第18話 戦争をしたい将軍

 

 俺達が病院から表に出るとボスとアスが待っていた

ボスはあれからもうワンランク進化してSSS5000オーバーで

頭に竜の様な角が生え容姿も依り精悍な顔付に変わっていた

アスはそのままSS止まりだったが

アマビリアは突然眼前に現れた二頭の姿を見て腰を抜かしてしまっていた


シュ)「だっ大丈夫ですかアマビリアさん

驚かせてしまったようですね

すみません

二頭共大人しいので安心して下さい

今からボス達に乗ってアマビリアさんの家迄行きますので

背中に乗って貰う事になりますので落ち着いて下さいね」


ア)「だっ大丈夫です

す少し驚いただけですので

ボスは何と云う魔物か動物なんですか?」


シュ)「狼の仲間で森の聖獣ギガンティクフェンリカです

ドラゴンと同等の力を秘めています

だぶんアマビリアさんのお家まで30分も掛からないで飛んで行きますよ

まあ移動時間も入れて今から二時間程で治療を終わらせる心算です

俺も余り時間が無いので急ぎましょう」


ア)「ハッハイ!

分かりました」


俺とアマンダさんがボス

護衛のベリアルが単騎でサトラシカを目指す

距離にして300K以上だ

フェンリカは身体に結界を張り空気抵抗を減らし

なるべく空気抵抗の少ない高空を飛行する


ルーデンシア王国とブラダリア王国は正直余り仲が宜しく無いと云うか

此の世界は隣国同士は余り仲が宜しく無いが正しいだろう

なので俺達は余り目立たぬ様に隠蔽魔法でサトラシカに潜入する

そしてアマビリアさんの屋敷の上空に来たら

其処から直滑降で地上に降りる予定だ


ア)「何故奴隷の人数を御存知なのですか?」


シュ)「それは前々から

色々な方法で調査していたからです」


ア)「でも奴隷達を解放しても

余りお金にはならないのではないですか?」


シュ)「ま~あ其れはそうですけど

同じ人間が人間を奴隷にするなんて異常ではないですか

その様な考えの人物達とは仲良く出来ませんからね

まるで物語に出て来る文明の低い蛮族ですよね

それに俺の相棒のベリアル達がそれを望んでいますからね

俺は彼の考えを支持する者の一人なのです」


ア)「そうなんですか・・・・・」


シュ)「あっそれと

準備資金として後程光金貨1万枚をお渡ししますので

有効利用して下さい

馬車のチャーターや食料等にお金が掛かるでしょ

なるべく丁寧な保護をお願いします」


ア)「そんなにも多くの準備資金を

頂けるのですか

残りましたらお返しさせて頂きます」


シュ)「いいえ

返さなくても大丈夫です

その代わり貿易関連で優遇して頂ければと思います」


ア)「ハッハイ!

分かりました

(この少年は本当に12歳なのか?)」


そうこうしてる内にアマビリアさんの案内指示で

屋敷の上空に到着していた

そして直接庭に舞い降り俺達は父親の元に向かった


父親の寝室に入ると綺麗だったが

やはり異臭がしたので俺は堪らずクリーンを掛けた

そして鑑定を掛けて父親を見るとやはり橋元さんの見立通り

末期の肝癌だった


シュ)「やはり末期の肝癌ですね

先ずは此のポーションをゆっくりと飲ませてあげて下さい」


ア)「このポーションは一体?」


シュ)「S+ポーションです

完治させるには此れしか有りません」


ア)(噂では聞いてはいたが

Sランクポーションとは驚きだ

それもS+とは存在自体が最早伝説級なのでは?)


ポーションを飲ませると少し身体が輝いた様に見え

どす黒く変色していた身体が普通の肌の色合いの変化し

暫くすると父親に笑顔が戻り

黄色かった眼球が白さを取り戻していた


シュ)「アマビリアさん

次はこのポーションをお願いします」


ア)「此れは?」


シュ)「Lpポーションです

弱っている身体や内蔵器官等を回復させます

二三日で元の様に動ける様になります」


親子を引き剥がす様で悪かったが

暫し親子の歓談をさせてから

アマビリアさんを連れ港に引き返す事にした


シュ)「悪いねアマビリアさん

もう少しゆっくりさせたあげたかったが

俺達は紛争を抱えているので

準備をしないといけないんだ」


ア)「紛争ですか

一体何処とですか?」


シュ)「まあ~何れ騒ぎになると思うから話すけど

東の港街ソヴルを支配するボーリス家のブナイクから攻撃を受けんですよ

それの対抗処置としてボーリス家を滅ぼし

ソヴルを実効支配する心算です

明後日には海軍を主体に軍を動かします」


ア)(あの巨大な鉄艦隊が動き出すのか

時間が有れば私も見てみたいもんだ)


アマビリアは他人事の様に思っているかも知れないが

元気に為り現場復帰した父親の事が噂となり

彼女はとんでもない戦闘狂を炙り出す事に成ってしまうのだ

時は過ぎそれはアマビリアの父が現場復帰をした翌日の事だった


此処はブラダリア王都の王城城内

其処にアマビリアの商会とライバル関係にある

ストラング商会の会頭アシカ・ストラングが

将軍ダランチュラの元を訪れていた


ダランチュラ)「如何したアシカ

急用と言うではないか」


アシカ)「それが・・・

ホインシアが元気に現場復帰をしました」


ダ)「何だと!!

死病の種の植付けが上手く行き

明日をも知れぬ状態と報告が上がっておったぞ!」


ア)「それが間諜の報告によれば

子供の様な薬師か錬金術師をアマビリアが連れて来て

その後容体が急回復したようです」


ダ)「だとすると

Sランク以上のポーションが使用されたかも知れん

Sランク以上のポーションは別名エリクサーと呼ばれ

ダンジョンの地下深くでしか手に入らんのだぞ

それを使ったのか?」


ア)「其処までは分かり兼ねますが

恐らくそれに近い事が起こったと存じます」


ダ)「ん~~

それが事実だとしたら

その小僧を捕えればキリスタの生意気な連中に

一泡吹かせれるやも知れぬの~

至急内容を調べさせろ

最悪ホインシアは無理でも

その側近達なら捕らえる事が出来るだろ

捕らえて全てを吐かせろ

俺がギスガス組と代官に話しを通しておくので

必要なら奴等を使え」(グッフフフッ

儂がその錬金術師かも知れぬ小僧を手に入れれば

横柄なキリスタの連中にデカい態度は取らせない

世の中はポーションを制する者が世界を制するのだ

国王に話しを付け軍拡と侵略だ

チャリオットと戦艦を大量に造らせ世界の覇者になる

儂も益々有名になるのう~~)


それから数日後

王城を再び訪れたアシカ


ダ)「おお~!!

待っておったぞ

でっ何か分かったか?」


ア)「ハイ!大体の事は分かりました

如何やら骸骨島に新しい国が建国された様で

その小僧が国の代表だと云う事が分かりました

その国の名は日乃本国と云う国名で

海軍力が凄いと云う話です」


ダ)「ほう~あの辺鄙な骸骨島にか

では我が海軍を差し向け

一気に占領してしまおう

儂は早速準備を始めるので吉報を待っておれ」


ア)「行き成り攻めても

大丈夫なのでしょうか?」


ダ)「あ~ぁ大丈夫に決まっておろう

我が艦隊は西方一なのじゃ

それにのう~建国したばかりの蛮族の島等物の数では無い

兵士達にも大いに奴隷狩りを楽しませてやらねばのう

国王にも既に話は通して置いたので

十日もしないで準備が整うじゃろ

久々の海戦じゃ

胸が躍るのう~

儂も観戦に出るぞ

楽しみじゃっ!」


ア)「それでは

捕らえた者達の払い下げを全部私にお願いします」


ダ)「おうっ!

任せておけ!

全部奴隷としてお主に渡してやるぞ

新興国とは云え国自体の討伐だ

今回は奮発して貰うぞ」


ア)「お任せ下さい!

たっぷりと甘い汁を御用意致しますので

それとは別に亜人の初物エルフ達を用意しております

中々の品で全員絶世の美女揃いで御座います

既に閣下の寝所に待機させておりますので

御存分にお楽しみ下さればと」


ダ)「流石はアシカじゃっ!

分かっておるではないか

今から得と楽しく頂くとしよう」


ア)「此れは此れは気が御早い」


ダ)「儂のビックな剛剣でエルフ討伐じゃっ!」


それから直にダランチュラは海軍と陸軍に指示を出し

兵糧等がストラング商会から大量に購入され

艦艇の出撃数は50艦と決まり

陸上兵力も二千人以上が動員され

同乗し日乃本に送られる事になったのだ


ア)「我が商会独占の納品じゃっ

全く笑いが止まらぬのう~」


その夜サトラシカの港にアマビリアと一緒に日乃本を訪れていた

三艦の内の一人の船長が水面に浮かんでいたが

代官に事故として強引に片付けられてしまうのだった


しかし此の一連の動きは

早々に峻治の知る所となる

峻治は忍者型小型ゴーレムの間諜を周辺諸国に相当数放っており

情報は電算型ゴーレムに送られ集約分析されていたのだ


ベ)「このバカ将軍は好戦的要注意人物と

報告が上がっておりましたが

早速ですか」


シュ)「そうだな

ムンジェン王国は暫し延期して

此方を先に対処しよう

全員捕縛して犯罪奴隷200年の刑だな」


ベ)「それだと終身刑なのでは?」


シュ)「いや

数字を入れた方が少し刑が軽く見えるでしょ(笑)」





◇――――――――――――――――――――◇


 後書き


急いで次回作を書き上げております

次回作は(仮)ボーリス家の終焉の予定です

宜しくお願いします<(_ _)>




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