第17話 商業ギルド代表の来訪

 翌日になり

俺は大量の馬車を作りだした

総数は何と2000台だ

此れは進化をさせ攻撃型車両やその他周辺車両を作り出すためだ

俺には兵士らしい兵士がいない

今居る獣人やゴブジンやフェンリカや未来人達を危険に晒す訳には行かないのだ

俺の主要な兵士達はゴーレムなのである

彼等は修理や新規生産が可能な命無き非生命体なのだ

それでも壊されてしまったらやはり悲しい

なので戦闘車両を大量に生み出せば危険頻度が下がる

仲間が増えるのは構わないが減るのは勘弁だ


今日は昼前に全てのリフォームを完了させ

昼食後俺はゆったりとしていた


シュ)「あ~あっ

たまに珈琲が飲みたいな~」


山)「コーヒ豆なら発芽用に保存して有るぞ

それにカカオやナツメヤシも有る」


シュ)「本当ですか山下さん!」


山)「でもな~気候を確認したけど

此処等辺りは真冬になると30cm位雪が降る様なので

ちょっと大規模栽培は無理かな~?」


その時鑑定から連絡が入った

俺の脳細胞を覗き味の記憶を検索し分析し代用品を考えてくれた

麦焦がし(はったい粉)や濃く煮出した麦茶

たんぽぽの根を焙煎した物等が珈琲の代用品に成り

米があれば「玄米」を焙煎するとほぼ珈琲に成る

但しカフェインは含まれていない様だ


山)「高地に行くとコカが有るかも知れないが

常習性が高いので余りお勧めはしない

でも少量加える分には良いのかも知れないな」


シュ)「成程!

しかし色々なアイデアが有るもんだな~

山下さん南の暖地に無人島が固まって有るんですよ

今戦闘系の問題を抱えているので

一段落付いたら探検に行きませんか?」


山)「好いね~

一度此の世界を探検してみたかったんだよ」


そしてまたもや鑑定から話が来た

如何やら温度管理はダンジョン核が得意で

疑似太陽も造り出せ

テイムすればダンジョンの支配が可能な様だ


シュ)「山下さん

ダンジョンコアが気候管理が出来る空間を造れる様だよ

それに太陽光線も造りだせるらしいぞ」


山)「ほう~そんな物が存在するのですか

実に興味深い秘密を探りたいもんです」





それから時は経ち六日後の午前10時くらいの事だった

既に国名は日乃本と名付けられ

日章旗と旭日旗が国旗として採用され

前日から領海を主張するための警戒警備行動を行っていた

日本の国旗を採用したのは

他に転移者や転生者に向けてのアピールと云う側面が大きい

そして港は護衛艦隊が令和クラスまで進化

漁船は20m級高速船に進化

30mクラス以上のクラーケン等の魔物にも瞬殺対応

大型客船、貨物船、砕氷船、探査船、採収船等様々な船に進化し

其々決められた場所に係留されていた

そして沿岸警備艇5隻が西の海上にて

初の侵入帆船を3隻を足止めし

臨検を行なおうとしていた


船員A)「何だあの高速で迫って来る

船の様なものは!?」


其処にドローンが現れ

メッセージを音声で伝える

『我々は沿岸警備隊だ

貴船三隻は我が国の領海との接続水域に近付いている

所属国及び港と要件を述べよ』


其処にアマビリアが登場して


アマビリア)「私はブラダリア王国

サトラシカ商業ギルド所属のアマビリアです

貴国に向かうのは往来の許可と貿易と補給の為です

宜しくお願いします」


『了解した他国船係留所3-Bに案内する

一号艇が引率致します

船壁に書かれている1に着いて行って下さい』


ア)「了解した

案内感謝致します

よ~しみんな

一号艇に続け!!」


アマビリアは少し感動をしていた

空を舞う喋る羽虫

帆も無いのに高速で走る統一された色の船群

濃いブルーの制服とオレンジ色のベスト

顔を全部覆うブルーの仮面を被り規則正しく動く警備員

此処まで統一された国は他には無い

若しかして父を助けるための新薬が有るかも知れない

優秀な薬やポーションを造れる魔導士や錬金術師が居るかも知れない

こんなにも見た事も無い優れた魔道具の数々を造れるのだから


暫く船を走らせると島が見えて来た

嘘や見間違いでは無かった

確かに島は大きくなり緑に溢れている

この国には神の様な魔導士が絶対に居るはずだ


船A)「会長!!

デカい門が見えます」


単眼鏡で彼女が見た物は連絡橋だった

アマビリアは単眼鏡で見てみると

確かに島と陸地を繋ぐ巨大な門が遠くに見えていた


船A)「会長!!

小さな白い船がデカいクラーケン狩っています

信じられない!!

三時の方向です!」


またもや信じられない光景を目にするアマビリア


ア)「何なんだ此の国は

アレは討伐船なのか?」


船A)「かっ!会長!!」


ア)「今度は何だ!!」


船A)「七時後方より巨大船出現!

物凄い速さです

まるで馬が走っている様です」


其処にあの巨大船から光がチカチカと繰り返し

見えたのだが一体何なのか?

やがて巨大船からまたも巨大羽虫が飛んできて喋ったのだ


『本船は日乃本国防衛隊

只今半速にて航行中

大きい波が発生しますので

ご注意下さい』を二度繰り返した


あれで半分の早さだと云うのか

何もかもが規格外だ

お父様待っていて下さい

私はお父様を救うお薬を見付けれるかも知れません


二時間程すると巨大な門に近付いて来たが

何と鉄で出来ている様子だ

大型船通行区間と光の文字が書かれている様だが

其処では無く小型船中型船通行路に向かう様だ

我等の船は40mも有るのに大型船では無いのか


何本も有る波止場にも光文字が有り防衛隊専用1-AB区間と

光文字看板が立てられいる

此れだと夜や濃霧時も分かり易い

そして港湾内には無数の巨大な防衛隊専用艦が浮いている

もしかして全部鉄の船なのかも知れない?


続いて次の区画が見えて来た

次は漁業船専用2-AB区画と光文字看板だ

小さいのか波止場の壁が邪魔をして見え辛い

お!中が見えて来た

何と先程クラーケンを狩ってた船と同じでは無いか!

それも大量に漁船が停泊している

我々にとって恐怖の対象で有るクラーケンは一魚扱いなのか!?


続いて目的の3-AB区画が見えて来た

如何やら民間船区画の様だがとんでもない大型船も姿を現した

何なんだアレは

まるで大型の城ではないか


*アマビリアが見た物は三隻の観光用豪華客船であった

詰まり船としてはスーパーヨットに分類される物だ


白くて美しい城の船だ

まさかとは思うが此の国の国王は船で暮らしているのか?


接岸する船が一隻も無い波止場に着き

地上要員に友綱を投げると上手くキャッチしてくれ

確りと係留して貰うと担当者が現れ

此方の要件を伝えると窓口に案内してくれるそうだ

そして私はカーゴと呼ばれる馬無しで動く

ドアの無い馬車で受付に案内された

但し剣等の武器類は持ち込み禁止だそうで

船に残し置いて来た

最も許可を取り冒険者として活動する者達は

武器の携帯は認められる様に法を改正中らしい


港の管理事務所の受付は何と地上25階建ての長方形の物体が

縦に建っている様な感じなのだ

何とも飾り気の無い何と云うか白い箱を連想してしまう

中に入るとやはり華美な装粧は施されておらず

至ってシンプル清潔な雰囲気だが

石でできている事は理解出来るが

地揺れの時は大丈夫なのだろうか?


其処で私は通行書と通行旗を発行して貰った

通行書は将来自動化されギルドカードと同じ様に為る様だ

私の船は40m以上50m以下なので料金は金貨1枚だそうだ

停泊料も同じく金貨1枚で通行書と通行旗は無料で支給するが

船の屋根に管理魔石を取り付け

航行の管理を一元化して行うそうだ

また此の金貨には保険と云う保証料が含まれており

停泊通行時に魔物に襲われたりした場合金貨100枚が保証され

被害者救済のため支払われる

また映像の魔道具が使用されており

良からぬ行為で態と接触したり沈めたりすると

通行権剥奪のうえ永久追放と云う厳しい処分が待っている


そして私は肝心要の薬やポーションの事を相談すると

建物を出て右隣が病院で薬剤師が居ると云う事なので早速向かう事にした

如何もピンと来ないのが呼称の問題だ

例えば薬師は薬剤師とか云うように少しづつ呼び名が違うので

多少混乱してしまう


隣の建物に着くと

階数は少ないが

やはり同じ様に高い

此の国の接客は何故かとても親切で的確に行動してくれる

治療院と云えば横柄で敷居が高いのが常だが果して此処は


案ずる依り産むが易しとは云うが希有に終わった

とても親切で良く話を聞いてくれたのだが

やがて担当者は少し考え込み

魔道具を使い何処かに連絡をいれていた

暫くすると白衣を着込んだ派手な甲冑と兜を身に纏った者が現れ

別室に案内された


橋元)「私は橋元と云います

お話しをお伺いしましたが

症状を聞く限り肝癌の末期症状だと考えられます

但し患者さんを直接診察した訳ではないので

100%確実とは申せませんが

インターフェロンと云う直接投与するお薬が有るのですが

末期の患者さんには効き難いのです

それに機器の取り扱いが難しいので

経験の無い方には無理ですね」


ア)「其処を何とかお願いしますーーーーー!!」

私は思わず興奮してしまい土下座をして泣き出してしまった


橋)「ん~~困りましたね

引き受けてくれるか如何かは分かり兼ねますが

条件次第では引き受けてくれるかも知れないので

峻治君にでも頼んでみるか~」


ア)「あっっっあの~シュンジクンとは~~?」


橋)「天才的な能力を持ち

此の国を建国した少年だよ

実は此の身体全部も彼が造ってくれたんだよ

今連絡してみるからちょっと待っててね」


私は不安になりながらも暫し待つ事にした

しかし相手が天才少年とは??

建国?????


橋)「今来てくれるそうだよ

丁度お昼寝中だったらしいね

運が良かったね

悪ければ出掛けて夕方でないと戻らない事も多いからね」


暫くすると獣人を伴に可愛らしい少年がやって来た

まさかこの少年が建国者なのか!?


シュ)「橋本さん今日は

其方がサトラシカ商業ギルドのアマビリアさんですね」


ア)「初めてお目に掛かります

アマビリアと申します

宜しくお願い致します」


シュ)「俺の出す条件はブラダリア王都の奴隷と

サトラシカの奴隷計約3000人強の保護です

此れをやってくれるので有れば今から直に向かい治療します

治療時間は約1時間で終わるでしょう

如何ですか条件をを吞みますか?」


私は即座に条件を吞んだ

奴隷3000人ならば高くても光金貨3万枚だ

此れ位なら余裕で出せる

但し他国の人間だと色々な縛りが有り実現しないが

私ならば余裕で熟せる仕事だ

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