第9話 グリフォンとギガントモス
またまたやって来たラベリアさん
俺もチョット迷惑に感じ始めたぞ
シュ)「俺は疲れたので暫し休憩をとる
後はお前に任せたので宜しくな」
ベ)「承知しました」
ラ)「ベリアルさんシュンジ様は」
ベ)「ラベリアさん一体如何したんですか
昨日の今日ですよ
それに警護と云う名の監視はもう止めて貰えませんか」
ラ)「監視だなんて
飽く迄も警護ですから
優秀な新人冒険者達を守るためですから」
ベ)「だったら
もっと腕のたつ奴を付ければ良いじゃないですか
余りにも弱過ぎて
此方の気配サーチに引っかかってばかりで
足手まといです
何かあったら助けなければならないのが見え見えです
引き上げさせて下さい」
ラ)「そんな
今回お付けした警護は皆さんと同じDランクなんですよ
お役に立つはずです」
ベ)「ラベリアさんは私達のレベルを御存知なのですか?
一番弱い女獣人ですら300を超えています
警護のドラゴンは全員60チョットではないですか
嘘だと思うのなら鑑定士に鑑定をさせれば宜しいのでは?」
ラ)「そっそんな真か全員がAクラスのレベル以上だなんて
そんなの有り得ません」
ベ)「ん~・・・・・
困った人だ
それで今日はどの様な用事で
真か地竜を売れと云う話しではないですよね」
ラ)「・・・・・
皆さんが地竜三体を倒したのをお聞きしました
先般のギルドマスター及び幹部の不祥事で
今のギルド職員達は立場が非常に微妙な状態で
此の侭では地元出身のギルド職員の総入れ替えが示唆されており
新たに王国本部から送られて来るかも知れません
今は結果を残さないといけないのです
厚かましいのは重々承知しております
何とかお願いします」
シュ)「分かった!
もう良いぞベリアル
ラベリアさん
毎日見張るんじゃなくて
此れからは十日に一度森の入り口まで来てください
其処で討伐した上級の魔物をお渡ししますから
レベルの低い冒険者達を回すのはもう止めて下さい
そのうち死人が出ますよ
貴女は此の森を舐め過ぎだ
ただ仲間達の為に動いているのは良く理解しました
俺に出来る事であれば協力しますので
余り先走らない様にお願いします」
ラベリアさんは泣きながら何度も頷いていた
相当精神的に前ギルマス達のために追い詰められていたのだろう
地元の職員達を守る為に頑張っていたと知り
一応は許す事にした
まあ私利私欲じゃないからな
ラベリアさん達はホクホク顔で
松明を灯しながら地竜や他の魔物をを大量に牛車に乗せ帰っていった
一旦森を出てから野営をするそうだ
一応心配なのでアイアンゴーレム20体に出口まで送らせた
勿論ドラゴン等の冒険者達を引き連れてだ
此れで警護と云う名の監視は終わり
次に会うのは十日後の予定だ
地竜は一頭で我慢して貰い
他の魔物と薬草を増やした
しかし此の行為が初期の争いに発展していくとは
此の時誰も考えてはいなかったのだ
高ランク魔物、滅多に取れない薬草等が各国の注目を浴び
ルーデンシア王国に注文と問い合わせが殺到する事になる
ルーデンシア王国ではレイオーク辺境伯の領地の
バレバンから持たらされたと知り
合同調査団が結成され調査が始められると問題に為り始めるのだが
之はもう少し先のお話し
シュ)「これで覗き見も減るな~」
ベ)「そうですな
鬱陶しい事此の上有りませんでしたから」
シュ)「そうだな
夕食後レベルアップするから
みんなを集めておいてくれ」
ベ)「承知しました」
俺は全員にリフォームをかけレベルアップさせ
今や屋敷化した元物置も内容が充実し始め
現代日本の地方旅館的な内装と内容になって来た
アイアンゴーレムも進化しステンゴーレムに進化し
スマート且つ動きも素早くなってきている
さて問題の装甲車だがタイヤも依り太くなり
車高も増してターレットが高速で動き機関銃が二碇に進化した
此れで上空を飛び回っているグリフォンにも対応が楽になった
兎も角あらゆる装備を進化させ
明日から望む心算だ
翌日結構な数の魔物が道路に集められていた
深夜監視にあたっていたステンゴーレム達が倒したらしい
それも今までの10倍以上の量は有るのでは無いだろうか
ゴーレム達は眠らないので
一気に百体ものゴーレム達に突然襲われたのだ
さぞかし襲われた魔物達も驚いた事だろう
俺達を餌にするために来たのだろうが
返り討ちにされたんだな
朝8時準備も済んで
俺は大きくなった装甲車の上に立ち収納をかけた
幅20m長さ1000mが一瞬にして直線の土がむき出しになった
暫く行くと上空から土の上に三頭が舞い降り俺達を待っている様だ
やはり知能は高いのだろうスグには攻撃しては来ない
俺は近くまで行き装甲車から降りグリフォンと対峙し
鑑定をかけてみた
明らかに地竜よりはレベルが50程高いし
一頭は鑑定持ちの様だ
俺の魔力量の多さが奴には見えている
一頭が前に出て背中の翼で俺を差し示した
如何やら相手は俺との差しでの勝負をお望みの様子
俺も迷わず一歩前に出て勝負を受ける事にした
シュ)「ベリアル!
相手は差しの勝負をお望みの様だ
下がって結界内に退避していてくれ」
俺は更に前にでて奴に近付いた
相手の嘴から少し炎が漏れた瞬間俺は風魔法で飛び上がり
収納を掛け炎の塊が足元を通り過ぎ
グリフォンの頭が吹っ飛んで収納され
瞬時に首から下も収納した
炎弾は如何やら結界に弾かれ上空に上がって行った
戦ったグリフォンの後ろに居た二頭が
血の零れ落ちた辺りを見てガーガーと喚いている
死体を返せとでも言っているのかも?
此れは喰うか喰われるかの戦いだ返す心算は毛頭無い
切れた二頭が更に飛び掛かってきたが
瞬時に収納を掛け同時に首を落とし二頭とも収納したら
上空を円形に舞っていた数十頭のグリフォンが去って行った
戦いは人族が制した
もしもグリフォンが此処等一帯の森林の支配者達なら
俺に代替わりした瞬間だ
たぶん俺に収納が無ければ瞬時に負けていただろう
つくづく神に感謝だな
順調に俺達は道路を造りながら前進していたが
切りが良い所で昼食休憩に入ろうかと考えていた頃
俺はとんでもないレベルの魔物が迫って来てる事にサーチで気付いた
シュ)「ベリアル!
ヤバいぞ!
とんでもないレベルの魔物が来てるぞ!」
ベ)「私のサーチには未だ掛かっていませんが
どれ程の奴か分かりますか?」
シュ)「たぶん1500以上だ」
ベ)「Sランク以上Sダブル未満ですか?
それ程の大物だと検討が付きません」
シュ)「お前でも知らない魔物なのか!?
此処で止まる訳には行かない兎も角前進だ」
俺は取り敢えず12,7mm砲で対処する事にした
流石に魔力1500以上の化け物に収納は無理ではないかと考えたからだ
それに折角進化した機関銃を試してみたいと云うのも有る
ただイザとなったら結界内に戻り引き返すのみ
命は惜しいし仲間の命も大事だ
勝つ依り生き残らなければ意味が無い
暫し待っているとグリフォンに導かれながらデカいのがやって来た
身長約20m以上
角の生えた熊?ゴリラ?
鑑定を掛けたらギガントモスと出た
ベビーモスの上位種で角がSランクポーション以上の基本素材の様だ
それを知った途端俺は絶対に倒してやると云う気持ちが芽生えた
何故なら金になる
俺は恐い乍らも12,7mm砲を顔面に向け撃ち捲った
目玉狙いだ
ギガントモスも焦れたのか付近の大木を引き抜き
剣の様に振り回し始めた
そして行き成り突撃と云うか突進して来たので
俺は堪らず収納を掛けたらまたまた頭が消え失せ
胴体から血が噴出していた
鑑定から血液は薬の材料になるとコメントが入ったので
俺はスグに収納して貴重な血液を確保した
グリフォン達は真か自分達が連れて来た
ギガントモスが遣られるとは思ってもいなかった様で
慌てた捲りその場から逃げ去ってしまい状況は終了し
後ろから歓声があがっていた
まさか倒してしまうとは考えていなかったのだろう
シュ)「ベリアル
何とか勝てたよ
あ~~恐かった」
ベ)「お見事に御座います
その機関銃と云うのも凄いもんですな~
引き抜いた大木がボロボロになりましたからね」
シュ)「そうだな
疲れた!
休憩と飯にしよう」
昼食後俺は緊張してたのか
1時間程昼寝をしてしまった
如何考えても映画に出て来る様な怪物だ
緊張しない方がおかしい
目が覚め俺は無性に珈琲が吞みたくなったが
残念ながら此の世界に珈琲は無い
甘くてミルクたっぷりのを吞みたかったよ
まあ~カフェオレと云う奴だな
俺は子供の頃
夏休みで近所のラジオ体操に参加してたのを思いだし
音楽は無いが緊張を解すためやっていたら
変な注目を浴びてしまった(笑)
シュ)「さて
続きでもやりますか~」
ベ)「そうですな~
やりましょう」
シュ)「そう云えば
あのモスとか云う奴の角でSランクポーション以上が造れるぞ
夕食後造ってみるか」
ベ)「・・・・・」
一応午前午後を合わせ29Kを意識的に仕上げ
前日と合わせて50Kを完成させた
最後にリフォームを掛けると前日の21Kがコンクリート舗装に
本日の29Kが砂利道に進化した
これで海岸線まで残り半分だ
魔物の攻撃が無ければ60Kは超えていたのかも知れない
でもその分貴重な素材が手に入ったので
魔物の攻撃もそう悪くは無い
少し怖くてちびったけど
夕食後俺はSランクポーションに挑戦
S+ポーションが出来上がりベリアル達と喜んだ
Sランクポーションは傷の修復、癌等やウイルス系病の治癒、解呪等が
一瞬にして治す特効薬だ
ベリアルが想定した参考市場価格光金貨12000枚(120億)だ
シュ)「凄いな~
そんなにお金が貰えるんだ」
ベ)「飽く迄も市場価格なので
業者に渡る時はもう少し下がるとは思いますが」
それにしてもギガントモスの迫力は凄かった
まるで映画のキングコングだ
あの映画も面白かったな~♪
もしモスが此処等一帯を支配する魔物だとしたら
明日からは余り強いのも現れないかも知れないな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます