕掛けた事を理由に

降伏し賠償とサトラシカの割譲を行うよう放送が繰り返されたが

当然それを拒否し

後着した装甲車部隊500台が王都の城壁を取り囲み

東西南北の重厚な四つの門が35mm機関砲に依り

瞬時に破壊されその機能を失ってしまったのだ


国王)「如何云う事だ!!

日乃本の攻撃と聞いたぞ

真かダランチュラの奴が早々に負けたのか!?

直に勇者パーティーに非常呼集を掛けさせろ!!」


その後国王は皇太子や家族、近衛兵、勇者パーティーと共に

一番高くて広い南の城壁に集まり

自分達の目で敵の外容を把握したのだ


国)「何じゃアレは!?

緑の外殻を持つ甲虫なのか!?

恐ろしい魔物達だ

日乃本とは魔物使いの国なのか?」


皇太子)「そうと分かれば簡単ではないですか

魔導士と勇者連合で片付ける事が可能だと思います」


国)「まあ~云われてみれば確かにそうじゃのう~

一般兵達が普段魔物達を相手にする訳では無いので簡単に敗れ去るわな

魔物と分かれば此方のもんじゃ

勇者達よ!

王宮魔導士を引き連れ魔物達を全て討伐せよ!!」


勇者)「おいおい

アレ本当に魔物なのか?

俺には魔道具の変わったチャリオットに見えるぞ」


王宮魔導士)「まあ命令ですので仕方ありますまい」


勇)「まあ確かにそうだな

宰相!!

此れは別料金だから宜しく頼むぞ!!」


宰相)「承知!!」


勇者達は城壁の上からひらりと地面に飛び降り

魔導士達はゆるりと城壁から飛び降りる

その数25


其処に丁度フェンリカ達に乗った峻治達が大空に現れる


シュ)「おっ!

何か面白そうな場面だぞ」


ベ、マ)「「全くです」」


シュ)「指揮ばかりで俺達暴れる機会が全然無かったもんな

偶には暴れたいよな

良し!!一丁やってみますか!」


ベ、マ)「「俺達だけでやりましょう」」


勇)「何だ~~?

変なのが団体で降りて来たぞ」


勇者エリカ)「三人と三匹

内一人は子供?

此の面子で私達とやる心算かしら」


シュ)「あ~ぁ

その心算だよ」


エリカ)「まあ~可愛いのに

生意気そうな坊やね

私達は世に知られる勇者パーティーハイパードラゴンよ」


シュ)「何か知らんけど

弱い奴程ドラゴンと名乗らないか?」


ベ、マ)「「うんうん」」とっ二人同時に首を縦に振る


エ)「何!!

アンタ達なにシンクロさせてるのよ

気分が悪いわっ!」


シュ)「おい!弱き勇者!

お前達5人はこっちの5人が相手をする

残りの魔導士らしき20人は全部俺が頂く

反論は認めん」


勇)「何だとーー!!」


エ)「まあ良いじゃない

後からシッカリお仕置きしてあげれば」


シュ)「とっ云う事で

能力の低い似非魔導士諸君

纏めて掛かって来なさい」


魔導士達)「「「「「何だとーー!!」」」」」


魔)「小僧の分際で生意気な!

小僧一人に纏めてファイヤーボールを浴びせるぞ!

放てーーー!!」


俺は迫り来るファイヤーボールの数々を瞬時に収納


シュ)「あれ?

もう~終わり?・・・・・

じゃっ返すよ」


魔導士達の眼前にファイヤーボールが行き成り現れ

顔面を直撃して魔導士達は意識を手放したので

俺は倒れた全員に隷属の首輪を嵌めて行き

収納からテーブルとイスを出し

紅茶を楽しむ事にした


シュ)「勇者達も頑張れーーー!

奴等は強いぞ(笑)」


勇者は剣の勇者

槍の勇者

盾の勇者

弓の勇者

魔法使いの勇者達だったが

全員が押され気味なのだ


勇)「こっ此奴等強いぞ!!」


エ)「なんで私が犬コロに押されるのよ」


シュ)「頑張れーー!」俺は手を叩き勇者達を応援する


ベ)「何か此奴等弱過ぎないか?」


マ)「全くです

余りにも弱過ぎますね」


勇者達は5分と持たず息が上がり始めていた

此方のメンバーは何か物足りなそうな感じを顔に出し始めていた


ボス)「初めて勇者と申す者と対峙したが

詰まらん!

ベリアル殿マーベリカ殿

もう終わらせるぞ!」


エ)「犬コロが喋った!」


次の瞬間勇者達の前から消えたと思ったら

勇者達全員の意識が刈られてしまっていたのだ


国)「勇者と魔導士の連合が簡単にやられたぞ!

如何するのだ」


皇)「お待ち下さい父上

我が方には未だワイバーン隊、重装甲騎馬隊及びチャリオットが有ります

御安心召され!!」


その後王都守備隊とワイバーン隊、重装甲騎馬隊とチャリオットが連携して

反撃に出るも

魔導装甲戦闘車に配備されているパラライザーの一斉掃射を受け

短時間で全員意識を刈られ壊滅してしまったのだ


俺は風魔法で国王達の前に飛んで行き

着地してニコリと笑顔の挨拶をしたら失礼にも全員が経たり込んでしまった


後着したベリアルが

「物足りませんな!

代わりに此奴等をイジメても宜しいですか?」

と発言したら全員が涙目になり

土下座をし始めて如何やら全てが決着した様だ


俺は宰相と話し合い

自治権をを認める代りに此方の条件を述べた

*貴族を半減させ税率を四割にする事

*サトラシカ領を日乃本領とし永遠にブラダリア王国は自領とは主張しない事

*奴隷の保有を禁止し新規購入及び持ち込みの禁止

*犯罪奴隷の場合は容認するが正悪の水晶を通した者に限る

*今王都に居る購入済みの奴隷全員の引き渡し

*我々が引き上げた後奴隷を持ち出そうとした場合首謀者を引き渡す事

*軍隊は自衛軍とし侵略行為自体の禁止

*現在保有するブラダリア王国捕虜を適正価格で買い取る事

*物資の輸出入は100%日乃本経由とし他国との取引を停止する事

*難民の保護を優先的に行う事

*獣人、亜人、魔人等人種差別の禁止

*王家は存続させるが無駄使いを禁止し日乃本の会計監査を受ける事

*出来ればゆっくりと民主化を推し進める事(無理強いはしない)

*城内及び市街地に日乃本の大使館を設置する事

以上を王権を認めつつ条件を出したら即答されたので

後日役人同士が調印資料の纏めを行い国交正常化を図る事にした


シュ)「さあ~帰って

ムンジェン王国の討伐準備だ」


尚サトラシカの代官は臨時代官として

アマビリアさんに暫くお願いする事になった

尚補助として

山下さん達の仲間の未来人二人を派遣して貰う事に為ったのを付随して置こう





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 後書き


修正は後日行います

次回は日本の国旗を目指す者達や

物語の中で省いてしまった者達の事等を書いてみたいと思います

宜しくお願いします<(_ _)>

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