警察官の証言 その2
神崎ひかげの事情聴取か。それは、プライバシーもあるので話せん。まあ、話せる範囲でいえば普通の事情聴取だったよ。出来事の詳細を聞いて、後の裏とりと照らし合わせる。そんなよくある日常業務。
あんたもあの動画を見たのだろ。喧嘩の一部始終を撮影したあれを。いやぁ、凄かったね。あれは。素人の動きじゃない。躊躇なく頭から突き落としてるからね。普通は戸惑う。かじっている者だって咄嗟にできるもんじゃないよ。殺す覚悟がなきゃあんなことはできん。それは俺の経験にかけて断言できる。
ただ、あの神崎ひかげに限定すれば、殺すつもりがあったのかはわからん。
「人間を止めるのって難しいじゃないですか。ビルから落とされても、まあ普通に歩けるし、あれぐらいやらないと止まらないと思って。」
と、奴は平然と言っていたよ。いやいや、ビルから落とされたら死ぬだろ、普通。って内心突っ込んだよ。でも、まあ彼女について調べていくうちに、あれは本心だったと今は思うよ。
お前さんは神崎ひかげについて調べているんだろ。なら知っているとは思うが、あの危険生物ばかりを扱う動物園。あそこに展示されている動物の大半は神崎ひかげに捕まった生物だ。体長4、5メートルはざらの怪獣達。あれを単独で倒したって言うんだから、本物の化け物だよ、神崎ひかげは。
あ?、神崎ひかげが捕まった当日の出来事が知りたい。お前さん。さすがに一般人に話せることじゃない。まあ、話したい奴はいると思うから頑張りな。それじゃ、この酒は頂いていくよ。
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