3. 終わりに
3-1. 表紙と装丁、別丁扉
『ミュゲ書房』のイラストレーターはくじょうさん、装丁は西村弘美さんです。
お二人とも色々と意見を出しながら考えてくださったそうで、素晴らしい仕上がりです。とてもありがたく思っています。
カバーイラストは編集さんが何度かPDFを送ってくれ、色校になってからは二回、郵送してくれました。一度目は、帯や表紙などと一緒に。二度目は、カバーイラストのみを(色味を調整したので)。
A2版でしょうか、とても大きな封筒に入っていました。
イラストはもちろん、装丁もとても素敵に仕上げて頂きました。
紙の材質や色はもちろん、表紙のデザイン(『ミュゲ書房』のブックカバーをイメージしているそうです)など、細部までこだわって作ってありますので、もし『ミュゲ書房』をお手に取る機会がありましたら、じっくり観察して頂ければ嬉しいです。
装丁の仕事には、「どんな文字を使うか」も含まれるそうです。
単行本は一冊一冊、使用する文字から考えるそうで、『ミュゲ書房』では「オールド明朝」という書体が選ばれました。
最後に、今回の書籍化でもっとも嬉しかったことの一つを書いておきます。
それは「別丁扉」が付いたことです。
改稿の打ち合わせの際に編集さんが、別丁扉のある本は作ったことがない、という発言をしたことがあり、私は、(そうか今回も別丁扉は付けられないのか……)と思いました。
それが一月のある日、「紙について」というメールが送られてきまして、『ミュゲ書房』のどこにどんな紙を使うか、銘柄が書かれてあり(写真も添付してありました)、その中に「別丁扉」も含まれていたのです。
「編集さんが『ミュゲ書房』で初めて別丁扉を付ける」という事実に、編集さんの新たなステップに立ち会えたような気持になり、そのメールのとても嬉しそうな様子に、『ミュゲ書房』を担当して頂けて本当に良かったと感じました。
後から知ったのですが、今回の書籍化では、私の知らないところで苦労も多かったようです。
『ミュゲ書房』にも書いてあるのですが、編集の仕事は、著者が書いた原稿を読んで赤入れするだけでなく、装丁家や印刷業者とのやりとりなど、原稿を本の形にするための作業全般を取りまとめることを含むので、かなり大変だと思います。
そんな中、原稿完成まで忍耐強く真摯に向き合っていただき、感謝してもしきれません。
他にも印象的な出来事はいくつもあったのですが、余計なことまで書いてしまうといけないので、このエッセイはここでいったん終了にしたいと思います。
刊行に関しての動きがあれば、その都度更新していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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