第20話 侵略者討伐

 

 〖**ここで時間軸は18話の最後の部分と繋がります〗


俺とベリアルとマーベリカの三人は

未来人五人が騎乗するフェンリカ達と入れ替わり

空母ドルサート依りボス達と発艦し

高速でドルサート港を目指した

尚未来人五名は市長代理や民主主義を伝える者の役目として

山下さんが直接選びだし送り込んでくれた五人組なのだ


そして俺達はホスト電算機ゴーレムが居る

港湾管理棟の地下三階に短時間でたどり着いた

ホストゴーレムはコンピューター型のゴーレムで

山下さん達の意見がふんだんに取り入れられた

移動能力を持たないゴーレムなのだ

その分情報処理能力が優れており

今回集めた情報から危険と判断し非常呼集が掛かった

将来山下さん達のマザーコンピューターと此のゴーレムは

オンライン化する予定だが

未だ其処までの時間は取れてはいない


俺達は忍者ゴーレム達から情報を集めホストゴーレムが分析した

録音データを聞かせて貰い状況を判断する事にした


シュ)「成程!

流石は将軍と云う訳か

少ない情報の中から俺の存在を認識したんだな」


ベ)「このバカ将軍は好戦的で要注意人物と

報告が上がっておりましたが

早速ですか」


シュ)「そうだな

ムンジェン王国は暫し延期して

此方を先に対処しよう

全員捕縛して犯罪奴隷200年の刑だな」


ベ)「それだと終身刑なのでは?」


シュ)「いや

数字を入れた方が少し刑が軽く見えるでしょ(笑)」


マ)「将軍は将来国でも興す心算なのでしょうか?」


ベ)「いや

乗っ取りかも知れませんよ」


マ)「そうですね

とても他人事では有りません」


その日民間船区画には大量の民間船が押し寄せ始めていた

如何やら噂を聞き付け見物にやって来た様だ

西の波止場の1-AB区画は防衛隊の海軍基地になっており

一般人の立ち入りは出来ない

北側を迂回する遊歩道を使い

新たに新設した砂浜に見物客が大勢訪れていたのだ

砂浜と森の間には約一万坪の広場が設けられており

水洗式の公衆トイレや簡易水場が幾つも設けられ

キャンプがし易い様になっているのだ

其処に単眼鏡を持ち海戦の見学に大勢の人達が集まっていた

此処から西を見れば距離は有るものの直接見る事も出来るのだ

港街ソヴルの無血陥落の報は伝書鳩や魔道具の伝達等で伝わり

各港に大勢の見物客が訪れ

各港の空いている船は乗船者を集め

民間船区画に送り届け特需の様な感じで稼いでいたのだ


其処に山下さんのグループや獣人、ゴブ人、顔見知りの冒険者達が協力し

西の砂上公園に屋台を出しお祭り状態になり始めていた

其処にラベリアさん達のギルドの面々も協力のため合流し

益々盛り上がり始めていた

そして未だ小型のクラーケン等が退治されていないので

フェンリカ達が砂上公園を取り囲み警護に当たっていた


山下さん達は車上に乗せた大型オーロラビジョンを何台も設置し

画面の周りには人だかりが沢山出来ていた

ソヴル陥落から僅か一日にして此の人だかり

此の世界の人々達は相当娯楽に飢えているのかも知れない


そして其れは本来の敵国で有るブラダリア王国人ですら呼び寄せていたのだ

それは自分の勝利を決して疑わないでいるダランチュラ将軍が

国民に対し前以て大々的に宣伝していたのも大きい

なのでブラダリア王国民も他国民を装い大挙して押し寄せ始めている


各国の見物客は初めて見るオーロラビジョンに興奮し

財布の紐が緩み屋台は大盛況だ


どの屋台も行列が出来

酢蛸、茹蛸、蛸串、サーペント焼き、鯨竜ステーキ、ジュースに酒

焼きそば、たこ焼き、トウキビ、綿あめ等々

正にお祭り騒ぎだ

そして船が着く度にその人数は続々と増え始めていた


またオーロラビジョンにはドローンで撮影される

海上の様子や防衛隊艦艇、ドルサート連絡橋、ドルサート島等が

ライブで見る事が出来

どよめきを持って観客達に受け入れられていた


観客)「あっ!!俺の顔が写された」

「私の顔も写されたは!みなさん!ワタクシの美貌をシッカリ見なさい!」

「動く魔導鏡とは凄いぞー!!」

観客達は嬉しくて仕方が無い様子だ


そしてやがて暗くなり始め

オーロラビジョンで異世界昔話しが始まると

辺りは静まり返り昔話に全員が熱中し始める

話しが終わると全員の拍手が鳴り止まなかった


山)「お~凄い人気だな」


伊藤)「屋台の売り上げも凄いですよ

今日の昼間の行列は凄かったですね

何か夏祭りを思いだしましたよ」


山)「いや~実は僕もなんだよ

今度は盆踊りも企画してみないか?」


伊)「大賛成です」


山)「それ依り聞いたか

敵国のブラダリア人が観光客の大半を占めているらしいぞ」


伊)「らしいですね

何でも敵の将軍が何日も前から宣伝していたらしいですよ

日乃本でなければ捕らえられているのでは?」


山)「まあ~其処が峻治君らしい所だな

金を払い犯罪者でなければ即受け入れると発表したからね

それに控え敵さんは負ける心算は一切無いようだね」


伊)「しかし凄い自信だ(笑)」


ホテルは二つ有るが全部満室で

大型テントを使い臨時の宿泊所を作り対応したが

反省点の一つかも知れない


ブラダリア海軍は明々後日の到着予定だが

それも風次第だろう

まあ~俺達はそれまで観光客を受け入れ

小銭集めをするだけだ


やがて時は過ぎ

西の海域約100K上にブラダリア王国海軍の姿が認められたのだが

何と将軍様はギャラリー船を二隻随伴させている様子なのだ

自分の海軍の勝利する姿を余程見せ付けたい様だ

全く持って呆れてしまった


話しは変わり時は四日前の夜に遡る

此処はアマビリアの屋敷の応接室だが

王都の貴族に輿入れした姉のロノビリアが久々実家に顔を出していた


ア)「お姉ちゃん

将軍に着いて行くのは止めて!」


ロ)「何を言うの貴女は

私は後方からダランチュラ将軍艦隊の勝つ姿を見るだけよ」


ア)「ダランチュラ将軍の艦隊は簡単に負けるわ

絶対に勝つ事は無いわ

お姉ちゃんは殺されはしないと思うけど捕らえられるわよ」


ロ)「貴女は頭が可笑しいの?

将軍が本当に負けるとでも思ってるの?」


ア)「お姉ちゃんは信じないかも知れないけど

彼等は神の如き軍団なのよ

それに保釈を嘆願してもお姉ちゃんの男爵家は保釈金を出さないと云うか

出せないんじゃないの?」


ロ)「貴女には分からないかも知れないけど

私は特別な存在なのよ

お金に困る事も無いし

ダランチュラ様が負ける事も無いわ

もう~不愉快だからホテルに戻るわ」


如何やらアマビリアの心は

姉には届かなかった様だ

父の帰りを待たずしてホテルに帰ってしまった


さて時系列は再び現在に戻り

今まさに日乃本海軍が出港しようとしていた

其処に山下さん達が開発した薄型の大型スピーカーが幾つも船体に貼られ

軍艦マーチと宇宙戦艦マーチが大音量で流されていた

観光客に対し一つのサービスとして提供され歓声を浴びていたのだ

しかし敵国の観光客も随分と余裕が有るものだ


「おっ!!海軍様の出発だ随分とバカでかい船だな」

「デカければ良いと思ってるのかもな」

「弱い奴程自分を大きく見せたいもんさ」

「随分と大きな音楽だな、魔道具か?」

「日乃本は何でも大きくしたいのだろ」

「自分達が負けるとも知らずに出かけるとは哀れなもんだな」

「おやおや勢い良く出て行ったがもう停船かよ?」

「恐ろしくて近付けないのだろう」

「全くだ!!お気の毒様」


日乃本艦隊は観客のためブラダリア艦隊1K圏内まで近付くのを待つ事にした

空母からは攻撃型大型ドーロンゴーレムが飛び上がり警戒監視を行う


シュ)「如何やらワイバーン隊は出て来ない様だな?」


ベ)「アレは本国の要ですから

滅多に出て来ないと思いますよ

それに竜母艦も持っていないのではないでしょうか?」


シュ)「しかしダランチュラも目立ちたがりと云うか

馬鹿で助かったな」


ベ)「まさか戦闘地域に自国の観客まで連れて来るとは

正気の沙汰とは思えません

それも自国の貴族の女達ばかりですよ

他者を巻き込む真剣な馬鹿を初めて見た様な気がします」


シュ)「では第二艦隊が逃げない様に回り込んだら

予定通りマストのみ砲撃で破壊

その後空中ゴーレムで未来人のパラライザー攻撃

以上だ!」


やがてブラダリア艦隊が予定海域に到着すると

護衛艦群の砲撃が始まり

マストのみが破壊され航行不能に陥り敵艦の船上は大騒ぎに


ダランチュラ)「何じゃ!!

魔導砲の攻撃か!?

何をしておる此方からも魔導士にファイヤーボールを撃ちこまさせろ!!」


兵士)「無理です!!

あんな距離届きません!!

それにもう全艦隊やられてしまいました!!」


ダ)「何だとーーーーー!!」


後方から見学していた

ダランチュラの乗る見学艦隊も続けてマストを破壊され

船上は貴族の女達の悲鳴で混乱を来すと

ドローン型ゴーレムからパラライザー攻撃を真面に受け

全員が気を失い

全長60m級のミサイル艇が急行し

全員隷属の首輪を嵌められ御用となった


それを見ていた見物人達は呆気に取られ

言葉を無くしていた


「しゅっ!瞬殺!?」

「・・・・・」


オーロラビジョンには選り詳しく高感度カメラで撮影された

映像が繰り返しながされ

『哀れな国の馬鹿が約四千匹捕獲されました

彼等は全員鉱山奴隷として販売されますので

御入用の方は港湾管理事務所迄御一報下い

予約受付を行います

更に攻撃をして来たブラダリア海軍の母港

サトラシカ港は戦闘地域になるため

近付かない様お願いします』と何度も繰り返し放映されたのだ


自称他国民のブラダリア王国人達は

青い顔をして管理事務所に飛び込んで質問を繰り返していた


受付嬢)「何故そんな事を御気になさるのですか?」


観戦者)「いえ、親戚が住んでおりますので」


受)「御親戚の方達にはお気の毒ですが

たぶん瞬時に日乃本軍に降伏するでしょうね

なので近付くと奴隷にされる可能性が有りますので御注意下さい」


観)「・・・・・」


観戦者達は如何した事なのでしょうか

卑怯な奇襲攻撃を態々攻撃して来たのは自国の兵士達なのに

いざ負けてしまうと元気を無くし

言葉を失ってしまった様です


日乃本艦隊は其の侭全速でサトラシカ港を目指していた

たぶん3時間程で到着し

砲撃される事になるのだろうか?

暗くなると事故防止のため一旦砲撃は止むかも知れないが


サトラシカ港を目指す艦隊は

空母×3護衛艦×10ミサイル艇×20の都合33隻である


シュ)「アマビリアさんのお父さんは元気かな?

民間人に被害が及ばない様にしたいね」


ベ)「領主邸のみを砲撃して

後はドローンによる恫喝で如何でしょうか?」


シュ)「そうだね

それが無難かもね」


ベ)「後は地上兵力により

王都や他国に行く街道は封鎖致しましょう

下級貴族が真っ先に逃げ出すでしょうからね」


シュ)「山下さん達の取材ゴーレムの

好い材料になるね」


ベ)「新聞の発行とお聞きしましたが

そんな取材をして売れる物なのでしょうか?」


シュ)「たぶん馬鹿売れすると思うよ」


そんな話をしながらも艦隊はサトラシカ港を目指す





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 後書き


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