第16話 ドルサート大連絡橋

 翌日になりいよいよ橋桁を建てる事になった

一応前日に造った岩礁に二百mの塔を建て

吊り橋にする予定だ

しかし今日は何故か船が一隻も通らないのだ

不思議な事も有るもんだな


〖それはそうである

峻治にとって200m鉄塔なんて極普通に考えてしまうが

此の異世界では悪魔の所業に等しい様にしか見えないだろう

各港の商業ギルドは一旦調査が終了するまで

大回りの航路で

ドルサート島の南側を離れて通る様通達が出されていたのだ

だが本来離れて通るはずが

島自体が巨大化し緑の台地化しており

またもや船上は大騒ぎになっていたのだ

略数日で島の状態が劇的な変わったのだ

騒ぐなと云うのが無理な状況だろう

なので恐怖が先に立ち海峡を船等通るはずが無いのだ

後日報告を受けた冒険者ギルドでは

当初セイレーンか人魚の魔法で攪乱されていたとみなされた〗


そんな騒ぎに為っているとは露知らず

俺は橋造りに性を出していたのだ


高さ200mの塔を橋脚とし

地上100m地点にワイヤーを1000m二本を通し

簡易な板でワイヤー次々にロックして行き繋ぐ

要は簡易な吊り橋をリフォームを掛けながらやっていく

実際の架橋工事は全く持って知らないので鑑定やリフォームの

感覚に任せぱなしなのだ

イメージとしての完成形は本州四国連絡橋だ

先ずは簡易な吊り橋を完成させてから

後日リフォームを繰り返すと云う作戦だ

最終目標は列車も通るミスリル連絡橋だ

ミスリルなので一度完成させると後の管理が楽なのだ

何せ劣化しない魔法金属なのだから

其処に電飾を施し夜間照明の煌びやかな橋を完成させたい


その後島にリフォームを掛けると

予想通り雑木系低木が生え始めたのを確認してから港に戻り

港から森の出口迄高架を作る事にし

高さを調節し高さ約70mの位置に吊り橋を設置する事にした

それで連絡橋と高架の高さは均一になり

デザイン的にもスッキリする

将来的には森の出口と島とを30分で繋ぎたい

次々と森の出口を目指し脚を建てて行く

港から森の出口までは鑑定に頼み正確な水平が出ているので

170mを1000m毎に立てて行く

森の出口に着けば小屋を建て

ターミナルと物流基地を作る心算だ

そして帰りに吊り橋を繋ぎながら港に帰る予定だ


高架が出来れば高架下を草地に戻し

魔物達の往来を可能にしたい

今は如何やら此の道路は避けられている様子なのだ

やはり魔物は賢い恐怖には近寄らない様だ


〖今峻治が造っている橋や高架橋及び港は悪い意味で目立ち始めていた

二日後に訪れる冒険者ギルドのラベリアからもたらされる

魔物数々が衝撃を持って各国の市場で迎え入れられていた

今回峻治はクラーケンとワイバーンとグリフォンを渡す心算の様だが

受け入れる側の市場は果して

急運急を告げる怪しい風が吹き荒ぶ〗


ベ)「明日はいよいよ未来人の山下さんの所ですか?」


シュ)「そうだな

器は既に完成している

会話と念話も可能にしたし

問題はデザインかな?」


ベ)「デザインですか?」


シュ)「少し子供じみたデザインなんだよ

まあ俺の感性で仕上げたんだけどね」


そう俺は戦隊やライダーを見て育った

他にも色々な意匠が混ざり捲りなのだ

要はマンガチックなのだ

果して彼等は受け入れてくれるのだろうか?


俺はどんどん作業を続け昼には吊り橋を完成させ

出口まで到達していた

そして森の出口の外側に幾つかの掘っ建て小屋を

収納内の木材を使い建てた

此れがリフォームでターミナルや物流基地に変化して行くのだ

今のところ列車が森の出口の外で止まり

エレベーターで貨物を降ろす仕組みを考えている


少し遅い昼食後

俺はボスとアスにリフォームを掛けたら

羽と額に水色に輝く宝石の様な物が表れた


シュ)「如何だボスにアス

念話ではなく言葉を喉と口を使い発してみろ」


ボス)「こっこ・え・が・で・る」


アス)「お・れ・も・こ・え・が・で・る」


シュ)「たくさん話すと楽に喋れる様になるはずだ」


フェンリルは新しい新種に進化したので

フェンリルを少しだけ捩ってフェンリカと銘々した

其処で鑑定を通じ分かった事なのだが

ボスは後一回進化出来るが

アスは残念ながら打ち止めの様だ


鑑定するとアスがSSランクで2100程

ボスもSSランクで2600程迄レベルが上がっていたのだ

俺やベリアルは完全に追い越されたな

帰ったら他の皆も進化させる事にするか~


俺達はボスとアスの訓練も兼ねながら

羽の付け根の後ろに跨り飛んで帰る事にした


上空から森林を眺めながら帰っていると

僅かにギガントモスやギガントサイクロップス等が

微かに見え直に隠れてしまった

もう~あの魔物達は俺を襲って来る事は無いだろう

今度は此方が素材収集として襲う立場に変わり始めているのだ


この世界の最強種はドラゴンの成竜と云われている

彼等は此の世界では神に最も近い連中なのだ

子供ですらSランクと噂されている存在だ

ボスはドラゴンと肩を並べる存在にまで進化するのかも知れない



俺達は訓練しながら先を急ぎ島に到着した

隆起させた沿岸部を回りながら地上に現れた

難破船を回収して回った

空を飛ぶので回収するスピードは格段に速くなっている

今日の夕方には島を一周して

難破船の回収も終了しているだろう




翌日になり

俺は先ず橋をリフォーム

だれていた吊り橋が鉄骨の格子に変わり

水平になり幅も広がっりコンクリート舗装の天板も出来た

これだと普通に歩いて島に渡る事も可能だ


次に島にリフォームを掛けると

中木の雑木の森林地帯が山裾に広がっていた

これだと保水力がアップして川が出来るのも早いだろう


次に本土に戻り高架にリフォームを掛け

森の出口に向かい

門や貨物ターミナルにステーションを進化させ

レベルアップを図った

兎も角何度でも打ち止めなるまで繰り返すのだ


そして昼前に俺達は港に戻ってきた

ボス達の速度が飛躍的に上がり

俺の飛ぶ早さを遙かに凌駕し始めていたからだろう


昼食後港に赴き船にリフォームを掛けると

フリッパー船が蒸気外輪船に進化

マーベリカの蒸気外輪船が蒸気瓦斯タービン船と

蒸気外輪船に其々進化したのだが

艦船の大きさも増してしまったので

港自体が手狭になり始めていた


シュ)「こりゃ~

島の南に新たに港を造らないと駄目だな」


ベ)「今迄の二倍以上の大きさになりましたからね」


シュ)「漁船系は反対に

此れから小さく進化して行くんだけどね

それでも流石に狭くなってきたな

大型船としては

大型貨客船とか調査船、空母等に進化していくからな」


取り敢えず島の港は未来人の山下さんの所から帰ってきてから

処理を行う事にした



未来人山下さんの所へはフェンリカの飛行で直に着いたが

山下さん達はフェンリカに興味深々な様子


山)「お~峻治君

良く来た!!

待ってたぞ!」


嬉しそうに皆元気で出迎えてくれた

俺は硬質プラゴーレムを約束通り67体造りあげた

全部其々が色や形が違う

兎も角車の様な鏡面仕上げや美しさに重点を置いた

女性らしさを出した物も有る

そして心臓部のコアになる魔石は進化させ

5cm程の大きさなのだが容量は限り無く多いのだ

後々の進化にも耐えれるようにし

アダマンタイトでコア自体をボール状に包み

例え身体が破壊されてもコア自体は無傷と云う事に力を入れた


次々にホストコンピューターから

其々の身体に魂と記憶の電気信号が移された

たぶん相当の速度だと思われる

俺のいた時代ならば一日掛けても終わるのかは怪しい


プラゴーレムに移った個体は其々体操を始めた

それも何と無く懐かしい動きの体操だ

30年以上未来でもラジオ体操は受け継がれているのか

ちょっと驚いてしまった


山)「峻治君

有難う二万年振りの身体大切に使わせて貰うよ

それと此れを造ったので受け取ってくれ

これはパラライザーと云う銃で

象さんでも瞬時に気絶させれる物だ

僕等の分も其々作っておいたと云うか

ロボット達に造って貰ったんだ

何かの役に立つかも知れんからな~」


(ん?この異世界に象さんは居るのか?)

シュ)「有難う御座います

何か便利そうなので使わせて頂きます

それからプラゴーレムですが

レベルが1000以上有ります

此の世界では一般人達のレベルが10も無い位なので

使い馴れるまで訓練をお願いします」


山)「じゃっ僕達はゴリラ並みの力持ちと云う事なのか?」


シュ)「ゴリラと云うかゴジラかな(笑)」


山)「それってメチャメチャ凄くないか?

反対に恐いぞ!」


シュ)「だから力をコントロールする為

訓練が必要なんですよ

此の世界は危険に満ち溢れています

レベル1000でも油断は出来ません」


山)「成程!分かった

所で話は変わるが

変わった犬だね

羽まで生えてるしデカいし飛んでもなく格好く美しい

子供が生まれたら是非頼む」


シュ)「ボス

此の人達は同郷なんだよ

是非ペアーを組ませたいんだけど」


ボ)「了解した       ((((((ゲッ!!

今念話で67頭呼ぼう」         ワンちゃんが喋った))))))


山)「しゅっ峻治君

今ワンちゃんが喋ったよね?」


シュ)「ええ

俺が進化させ話せる様になったんです

それとテレパシーの様な念話も出来ますから

念話の訓練もお願いします

今67頭が此方に向かってますから

ブラッシング等良く面倒を見てあげて下さいね」


余程驚かせてしまった様だ

まあ当り前か

それから山下さん達と話し合い

一緒に港に住む事になった

この研究所は島の区画整理が終わるまで

暫く厳重に閉じて留守にする事になった


その後他のフェンリカ達が到着して

俺達皆で港に戻る事になった


港に戻ると皆に紹介してから

島の南に大規模港湾施設を造る準備のため

俺とベリアルはボス達と一緒に向かい下準備を始めるのだった





◇――――――――――――――――◇


 後書き


只今出張中ですが

時間を見付けながら少しづつ書き込んでいます

アップするのが不規則になったり

間隔が開いたりすると思いますが

宜しくお願いします<(_ _)>


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