第11話 未来人達の遺産

 翌日俺は8時から港の整備を始めた

岸壁も深く為るよう岩や海底の土砂の回収

最低でも軍港は干潮時で水深20mは欲しい

一つ挟んで隣には貿易港も造りたい


岸壁に掘っ建て小屋を建てて貰いリフォームを掛け

建屋自体を大きくした

後何回かリフォームを掛け鉄筋コンクリートのビルまで進化させたいし

漁業基地も造りたい

何だか此れは昔やった街造りのゲームの様で楽しい


岸壁は5K程造り防長堤を何本も沖迄通し

リフォームが出来る難破船は全部リフォームを掛けたい

それも何処までリフォーム出来るのかも確認したい

此の世界は話を聞く限り周りは軍国主義の覇権国家ばかりの様だ

地球の500~600年前を想像してしまう

兎も角船も進化させ最低でも自衛隊の護衛艦クラスが最低目標だ

出来れば一方的無双状態で勝ち

尚且つ此方は死人等出ない様にしたい

軍国主義は徹底的に潰し

民主的国家が増えてくれると俺も嬉しい

まあそんな感じの軽い目標でも好いだろう

でも其処まで行かせれたら隠居してみたいな


護岸工事も今出来る所までやり

次は昨日と反対側に難破船探しに行く事にした

またタコイカが出ないかな

今の内にダブってもいいから大量に確保して置きたい

寒い時期のタコは旨いと云うけどタコイカも旨いのかな?

折角海に来たんだから

醤油も考えないと駄目だ

異世界の海はどんな魚が獲れるのか考えただけで涎がでてしまう

とっ考えながら無意識に乱雑に打ち上げられている難破船を回収してたら

注意お知らせアラームが突然鳴り出し始めました

お目当てのタコイカかな!?


ベ)「クラーケン二頭の様ですね

普通は複数では来ないのですが

此の海峡はそれだけ数が多いと云えます

難破船の数が理解出来ます」


シュ)「おれも成るべく数を集めたいから好都合

陸にお引き寄せるぞ!」


クラーケンも陸に上げれば好い的だ

但し油断は禁物だ

俺は此の日10頭のクラーケン討伐に成功し

オヤツをゲットした


シュ)「こんなにも大量にタコイカが手に入るとは

此処は楽園なのかも?」


ベ)「そんな事云うのはシュンジ様くらいですよ

船着き場まで道を通すだけでも大変だった様ですよ

王国から魔導士20名国に一人だけのSランクのマカダミア伯爵

Aランク冒険者と傭兵、多数の魔物避けの魔道具等を使い

波止場建設には獣人奴隷達を大量に使い建設された様です

其処で大量のクラーケン等に襲われ

維持管理するのを辺境伯も諦めた様ですから」


シュ)「そうなのか」


ベ)「人が通るのも約10年ぶりくらいではないでしょうか

その時ヘイゼル山を探索していたマカダミア伯爵が

ダンジョンを見付けたとの噂が有りますね」


シュ)「へ~~ダンジョンが~

ちょっと興味があるな

それとあの山は此れから富士山と呼ぼう

俺の知ってる山に良く似てるんだよな

なので領地のシンボルとする」


ベ)「フジサンですか?

了解しました」


今日は弁当持参なので更に足を延ばし

海岸線が崖に阻まれるまで進んでいた所

鑑定のアラームが頭の中に鳴り響いた

如何やら崖に何かが隠されている様だ

海岸線を塞ぐ崖は高さ300mは有るだろう

この切り立つ崖に一体何が隠されているのか

俺はワクワクし始めてきた


シュ)「強力な隠蔽魔法が掛けられているのか

なかなか見付らないな」


ベ)「そう為って来ると私にはお手上げですね

一体この崖に何が隠されているのでしょう?」


シュ)「お宝だったら好いね」


俺は上から崩れて落下してきたで有ろう岩と岩の間を縫う様に

崖の壁面を調査していたら突然見知らぬゴーレムが現れ攻撃を受けた


シュ)「収納!!

あ~ビックリした」


ベ)「全く気配と云うか

魔力が感じられませんでした」


シュ)「魔力の無いゴーレムだったな」

(魔力無いゴーレムかまるでロボットだな)


俺達はロボが居た辺りをサーチを強力にし

重点的に調べていた


シュ)「この壁の向こうに空間が空いてるな」


壁をペタペタ触っていると

或る部分に触れた時発光して声を発した


#){コードナンバーをお願いします}

とっ驚いた事に日本語が聞こえて来たのだ


シュ)「コードナンバー?は俺には無い」

とっ日本語で応えた


#){日本人の方ですね

少々お待ち下さい}


シュ)「分かった」


ベ)「シュンジ様

今の言葉は?」


シュ)「異国の言葉だよ」


暫し待っていると

突然岩がドア状に消失し中に30cm位の光のオーブが

空中に浮かび俺達を待っていた

やはり此のオーブも魔力を感じ無い


#){どうぞ中にお入り下さい

所長がお待しております}


シュ)「分かった案内してくれ」(所長?・・・・・)


俺とベリアルは長い廊下を歩き

やがて少し大きなフロアーに出た

すると突然白衣の人間のホログラムが現れ話し始めた


$){ようこそ私達の研究所に

私はこの施設の代表で山下俊作です

でっ君の名前は?}


シュ)「俺の名前は志摩峻治だ

何と云うか転生者だ

転生したのは2022年位だと思う」


山){成程!理解が出来ました

私達は二万年前に転移して来ました

転移した時期は2057年です

当時中華帝国が核ミサイルを複数東京に向け発射し

大気圏で全部破壊する事に成功したのですが

巨大電磁波の渦が発生し

時空間が割け此の地に施設事飛ばされた様です}


シュ)「成程

俺も理解が出来ましたと云うか

二万年持つ建屋って凄いと云うか何と云うかマジか?

俺の場合最近転生者だと云う事実を知ったばかりだ

俺の居た時代から35年後には戦争が起きるのか?」


山){ええ起きたと思います

でもその最中に転移してしまったので

後の事は良く分かりませんが

何とか短波放送を受信する事が出来

開戦と云う事が分かった次第です

でもその短波も途中で受信が出来なくなりました

でも今聞いた志摩君の話で時間軸がずれたからだと理解が出来ました}


シュ)「さっき私達と言ってたが?」


山){確かにそうだね

皆出てきて挨拶をしてくれ}


次の瞬間笑顔の白衣姿の男女が70人程ホログラムで現れ

みんな一斉に俺を見て楽しそうに話し始めた


{嬉しいわまた日本人に会えるなんて}

{随分と可愛い坊やだね}

{転生だから日本人とは姿形が違うんだね}

{でも日本人の魂が宿っているんだろ}

{長かったな~二万年ぶりの日本人だぞ}

{でも体は此方の世界の人間だから交配も出来るんだな}

{私達は大気圏から電磁波と一緒に放射性物質を

大量に浴びたから子供は諦めたけどやっと同胞に会えたのだ}

{そうだな僕は彼の力になりたいよ}


ホロを見る限り彼等は確かに元日本人だった

今は記憶と心を電気信号に変換しコンピューターの中に移しているが

全員余り長生きが出来ず

転移してから最後の一人が最長23年で肉体を失ったそうだ

以後多数のロボット達が補修維持管理しながら

何とか此の施設を守っていた様だ


その中でも俺が一番嬉かったのが

色々な農産物種子が低温保存されており

栽培施設も此の中に有り味噌や醤油等も製造が可能な事だった

生身の身体の時せめて食事だけはと頑張り

農業施設等を造ったそうなのだ

他にも家畜等も生産され維持管理されているのだとか

あとビックリしたのが愛玩用の小型犬と猫も

維持管理され子孫が残っているそうだ

但し犬は他種同士混ざっており

大きさだけが維持され残されているらしい


そしてベリアルだが獣人が珍しいのかホログラム達に取り囲まれ

熱心に観察されていた


シュ)「此の研究所は農業系の研究所だったのか?」


山){いや違うよ

高出力のイオンエンジンとかを研究していたんだよ

ただ農産物は試行錯誤の連続だったけどね

それと放射能ならもう大丈夫だよ

長い年月がそれを大丈夫にした様だし}


その後俺は何故此処に来たのか聞かれたので

ありのままの経緯を話したら全員が怒り始めた


*){未だ12歳になったばかりなんだよね

許せない!

外に出て志摩君に協力出来ない我が身が呪わしい}


そうか電気信号なのでホストコンピューターから

離れる事が出来ないんだな

待てよ・・・・・それなら俺のゴーレムに移す事も可能かも知れないぞ

俺は鑑定に質問してみると答えは可能と云う事だった


シュ)「もしかするとだけど

外に出れる身体を持てるかも知れないよ」


*){それは本当に

ロボに私達を移殖する研究もしたけど

一人移すには50m級の身体が必要になるんだよ

小さい身体に移せるのかな?}


シュ)「もし移せたら身長2m以内で可能だと思うよ

でも一週間は準備に時間が掛かるとは思うけど

上手く行けば全員外に出れると思うよ

但し機械的な身体にはなると思うけど」


その話を聞いて全員が大喜びし始めた

俺は帰ったら昨日造った一万体の中の67体のプラントゴーレムを

言葉を発する器官を重点的に魔導硬質プラゴーレムまで進化させる事にした

何故なら自分がイメージする姿にリフォームし易いからだ

出来れば特撮系で姿がスマートでお洒落な感じの身体を造ってあげたい

それに基本的にゴーレムは魔石のエネルギーで作動する

また魔石は小さくても電気信号を大量に添付する事も可能なのだ

問題は魔石が破壊されぬ様にアダマンタイトで

核を覆ってやる必要が有るだろう


施設を見学して回ったが

何と俺が生きていた時代の未来の車がクラッシクカーとして

残されていたのだ

ん~~何だか妙な気分だ

未来の車がクラッシクカーなのか

未来の車は水素イオンエンジンで電気自動車も有る様だ

未来の自動車は何と無く卵に見えるし

ハンドルが前面に収納され手放しで簡単に運転が出来る

全自動運転なのだ

それでも何か有った時の為にハンドルはすぐ取り出せるらしい


またゲーム機も見せて貰ったが

頭にカチューシャを乗せる感じでバーチャルゲームが出来る

それも1㎝幅も無く目を遮らない


そして自慢げに見せられたのがラノベの本だ

如何だ凄いだろ紙で出来ているリアル本なんだぞ

触っても好いぞと云われてしまった

因みに芥川賞受賞のラノベらしい

ラノベの未来は明るい

因みに最初に出会ったロボは返したから大丈夫


俺達は引き留められたが

一応近いうちに顔を出す約束をして

その場を後にしたが

二三日内に味噌、醤油、マヨネーズ、ケチャップ、カレールー、

酢、みりん等の生産を始めてくれるそうだ

でも少し時間が掛かるのが醗酵食品の様だ


俺は帰りながら鑑定に質問をした


シュ)「収納って時間が停止するだろ

反対に時間を進めるのは可能なのか?」


答えは可能だった

醗酵食品もこれで早く食べれるぞ

味噌、醤油、酢、みりんが手に入る

未来人よ有難う最高の出会いだ!!

俺は両腕を空に向け上げた





◇―――――――――――――――――――――――――◇

 

 後書き


そろそろストック分が切れそうです

それと出張も重なっていますので毎日の更新が出来なくなります

出張が終わり次第また夜には書けるとおもいますので

宜しくお願いします


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