早起きな遅番の日

 ピローン


 スマホがLINEの通知を知らせる。

今日の目覚めはそれがきっかけだった。

 その程度の音で目が覚めるくらい眠りが浅かったのだから、目覚めはスッキリとしていて良い。

 とりあえずスマホを確認すれば、画面には6:56と表示されており、彼氏から昨日のやり取りに対しての返信がきている。何となく即既読を付けたくない私は、早く返信したい気持ちを抑えて一旦スマホを閉じた。


 目覚めがいいというのはいい事だが、今日は仕事が午後からの遅番な為、こんな朝早くにスッキリと目覚めてしまっては困る。

 もっと眠そうにして貰わなくては、二度寝ができないだろう。と、こんな時ばかり目覚めが良い自分に文句を言いつつ、仕方がないのでとりあえず朝ご飯を食べる事にした。腹が満たされれば自然と眠くなるはずだ。

 台所に行き、適当にある物で食べれば、予想通り眠気が襲ってくる。よし、いいぞ。これで眠れる。

 と、思ったのだが、もう一度布団に潜り込むと眠気がどこかへ行ってしまった。

 ああ。もう、最悪だ。


 どうしてか、遅番の時はあまり寝られない。

 遅番は15時から仕事が始まる為、1時間前の14時には家を出るのだが、ご飯を食べる時間を考えても12時に起きれば余裕で間に合う。しかし、何故だか毎回9時や10時頃には目が覚めてしまう。

 早く寝過ぎなのかな?と思い、頑張って4時や5時くらいまで起きていた時もあったが、結局目が覚めたのはいつもと変わらない時間だった。

 別に、それでも5時間くらいは寝られているのだが、仕事前に起きている時間が長すぎて、仕事の途中で眠くなってしまうのだ。だから、定時で帰れる日はいいが、残業になってしまった時にはもう辛くて辛くてしょうがない。

 同じ5時間でも、早く寝て仕事の時間よりも大分早く起きてしまった5時間と、遅く寝て仕事前のギリギリまで寝ている5時間では感覚がかなり違ってくる。

 去年は1時間早い時間からだったのだが、今年に入って何故かどのシフトも時間が1時間ずつ後ろにズレてしまい、早番は前より朝起きる時間が遅くなったので早起きの辛さが無くなりラッキーだったが、夜勤と遅番はあまり寝れない為逆に辛くなってしまった。前までは遅番が1番楽だったのに、今では遅番が1番つらい。

 いつもより寝る時間が少ない分、起きている時間が長くなるからか、1週間が長く感じて仕方がないし、もう早く遅番終わってくれ。と、毎回思いながら1週間を過ごす。



 そして今週も、いつもと同じ事を考えながら過ごすのであった。




 ああ。早く遅番よ終わってくれ。





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