第3話 黒豹盗賊団(改)
ベリアルに此の世界の事を色々と教えて貰いながら移動しているが
俺は余りにも此の世界の事を知らな過ぎの様だ
ベリアルに云わせると貴族の子供はそんなものらしいが
世間に疎すぎて恥じ入るばかりの自分が見えてしまう
みんなと一緒に旅に出て結構勉強にはなっているが
地球の知識を生かしながら何とか此の世界で生き抜きたいもんだ
斥候に出ていたラモデルが急ぎ戻って来て
ベリアルと何かを話し込んでいる様子だ
ベリアル)「シュンジ様
如何やら此の先に盗賊が待ち伏せしている様です
引き返しますか?」
シュンジ)「そうだな
今更引き返していては何も始まらない
此れから先色々な困難にぶち当たるだろう
逃げていては駄目だ
盗賊相手に遅れを取る訳には行かない
出来れ真正面から堂々と潰したい
盗賊は何人位だ?」
ベリアル)「約40人程らしいです」
シュンジ)「全員捕えて
犯罪奴隷として売り捌きたいな
そうだな俺に考えが有るので試してみたい
もしも危なくなったら助けてくれ」
この街道の先20キロ位にはバレバンと云う人口五千人程の街がある
近くにダンジョンが幾つか有るため人々が集まり小さな街になった様だ
盗賊との距離は約2K
盗賊を避けてはバレバンの街には行けない
其処で俺は盗賊を全員捕え金に換えたいと考えた
またアジトの場所を吐かせ序に奪ったお宝もゲットしたい
バレバンの街には冒険者及び商業ギルドも有るので換金は可能だし
同行者の人数も増えたので色々と買い足したい物も有る
増えた分の食料も調達しておきたい
盗賊を生きた侭捕らえギルドに差し出せば
それなりの金にはなるだろう
其処で俺が考えた作戦だが
本来収納には生き物を入れる事は出来ないが
馬を収納した様に別に固定結界を張ったボックスを造り出すと収納する事も可能だが
俺はその結界ボックスを使い
盗賊達の首と胴体を分けて収納する事が可能か鑑定に質問をしてみた
鑑定の答えは可能だったが
ボックス自体を時空間収納内に収納してしまうと命を奪ってしまう様だ
生きた侭収納するには再度胴と頭を繋いでからだ
なので俺は結界ボックスのみに胴体だけを入れ
盗賊達を殲滅する事を考えた
成功すれば奴等も恐怖に恐れ慄く事だろう
果して上手く行くのか兎も角試してみないと此ればかりは分からない
良い実験材料だし此れから先の事を考え試す事にした
シュンジ)「ベリアル
盗賊に近付いたら奴等が襲い易いよう態と速度を緩めてくれ」
ベリアル)「承知しました」
やがて速度が落ち
回りをニヤケタ盗賊達が取り囲み始めた
俺は馭者席から馬車の屋根の上に上がり全体を見回し
盗賊全員が集まり口上を述べようとした瞬間
収納を発動し盗賊の胴体や馬とを結界ボックスに収納し
辺り一面生首だけがポトリと転がっていた
未だ現空間と繋がっているので血が噴き出す事も無い
盗賊達は一瞬何が起こったのかも分からず
その顔は目を見開き恐れ慄いていた
まっ肺と繋がっていないので声も出せないわな
ベリアル)「シュンジ様!凄いです!
上手くいったようですね
驚きました!」
シュンジ)「その様だな
次は奴等の隠れ家を強襲し
金目の物は全て奪いたいので
隠れ家の場所を案内させたい
誰でも良いので吐かせてくれ」
俺は屋敷にあった屑鉄で
予めリフォームしておいた隷属の首輪を胴を繋いだ身体に嵌めさせ
ベリアルに屈服させるよう指示を出し
盗賊の頭目を先頭で歩かせアジトに案内をさせる事にした
如何やら隷属の首輪は此の世界初らしいのでベリアルに驚かれたが
奴隷紋選りは使い勝手が良いと喜んでいた
何せ術者がいなくとも簡単に魔力を流すだけで誰でも使用出来るからだ
頭目は馬に乗り恐怖で萎縮しながらもしぶしぶ俺達を案内し
一時間程でアジトに着いた
襲って来た盗賊の数は全部で39人
留守を預かる4人と合わせ計43人は冒険者ギルドに売る事になった
盗賊達は全員馬を持っていたがアジトにも馬房が有り
自分達依りも多くの馬を所持していた
差し詰め馬賊の様相だ
まあそれだけの人々を襲い殺めてきたのだろう
もう此れで年貢の治め時だがな
アジト自体は洞窟に成っており裏側からも出入りが出来たり
なかなか時間を掛けた造りに成っており
木材で補強等もされていた
俺はそれでも少しショボいなと思いながら
金目の物を全部収納していたが
未だ奥に通路が続いている事に気が付いた
奥に向かうと本来のお宝で有る金銀財宝が眠っていそうなドアと
牢のスペースも発見した
そして魔法の光源を向け牢の中を照らしてみると
獣人の他にヒト種も混じった女達が捕えられていたのだ
その数は20人以上はいる
おまけにヒト種の下腹部は微妙に膨らんでいた
明らかに妊娠している
俺達は女性の捕虜達を保護し
食事を取らせ
結構匂うので風呂に入れ着替えをさせた
幸い着替えだけは戦利品として洞窟に保管して有ったので
それを渡し着替えて貰った
俺はその後アジトの洞窟を土魔法で閉じ
他者が侵入しない様にしてバレバン目指したが
今日中に着くのは明らかに無理だろう
街道で一泊するしか無い
しかし夜の街道は魔物達に襲われる可能性が高い
俺は慌てて昨日造っていたプラントゴーレム100体をリフォームする事にした
リフォームするとLv40のソイルゴーレムに進化した
Lv40ではギリギリだろうな
ゴブリンでも上位種はLv40以上の個体が居る
オーク等は普通にLv40以上だ
今夜は結界とソイルゴーレムと交代で男性従者達に警戒して貰おう
一応大型の天幕も購入していたので
保護した女性達は夜露を凌げる
盗賊達には屋根なしで過ごして貰おう
後は屋敷から持ってきた物置やガーデンハウスをリフォームし
ベットを二段ベットにリフォームすれば良い
馬房も巨大化させれば馬達も全頭入るだろう
俺は鑑定に疑問に思ったので或る事を質問してみた
獣人達の方が多いのに何故妊娠していないのかを
鑑定の答えは
獣人達は奴隷の様な物で余り人気が無かった事が一つ
そして一番の大きな原因は獣人の性質にあった
獣人達は一度受け入れた雄との間に抗体が発生し
他の雄を受精しない性質が有るのだそうだ
抗体を排除するには同じ雄と何度か交尾を繰り返さなければならない
ランダムに交尾を繰り返しても受精はしないのだ
そう云えば俺も大学時代に習った事を思い出した
地球人の雌は違う雄とでも簡単に妊娠出来るが
獣は反対に妊娠し辛い事を
此の異世界のヒト族は地球と同じの様だ
但し地球の猫系は別で同時に違う雄の子を妊娠出来る
なので同時に色違いが多発的に発生をするが
この異世界で如何なのだろうか?・・・
そんな事を考えているとベリアルが何か話が有る様だ
ベリアル)「シュンジ様
保護した女達の事で御話が有ります」
シュンジ)「うん
如何した?」
ベリアルの話は保護した獣人達18人と
妊娠してるヒト種全員の5名も同行させたいとの事だった
獣人達は元々口減らしのため奴隷商に売られて運ばれいた所を
盗賊達に襲われ性奴隷にされていたのだそうだ
ヒト種の方は全員バレバンの中小の商家の生まれで
一度盗賊に攫われると家には戻しては貰えず
近隣の豪農の年寄り辺りに妾として強制的に嫁入りさせられるか
ましてや子持ち等は以ての外で戻っても地獄が待っているだけなのだそうだ
もはや保護されても全員が詰んだ状態だった
シュンジ)「分かった
ベリアルに全てを任す
でも同行する者達は妊婦以外は全員Lvアップさせるからな
女でも戦って貰うと迄は云わないが責めて自分の身だけは
自分自身で守って欲しい」
ベリアル)「分かりました!」
ベリアルは笑顔で走り出し保護女性達の所に戻って行った
しかしな~ん~~
総勢52名か~
兎も角移動用の馬車と馬のリフォームだな
幸い馬車は盗賊達のを利用するし
馬には余裕が有る
後は食料や生活必需品をバレバンで購入するしかない
しかし何か有る度に人数が増えている様な気がするぞ
俺は島流しだけで充分幸せな気分なんだよな
俺自身回りが考えている様な悲壮感は一切ないし
人が増えていく事も正直理解出来ないでいる
結構危険な旅になるし島での生活も大変だと思うんだよ
てっ云うか全員の名前を憶えられるのかな?
実は俺はあまり人には興味がないんだよな~
前世から基本的に自分さえ良ければ良いって云う感じの考えなんだよな
日も落ち今は夜中の10時頃だろうか
外が急に喧しくなった
予想通り魔物の襲撃だ
それもオークの団体様だ
結界が有って良かったけど
ん~~最悪だ!
俺が改造物置から出ると
結界の外に出てベリアル達とソイルゴーレム達がオークと闘っていた
最悪な事にオークは如何みても100頭以上の団体様だ
此の頭数だと必ずオーキングも居るだろうし
Lvアップしたベリアルとゴーレム達だけではとても無理だ
シュンジ)「全員結界内に戻れーーーーー!!」
俺の大声で全員が結界内に全員が飛び込み戻ってきた
ベリアルは急いで俺に駆け寄ってきて
ベリアル)「オーク共は朝になっても引きませんよ」
シュンジ)「大丈夫だ
俺が例の方法で全部倒すから任せろ!
俺が倒し終えるまで結界から全員を出すな!」
俺はまた例の収納魔法を使う事にした
ほんの数回の経験だが今の所無敵状態だ
此処は神が授けてくれた魔力量に頼ろう
相手を考えると此方は全滅すらあり得るのだ
俺は夜間工事で使われる大型バルーンを思いだし
光魔法に魔力を込め上空30m位にバルーンを灯し
リフォームした物置の二階屋根に風魔法で足元を覆い飛び上がり全体を見回した
凶暴そうな猪と豚が混ざった様なオーク達が牙を剥き出し
警戒しながら凄い形相で俺を睨んでいる
俺は大声で【収納!!】とっ唱えた
すると瞬時にオーク達の頭が消え失せ血柱が上がった
凄い勢いで血が吹き上げピーっと鼓との音が響いた個体も居た
後方に居る5m以上の巨大オークも血柱を上げていた
恐らく奴が親玉のオーキングなのだろう
他のオーク達とは明らかにサイズが違う
最終的に俺には200頭以上のオークを倒していた
みんなは大喜びだ
オークの肉は旨いので喜んでいるのだろう
反対に捕らえた盗賊達は青い顔をして佇んでいる
そりゃそうだ自分達も首ちょんぱされたばかりなのだからな
俺は胴体も収納してしまい
バルーンも消し屋根から飛び降り
眠たいので早々に自分のベットに引き上げた
たぶん怪我人はいないだろう
ポーションも渡してあるし
子供は寝るのも仕事の一つなのだよ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます