第4話 バレバンの街(改)

 俺は翌朝目覚めると

早々にベットを飛び出し

顔を洗い歯磨きをし始める

此方の世界には歯磨きの習慣は無い

代わりにクリーン魔法が発達している

俺は朝起きたらすぐに歯を磨きたい派なのだ

食後はクリーンでも大丈夫だろうけど


食事の準備は暗い内から始められていたのか

起きた時には好い匂いが辺りに漂っていた

ん~これだけでも何だか幸せだ

此の世界には無い味噌を開発し皆にも朝の味噌汁を楽しんで貰いたい

食い物の事を考えるのは楽しいな


食後新たに同行者として加わった人達も交え

リフォームを全員に掛けた

次に馬、馬車、元物置群、ガーデンハウス、

ソイルゴーレム等にも掛け進化をさせてから出発の準備を始めたい

ベリアル達は少しLvアップが鈍化したのかも知れない

初回に上がった様な上がり方はしなかったので

鑑定に質問したらLvが上がる程上がり辛くなる様だ

またソイルゴーレムはウッドゴーレムに進化してLvが上がっり

遂にLv60になった

此れなら普通のオークだと余裕で倒せるだろう


一応盗賊達も売り物なので粗末ながらも食事を与えさせた

粗末な物で充分だ此奴等は人殺しの集団なのだ

鑑定で調べると少ない奴でも複数人殺している

能力持ちが何人か居たので収納で回収出来るか試してみたら

何と相手の能力も簡単に奪える様だ

俺の収納魔法は万能かつ無敵なのかも知れない


盗賊達から奪った馬と馬車も進化させ

移動速度を上げる事にした

馬車に乗せると盗賊達は安堵した顔をしたので少し悔しい

まあ~速度を上げないと

他の魔物や盗賊に襲われる機会が増えるので仕方がない

トイレは自分達で穴を掘らせ最後に自分達で埋めさせた

水洗トイレは使わせてやらないし風呂にも入れない

売り物なので臭わない程度にクリーンだけを掛けて措いた

それでだけでも充分だろう


移動の途中錬金術で魔導双眼鏡を作り

拡大しながら周りを見回し鑑定を掛けると

果樹や山菜に薬草が目に入ったので収納を掛けたら

離れていても収納が出来た

珍しい薬草等は鑑定に少し力を入れて貰い

アラームで知らせるお知らせ機能を付けて貰った

此れで高位の薬草もふんだんに採取が出来る

とても楽だ

序でに馬車の屋根にリクライニングシートを取り付け

横着をしながら珍しい食用に向く野生動物も

生きた侭結界ボックスに収納して行った

要は島で家畜として繁殖もさせたいからだ


でもLvが上がったベリアル達は腕試しをしたくて堪らない様だ

夜のオークとの闘いを途中で止められたので

多少欲求不満気味なのかも知れない

彼等に持たせた武器や装備も進化しているので

自分達でも試したいのだろう

仕方が無い俺は錬金術で創った空間拡張バックを持たせ

馬車の屋根からオークレベルの魔物を発見するとスグに教えてやると

まあ~嬉しそうな顔をして馬を走らせて行きましたよ

狩りの本能を持っているのか幸せそうな顔をしてたな(笑)


シュンジ)「ベリアル!!

前方約500にオーク7頭!!

左右の茂みに潜んでいる

アーチャも居るかも知れんぞ!!」

(しかし好きだね~~)


狩りや採取を楽しみながら移動していると

遠くにバレバンの城門が見え始めて来た

楽しいと時間が過ぎるのも早い



シュンジ)「私はブラウン・ハイデフォン・レイオークだ

新しい領地に向かうので資材の調達の為に寄った

それと途中盗賊達を捕えたので

冒険者ギルドに引き取りをお願いしたい」


衛兵)「承知致しました

御領主様!

その前に一度盗賊達を改めさせて下さい」


シュンジ)「好きに致せ!」


衛兵達は盗賊達の顔を一人一人確認し始めた

「おい!此奴等お尋ね者の黒豹盗賊団だぞ

間違い無い人相書きとも一致する」

衛兵達は俺達が盗賊団を捕えた事で驚いている様だ


衛兵)「有難う御座います

私達も手を焼いておりました

代官のソシリア様もお喜びになると思います

どうぞお通り下さい

それと冒険者ギルドに案内した方が宜しいですか?」


シュンジ)「うん!宜しく頼む」


回りで聞いていた街人達の口コミで噂が広がり

あっと云う間に野次馬達が押し寄せ始めた


街人)「御領主様の御長男のブラウン様が捕えたらしいぞ」


街人)「おいおい未だ子供じゃねえか

スゲーな!」


街人)「代官様があれだけ手を焼いていたのに

ブラウン様スゲーー!!」


街人)「流石は我が街の領主様だ」


相当困っていたんだな

俺の耳にまで話が届くぞ

やはり名前付きの盗賊団だった様だ

此れは報奨金が期待出来るな

同行者の人数も増えた事だし金は幾らでも必要だ

先ずは金を稼がないと生きては行けん


暫く案内され馬車を先導して貰い

俺達は冒険者ギルドに着いた


衛兵)「此方で御座います

代官のソシリア様には私が連絡して置きますので

盗賊の人数が多いのでソシリア様がギルドまで伺うかも知れません

それでは失礼致します」


衛兵は余程盗賊団が捕えられたのが嬉しかったのか

ウキウキしながら来た道を戻って行った


取り敢えずギルドの受付に赴き

要件を伝え対応して貰う事になった

最初受付では何を言ってるんだと云う顔をしていたが

全員生きた侭捕縛し外の馬車の中に閉じ込めてある事を話すと

奥に引込み他の職員を連れて戻ってきた


受付)「本当に全員生かしているのですか」


シュンジ)「ああ全員生きてるよ

隷属の首輪を嵌めているので今は大人しくしている

地下に有ると云う牢にに早く移動をさせたい」


その後慌ただしくギルドの地下牢に入れ

隷属の首輪を外し引き渡し完了だ


受付)「ギルドマスターがお会いになりたいと云う事ですので

応接室にご案内致します」


格下相手では有るが俺は素直に従い受付嬢の後を追い

案内された応接室に行くとギルドマスターと思われる

中年の親父が待っていた

ギルマスの顔を見ると鑑定の非常アラームが頭の中に響いた


鑑定){悪意有り!要注意!}


如何やら此のギルマスは俺が成人前の子供と聞いていたのか

報奨金を誤魔化し借金の返済に充てる心算の様だ

俺の鑑定は優秀なのだ

ギルマスの様な悪意には敏感に反応し心を読む様だ

そして読んだ悪意を俺に直結で知らせる


ギルドマスター)「此れはブラウン様バレバンの街に

ようこそ御出で下さいました

私は当ギルド代表のルベシベです

宜しくお願いいたします」(本当に未だガキの様だな

これなら上手く丸め込めるだろう)


その時丁度ドアがノックされ女性代官のソシリアが伴を連れ入って来た


ソシリア)「お久しぶりで御座います

ブラウン様」片膝を着き挨拶するソシリア


ギルマス)(チッ!堅物のソシリアか

報奨金の話は今しない方が良いな)


シュンジ)「久しいなソシリア」


ソシリア)「此度は島に渡られるとか

本当に大丈夫なのでしょうか?

何も無い島と伝え聞いておりますが?」


シュンジ)「気遣い感謝する

でも大丈夫だよ

我に策有りだよ

それ依りも先に報奨金と奴隷の売買の話をしたいんだが」


ソシリア)「それなら大丈夫です

先程の受付のラベリアが処理を終わらせましたので

此れが見積もり書です

それとお連れ様全員が冒険者登録をしたんですね

此れが全員分の冒険者登録カードと規約書です」


ギルマス)(チッ!先を越されたか

今日はどうせ泊だろう

配下を使って金を全部巻き上げてやるか)


おいおいお前の心の声全部聞こえてるんだよ

まあ兎も角先に買い物を済ませ

キャンプの準備だな

俺とソシリアはギルマスに挨拶をし

受付カウンターで討伐報奨金と奴隷の販売料を受け取り

みんなと合流した


シュンジ)「アリス!

金を渡すので

増えた同行者の衣服や下着を多めに買ってくれ

何なら店の物を全部購入しても構わない

バイド!

お前も金を渡すので食料調達だ

成るべく美味い物を頼む

渡した金を全部使っても構わないからな

ベリアルは其の侭俺の警護

俺はソシリアの案内で街を見て周るから

ゴリアスは街外れの空き地で野営の準備

案内は従兵がしてくれる

ラモデルはゴリアスの補助を頼む

以上だ!

解散!」


俺はソシリアの勧めで街を案内して貰う事にした


ソシリア)「ブラウン様

ギルマスのルベシベには充分気を付けて下さい

余り良い噂を聞きません」


シュンジ)「うん有難う

今晩俺の寝込みを配下を使い強盗に入る心算の様だぞ

秘密裏に片付けよう

一様街の顔役だから混乱を来さぬ様にしないとな」


ソシリア)「えっ!?

何故その様な事が!?」


シュンジ)「実は俺には

悪意を向けた相手の心の声が聞こえる特殊能力があってな

全部筒抜けになってしまうんだよ

兎も角ソシリアは手柄をたてておけ!

それと話が変わるが俺は改名したから

次ぎからはシュンジ シマと呼んでくれ」


それから俺は此の地域で作られている作物の調査と

近隣の他国の動向等の情報を集めた

やはり各国はダンジョンからの収入に依存しており

ポーションや薬品の値段が高止まりしている

商売としては有用だと云う事を改めて思い知った


そして次に案内して貰った所が俺の希望した鶏農家だ

農家と話し合い廃鶏をタダみたいな値段で200羽仕入れさせて貰い

俺はホクホクだ

何せ俺のリフォームは動物にも有効で

鶏を若返らせ再度卵を産ませる事が可能だからだ

廃鶏は年間一千羽位出るらしいので

予約を入れ全部買い取る約束を取り付け鶏農家を大いに喜ばせた

*此の世界の鶏は若干大型で顔付も蜥蜴の様な顔付である

そのため卵自体も大きく色とりどりの斑模様が出ている

味は日本のスーパーで売られている様な偽卵とは違い大変美味い


時間も押して夕方近くになって来たので俺達は一旦解散する事にした

俺はE+ポーションを20本を渡すとソシリアは慌て始めた


ソシリア)「この様な高価な物を・・・・・」


シュンジ)「大丈夫だ

それは俺が全部造ったやつだから安心しろ

材料さえ有れば幾らでも造れるし

今晩怪我人が出るかも知れないだろ

もしもの時にそれを使ってくれ

それじゃ後でな」


俺達は野営地の前で今晩の事を軽く打ち合わせをし

ソシリアも衛士達と今晩の打ち合わせのために詰所に帰って行った

まあバレバンの街の今晩は大捕り物に為るのだろう

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